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展覧会「写真のはじまりと広がり―日文研と鹿児島大学の所蔵資料から―」を開催しました(2026年3月10日~23日)

2026.04.10

 2026310日(火)から同23日(月)にかけて、日文研は、鹿児島大学法文学部附属「鹿児島の近現代」教育研究センター(以下、「鹿児島の近現代」教育研究センター)と合同で「写真のはじまりと広がり―日文研と鹿児島大学の所蔵資料から―」と題する展覧会を鹿児島大学附属中央図書館において開催しました。

 世界初の実用的な写真術であるダゲレオタイプ(銀板写真)が、嘉永元年(1848年)に西洋から日本にもたらされると、のちに薩摩藩主となる島津斉彬のもとにわたりました。そのため鹿児島は、日本における「写真のはじまりと広がり」の起点のひとつとして重視されてきました。この歴史的事実をふまえ本展では、鹿児島における初期の写真の関連資料を所蔵する鹿児島大学附属図書館の協力を得て、鹿児島の近現代史の教育研究機関である「鹿児島の近現代」教育研究センターと連携し、鹿児島という場で黎明期の写真の足跡を振り返り、鹿児島大学の学生や教職員、市民に向けてその魅力を広く発信することを目指しました。

 鹿児島大学附属図書館の所蔵資料からは、島津氏に仕えた木脇家伝来の、明治初年の撮影と推定される沖縄の写真や、薩摩藩から刊行された『遠西奇器述』など、日本における写真の「はじまり」に位置する貴重な写真や技法書をパネルで展示しました。木脇家写真の背景や、写真実践に象徴される鹿児島の近代化については、「鹿児島の近現代」教育研究センターより解説を提供していただきました。

 日文研からは、『所蔵古写真カタログ―その1―』(国際日本文化研究センター、2000年)に所収されている日本と西洋の肖像写真群を、写真の「広がり」を示す資料としてパネルで紹介しました。写真群に写っている人びとは歴史的人物ではないため、従来、ほとんど注目されてきませんでしたが、本展ではこれら無名の写真たちに光をあてています。

 またパネル展示だけにとどまらず、姶良市歴史民俗資料館よりご貸与いただいた明治初年撮影とみられる湿板肖像写真を通じて、19世紀の写真がまとう生々しい存在感にも実際に接することのできる催しとなりました。

 来場者からは、鹿児島が写真の歴史においても重要な場所であることを初めて知ったという声や、鹿児島では古写真の展覧会が珍しいので驚いた、といった感想がありました。本展の内容は、同時開催したシンポジウムの論考等とともに、今後、冊子にまとめて公開する予定です。

(文責:安藤千穂子 プロジェクト研究員

  • 鹿児島大学附属中央図書館の入り口 鹿児島大学附属中央図書館の入り口
  • 会場風景 会場風景
  • 展覧会のようす 展覧会のようす
  • 展示パネルの一部 展示パネルの一部
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