閉じる

日文研の話題

第351回日文研フォーラムを開催しました(2024年9月10日)

2024.09.24

 9月10日、ルチア・ドーラ・ドルチェ外国人研究員(日文研/ロンドン大学アジア・アフリカ研究学院日本宗教研究センター議長)を講師に迎え、コメンテーターの磯前順一教授(日文研)、タイモン・スクリーチ教授(日文研)による司会のもと、日文研フォーラムを開催しました。会場となったハートピア京都には、総勢102人の方々にお集まりいただきました。

 前半、「神・仏・「神仏習合」――歴史的意義と現代実践」と題したドルチェ研究員の発表では、本地垂迹説や神祇灌頂といった、中世日本において神と仏を混淆的に祀った神仏習合の歴史的様相が、図像を用いて紹介されました。さらには、現代の日本の寺社における習合的儀礼の「復興」や、イタリアのカトリック教会における習合状況との比較など、興味深い事例が報告されました。

 ドルチェ研究員の発表を受け、コメンテーターの磯前教授は「ドルチェ研究員の神仏習合の研究は、神や仏を祀る儀礼とその変化に注目することで、既存の物の見方の枠組みを突き崩し、普段私たちが見過ごしているものに気づかせてくれる」、「日本文化のあり方を不変のものとするのではなく、変化に富んだ豊かな磁場ととらえるきっかけをもたらしてくれるのではないか」とコメントしました。

 質疑応答の時間には、フロアから「東アジアとヨーロッパの習合の違いはどのようなものであるのか」、「神仏習合の現代社会での復活、コロナ禍との関連をどのように考えることができるのか」などといった複数の問いが投げかけられました。それらの質問に対してドルチェ研究員が答える形で活発な議論が展開され、フォーラムは盛会裏のうちに終演を迎えました。

(文・西田彰一プロジェクト研究員)


〈ご関心のおありの方は以下の研究者ページもご覧ください〉

〔研究者紹介〕
■ルチア・ドーラ・ドルチェ外国人研究員
https://sekai.nichibun.ac.jp/researcher/edit/20775
■磯前順一教授
https://www.nichibun.ac.jp/ja/research/staff/s007/
■タイモン・スクリーチ教授
https://www.nichibun.ac.jp/ja/research/staff/s106/

トップへ戻る