ワークショップ「次世代の国際日本研究」を開催しました(2023年3月23日)
3月23日、ワークショップ「次世代の国際日本研究」を開催しました。本ワークショップでは、人文学の現状と今後の展開について、総合研究大学院大学(総研大)の大学院生、人文知コミュニケーター、日文研の教員・研究員・職員など様々な立場から14名の参加があり、活発な意見交換が行われました。本ワークショップの目的は、他分野間の研究交流を促進し、大学院生たちの研究を発展・深化させるとともに、次世代の声を今後の国際日本研究の推進と研究成果発信活動に反映することです。本ワークショップは、第1部「人文知コミュニケーターによるトーク」と第2部「アイディアソン」の二部構成で開催しました。
第1部では、大場豪氏(人間文化研究機構人間文化研究創発センター研究員)が「人間文化研究機構と人文知コミュニケーター」というテーマで人間文化研究機構の活動内容と人文知コミュニケーターの役割を紹介しました。続いて、アルト・ヨアヒム氏(国立歴史民俗博物館特任助教/人文知コミュニケーター)が「《被害者》の国民アイデンティティー?第二次世界大戦、アニメ、集合的記憶と想像の共同体」というテーマで自らの研究紹介を交え、人文知コミュニケーターの心構えについて発表を行いました。更に、郭佳寧特任助教(日文研/人文知コミュニケーター)が「文理融合による人文学の新展開」をテーマに文理融合の意義と国際日本研究が目指すものについての発表を行いました。
第2部「アイディアソン」では、「国際日本研究の持続可能な研究・教育の実践方法、その成果発信の在り方」と「文理融合/横断研究の有効性」という2つのトピックについて議論が交わされました。その後、総研大生の虞雪健さんが「国際日本研究の持続可能な研究・教育の実践方法、その成果発信の在り方」について、議論を踏まえて発表し、続いて、坂知尋プロジェクト研究員(日文研)が「文理融合/横断研究の有効性」について、参加者の意見を集約して発表しました。
本ワークショップには留学生も多数参加しており、海外における教育・研究の現状が紹介され、特にSNSを通した研究交流や多言語での研究発信の在り方については、様々なアイディアが生まれました。また、文理融合の有効性については、情報学と連携してApp開発などにコンテンツを提供する人文学の重要性が再認識されており、データベースの活用やAI技術の利用による新たな知見や発想が共有されました。
本ワークショップは、今後の研究推進および研究成果の発信活動に大きく寄与する非常に有意義な催しとなり、次世代による新たな国際日本研究の実現に大きな可能性を感じる機会となりました。
(文:郭佳寧 総合情報発信室 特任助教)