今、世界の日本研究は危機をむかえています。
海外の方々が、日本に関心を持たなくなったわけではありません。日本のポップカルチュアは、21世紀に入り、人気を高めています。
和食を楽しむ人も、増えました。ですが、日本文化を研究する若手たちは、たいへんな逆境をむかえています。
かつて、世界へ進出した日本の企業は、彼らへの支援を惜しみませんでした。しかし、今は情況が変わっています。諸外国の日本研究者は、研究資金の獲得に四苦八苦しているというのが現状です。
国際日本文化研究センターは、世界の日本研究をささえるハブとして、設立されました。さまざまな国々の日本研究機関から、助けてほしいという声がよせられます。日本文化研究に意欲を示す学徒へ、滞在の便宜ははかれないか。国際日本文化研究センターは、外国人の日本研究にうってつけの環境をそなえている。ぜひ、学生もふくむ若手に、同センターでの研究機会を与えたい。たとえば、そんな要望をよく聞くようになりました。
私たちは、これに応えていこうと思っています。日本研究にいどむ学生、若手研究者を、従来より広く受け入れる仕組みも、整えだしました。しかし、いかんせん資金にゆとりがありません。私たちの予算も、年々減らされています。経済的な御支援をお願いするにいたったのは、そのためです。皆様方のお力添えで、国際的な日本文化研究を、もう一度活性化させて下さい。