IRシンポジウムと懇談会を開催しました(2024年12月9-10日)
2024年12月9日(月)と10日(火)の2日間にわたり、国際日本文化研究センター(日文研)で「IR(Institutional Research)シンポジウム」と「IR担当者懇談会」を開催しました。二つのイベントはいずれも対面とオンラインのハイブリッド形式で開催し、人間文化研究機構の担当理事と教員、国立歴史民俗博物館、国文学研究資料館、国立国語研究所、総合地球環境学研究所、国立民族学博物館及び日文研のIR業務に携わる教員、研究員、事務職員、そしてIR業務に関心を持つ方々が参加されました。
12月9日午後1時から3時に開催されたIRシンポジウムは、「人文科学・社会科学における評価と応用を考えて」というテーマで、軽部大教授(一橋大学大学院経営管理研究科経営管理専攻/同大学イノベーション研究センター長)によるゲスト講演と、人間文化研究機構の人文知コミュニケーターである駒居幸特任助教、澤崎賢一特任助教より事例紹介が行われました。
シンポジウムの冒頭、松田教授(日文研副所長)から開会の挨拶があり、その後、孫詩彧(日文研IR室助教)による司会進行で、ゲスト講演と事例紹介がそれぞれ行われました。ゲスト講演で軽部教授は、「人文科学・社会科学の研究評価をどのように考えるべきか」というテーマのもと、研究プロジェクト「我が国の人文学・社会科学の国際的な研究成果に関するモニタリング指標の調査分析」における研究者データの取得・統合分析、ならびに人文社会科学の各分野に所属する研究者への半構造化インタビュー結果を紹介しました。その後、熱心な議論と質疑応答を経て後半の事例紹介に入りました。
事例紹介では駒居特任助教(日文研総合情報発信室)から「評価から探る異分野交流:人社系研究発信の一現場から」をテーマに、新潟大学における学術図書の評価と発信事例を説明があり、続いて澤崎特任助教(総合地球環境学研究所)から「イメージの想像的な活用と、その評価の難しさ」をめぐって、映像芸術の活動や映画作成に関する評価の課題が提示されました。
以上を踏まえ、総合ディスカッションでは登壇者3名より、とりわけ人文社会科学分野における評価について意見が述べられました。フロアからも展示や映像など、論文や書籍ではない成果の取り扱い、評価に関する問題提起がありました。このようなシンポジウムを通して、最新の研究成果を共有できただけではなく、様々な事例紹介を通して評価の再考、評価のあるべき姿の問い直しにつながり、とても有意義な会となりました。さらに翌日の10日にはIR担当者懇談会が開催され、初日のシンポジウムの内容をさらに深めた議が行われました。
今後もこのように他機関・他大学との交流を続け、IR業務のさらなる向上とIRから評価まで一連の作業に対する議論の深化に寄与していく所存です。
(文:孫詩彧 IR室助教)