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「高畠華宵大正ロマン館所蔵近代日本大衆雑誌図像データベース」を公開しました

2022.03.08

 高畠華宵大正ロマン館が所蔵する明治末期から昭和初期に刊行された大衆雑誌37種405冊のうち、表紙・目次・口絵・裏表紙などのメタデータとそのIIIF画像約2,000点を掲載した「高畠華宵大正ロマン館所蔵近代日本大衆雑誌図像データベース」を新規公開しました。

 このデータベースは、日文研大衆文化研究プロジェクト・大正イマジュリィ学会・高畠華宵大正ロマン館との連携による研究推進活動の一環として構築されました。高畠華宵を中心とする表紙絵・挿絵を含む大衆雑誌のイマジュリィ――イメージ図像を指すフランス語で、挿絵・ポスター・絵はがき・広告・漫画・写真など大衆的な図像の総称――は、大正イマジュリィ学会設立の根幹をなし、大正期の大衆文化の視覚的側面を考えるうえで重要な資料です。また、これらのイマジュリィ資料の公開を通して、美術史・文化史・社会学・歴史学などの多領域にわたる研究に資すること、そして、その魅力を広く一般に伝えることを目的としています。


対象資料:高畠華宵大正ロマン館所蔵の大衆雑誌37種405冊

  • 少女向け雑誌(『少女画報』『少女の友』『令女界』ほか)
  • 少年向け雑誌(『少年倶楽部』『日本少年』ほか)
  • 婦人向け雑誌(『婦人世界』『婦女界』『女性』『主婦之友』ほか)
  • 大衆娯楽教養雑誌(『講談倶楽部』『面白倶楽部』『現代』『東京』ほか)


主な特徴

  • 約300名の国内作者、約70名の海外作者による図像(非公開のものを含む)とメタデータが含まれています。
  • 画像を中心とするデジタル化資料を相互運用かつアクセス可能とするための国際的な枠組みであるIIIF(International Image Interoperability Framework)を採用し、一般の方から世界の研究者まで広く活用されることを目的としています。
  • 画像については、著作権保護期間が終了したものおよび著作権者の許可を得たもののみ公開しています。


●作成

国際日本文化研究センター・機関拠点型基幹研究プロジェクト「大衆文化の通時的・国際的研究による新しい日本像の創出」、大正イマジュリィ学会、高畠華宵大正ロマン館


●高畠華宵とは

高畠華宵(1888-1966)は、京都市立美術工芸学校で日本画を学んだのち、1911年に手がけた津村順天堂の婦人薬「中将湯」の広告図案で注目を集め、その後大正から昭和初期にかけて、『講談倶楽部』『少年倶楽部』『少女画報』『婦人世界』などの大衆雑誌で挿絵・表紙絵などを描きました。その美少年や美少女の抒情画は「華宵好み」とも呼ばれて、一世を風靡しました。


●高畠華宵大正ロマン館とは

高畠華宵大正ロマン館は愛媛県東温市にある個人美術館です。高畠華宵の故郷・愛媛県宇和島市の華宵の実家に残されていた作品資料をコレクションの基盤として、1990年に開館し、華宵の親族によって現在も運営されています。高畠華宵の作品と関連資料、大正大衆文化資料など約10,000点を所蔵し、年間3〜4回の展覧会を開催しています。また、大正イマジュリィ学会の事務局を務めています。
高畠華宵大正ロマン館 https://www.kashomuseum.org/


●日文研大衆文化研究プロジェクトとは

日文研が、2016年度から2021年度にかけて、人間文化研究機構・機関拠点型基幹研究プロジェクトとして取り組んでいるプロジェクト(正式名称:「大衆文化の通時的・国際的研究による新しい日本像の創出」)です。日本文化全体を構造的・総合的に捉え直すため、大衆文化の通時的・国際的考察に取組み、新しい日本像と文化観の創出に貢献することを目的としています。このデータベースは、本プロジェクトにおける研究成果の一部です。


●大正イマジュリィ学会とは

近代日本のイマジュリィ――挿絵・ポスター・絵はがき・広告・漫画・写真など大衆的な図像の総称――に関心を持つ人々が集い、意見交換を行う共同の場として、2004年に発足しました。学会活動の中心である研究活動に加え、イマジュリィ資料の共有や展示などの活動などを通して、大正イマジュリィ研究の深化を目指しています。



データベースの説明チラシ(PDF(1.8MB)が開きます)
ご利用はこちらから → https://iiif.nichibun.ac.jp/TKB/

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