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日文研の話題

第7回 日文研×読売Bizフォーラム東京「文学翻訳を取り巻くダイナミズム ― 谷崎潤一郎から拓かれた翻訳の可能性」を開催しました(2024年3月8日:オンライン)(※ 2024年4月26日追記)

2024.03.19

 今回のフォーラムテーマは「文学翻訳をめぐる力学」そして「翻訳が拓く可能性」でした。川端康成や三島由紀夫、谷崎潤一郎の小説が次々と英訳された第二次世界大戦終結後、日本の小説はいかなる流れの中でどのように英訳・編集・出版されたのか、そしてそれらの作品は英語圏においてどう受け止められたのか──。日本近現代文学や比較文学を専門とする片岡真伊准教授(日文研)と井上健氏(日本比較文学会元会長/東京大学名誉教授/東京工業大学名誉教授)が語り合いました。

 冒頭の講演で片岡准教授は戦後の、おもに英語圏における谷崎潤一郎の小説が翻訳されるとき、どのような文化・言語間の葛藤があったのか、翻訳の舞台裏や英訳から拓かれた新たな可能性など、史実を掘り起こしながら詳細に紹介しました。その後、井上氏とのトークセッションでは、外国小説の日本語訳の歴史も例に引きつつ、文学翻訳を取り巻く力学や翻訳と日本近現代文学との関わりなど、多様な観点から議論が拡がりました。視聴回数が220名を超えた本イベント終盤には視聴者から寄せられた多くの質問をもとに講師両名による活発な意見交換が行われ、白熱の余韻を残しつつ盛会裏の内に幕を閉じました。当日の様子は読売調査研究機構 YouTube チャンネルにて配信されていますので、ぜひご覧ください。

(報告:総合情報発信室)

動画のご視聴はこちら:


< ご関心おありの方は下記の著作・研究者ページ(日文研)もご覧ください >

〔著書〕

■片岡真伊著『日本の小説の翻訳にまつわる特異な問題──文化の架橋者たちがみた「あいだ」』
https://www.chuko.co.jp/zenshu/2024/02/110148.html
(中央公論新社のウェブサイトに移動します)

■井上健著『文豪の翻訳力──近現代日本の作家翻訳 谷崎潤一郎から村上春樹まで』
https://toshonin.nichibun.ac.jp/webopac/BB10078688
(日文研OPAC)

■井上健編著『翻訳文学の視界──近現代日本文化の変容と翻訳』
https://www.shibunkaku.co.jp/publishing/list/9784784216000/
(思文閣のウェブサイトに移動します

〔研究者紹介(日文研)〕

■片岡真伊准教授の研究者ページはこちら
https://www.nichibun.ac.jp/ja/research/staff/s2305/


<※ 2024年4月26日追記>

 講演やトークセッションの要旨は、読売新聞オンライン上でご覧いただけます。

https://www.yomiuri.co.jp/choken/seminar/bizforum/20240409-OYT8T50010/
https://www.yomiuri.co.jp/choken/seminar/bizforum/20240409-OYT8T50009/

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