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日文研の話題

第26回日文研海外シンポジウム「On the Heritage of Postcolonial Studies: Translation of the Untranslatable」を開催しました

2020.03.06
2020年2月13日から15日までの3日間、ニューヨークのコーネルクラブにおいて表題のシンポジウム「On the Heritage of Postcolonial Studies: Translation of the Untranslatable」(ポストコロニアルの遺産:翻訳不可能なものの翻訳)が日文研、「国際日本研究」コンソーシアム、翰林大学校日本学研究所、酒井直樹・コーネル大学教授によって共同開催されました。

シンポジウムの趣旨は、日本研究をポストコロニアル研究の文脈に置き、日本の近代化をアラブ、インド、東アジアの経験と比較することによって、どのように地域研究としての日本研究を超えることができるかを問うことです。Talal Asad教授の表現「Translation of the Untranslatable」を共通のキーワードとして、発表者はそれぞれの専門分野から、東アジアのポストコロニアルの様々な状況の分析を試みました。

1日目は、松本太・在ニューヨーク日本領事と荒木浩・日文研副所長からの開会挨拶と、徐禎完教授(翰林大学校)による発表を皮切りに、9名の若手研究者が台湾、韓国、インド、日本、中国、イタリアなどにおける帝国主義、植民地主義下での政治や文学のケーススタディを発表しました。2日目と3日目は、磯前順一教授(日文研)の導入に始まり、Talal Asad教授(ニューヨーク市立大学)、Gayatri Spivak教授(コロンビア大学)、Hent de Vries教授(ニューヨーク大学)、酒井直樹教授(コーネル大学)ら著名な研究者によるTranslationの構造、複雑性、限界、可能性、意義などについての発表があり、それに加えて、松田利彦教授(日文研)や平野克弥准教授(UCLA)からそれぞれ韓国、アメリカー日本のコロニアルな状況での特定の思想や活動について発表がありました。コメンテーターのMarion Eggert教授(ルール大学ボーフム)、友常勉教授(東京外国語大学)、全成坤教授(翰林大学校)、安井眞奈美教授(日文研)、楠綾子准教授(日文研)も交えて、非常に活発な議論が交わされました。

総括では、このトピックをもとに今後も同じテーマによる発展的研究を続けていきたい旨の確認がなされました。
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