第270回 日文研木曜セミナー
※本セミナーは新型コロナウイルス感染症に関する今後の状況により、中止となる場合がございます。あらかじめご了承願います。 最新の開催に関する情報は日文研HP(本ページ)でご確認ください。
開催日時:2022年03月17日(木)16:30
テーマ
居場所はできたかい?――震災と社会差別、東日本大震災11年
概要
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2011年3月11日の東日本震災から十一年。しかし、一体、何が解決したというのか。廃炉への見通しがきかない福島第一原発。「おれは田舎に帰還してまだ四年。だから震災四年だ! 」しかも、戻るのは高齢者ばかり。そこに子供たちの笑顔はない。お酒を飲んでは、「生き残った自分が申し訳ない」と涙する老人たち。差別、搾取、そして否認。一体、誰のせいなのだろう。いつから、こんな無表情な人間になったのだろうと恥じ入る。なんのためのポストコロニアル翻訳論だったのか。 そんな私の心に浮かぶ光景は、 ≪籠のなかにいる鳥を眺める人間の風景≫。しかし、突然、その光景は一変する。《私が鳥、鳥が人間》。いつの間にか籠の中に私がいて、籠の外の巨大な鳥が私を眺めている、嗚呼。 話の舞台は、宮城県の津波で最大の被害に遭ったと言われる石巻市から始まり、仙台をへて、回復した常磐線に沿って南相馬、第一原発周辺の浪江町と双葉町へ、さらにはいわき湯本へと南下する。沢田研二らの歌声に誘われて、声なき人々の魂の声に耳を傾けよう。死者たちの遺言どおり、希望の灯を点す最後の旅に出るのだ。人間が人間であるために。 参考文献 |
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- 発表者 磯前 順一国際日本文化研究センター 教授
- コメンテーター 安井 眞奈美国際日本文化研究センター 教授
- 司会 大塚 英志国際日本文化研究センター 教授
開催情報
開催日: | 2022年03月17日(木) |
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- 参加方法:
申込み要
オンラインで参加される場合、メールにて①氏名、②役職・所属先、③件名に「日文研木曜セミナーオンライン参加申込み」を明記し、3月10日(木)までにご連絡願います。
折り返し、開催前日までにZoomミーティング入室用のURLをお知らせいたします。
メールアドレス:kenkyo*nichibun.ac.jp(*を@に置き換えてください) - 場所: Zoomによるオンライン開催
- 開始時間: 16:30
- 終了時間: 18:00
- 参加対象者: 研究者の方を対象(学生を含む)
- 言語:日本語