閉じる

日文研の話題

共同研究の実践知を共有するIRイベントを開催しました(2026年7月29日)

2026.08.28

 2026年7月29日(水)、国際日本文化研究センター(日文研)において、「国際共同研究の実践知:制度・経験・研究現場をつなぐ」をテーマとしたIRイベントが開催されました。2部形式で、対面とオンラインを併用したハイブリッド開催でした。第1部のミニシンポジウムには人間文化研究機構本部ならびに各機関の教職員、IR担当者を中心に、他大学からのゲスト参加も迎えながら催されました。合計42名の参加でした。第2部は第1部の登壇者と所内教職員を中心とした意見交換会であり、参加者十数名による活発な議論が行われました。

 今回のイベントは、これまで日文研が継続して開催してきたIRシンポジウムIRワークショップの成果を踏まえ、第5期中期目標期間を見据えた国際共同研究の推進をテーマとして企画したものです。事前のヒアリングから汲み取ったニーズに応じて、研究者とURA・IR担当者がそれぞれの立場から経験を共有し、制度と研究現場をつなぐ実践知について考える機会を設けました。

 第1部のミニシンポジウムでは、磯田道史教授(日文研IR室長)の開会挨拶の後、孫詩彧(日文研IR室助教)の司会進行のもと、3名の講師による講演が行われました。

 高倉浩樹氏(東北大学東北アジア研究センター教授)は、「非常時に応答する共同研究:災害研究と戦争移民研究の実践から考える」と題し、災害研究や戦争移民研究の経験をもとに、共同研究は研究成果を生み出すための「手段」であり、個人研究との往還を通じて新たな知見が創出されることの重要性について講演しました。

 平澤加奈子氏(東京大学史料編纂所学術専門職員・シニアURA)は、「つながりから創る共同研究:人文系URAが『共創のデザイナー』として紡ぐ実践知」について、人文系URAによる研究支援の実践や、研究者・組織・地域を結ぶ「LINKER」としての役割を紹介し、多様な主体をつなぐ支援のあり方について報告しました。

 中野惟文氏(東北大学統合日本学センター特任助教URA)は、「日本学のアウトプット構造の可視化と研究評価」をテーマに、日本学分野の学術誌を対象とした定量・定性分析を紹介するとともに、研究評価においては数値だけでは捉えきれない制度的・実践的背景を踏まえる必要性や、URAが研究実践と評価制度をつなぐ役割を果たし得ることを示しました。

 第2部では、松田利彦教授(日文研)を司会として総合討論を実施しました。日文研における共同研究の実践を念頭に置きながら、共同研究の推進における課題や支援体制、研究者と支援者それぞれの立場から見た国際共同研究の魅力と困難について、多角的な意見交換が行われました。こちらはクローズド形式の開催により、実務に即した率直な議論が展開され、参加者相互の知見共有と交流が深められました。

 本イベントを通じて、国際共同研究を支える制度や研究支援、研究評価について理解を深め、研究者とURA・IR担当者が実践知を共有し、機関の枠を越えたネットワークを構築する貴重な機会となりました。事後アンケートでも講演内容に対する高い満足度が示されました。今後も日文研では、このような対話と交流の場を継続的に設け、国際共同研究の推進とIR活動の高度化に取り組んでまいります。

(文:孫詩彧 IR室助教)

  • 会場の様子 会場の様子
トップへ戻る