閉じる

基幹研究プロジェクト

海外シンポジウム

開催日時:2024年11月16日(土)09:30 ~ 2024年11月17日(日)

テーマ

非西欧社会における近代化の再考:日本(東アジア)とエジプト(アラブ)の場合Ⅲ

概要

▶ PDFを見る

 この度、国際日本文化研究センターおよびカイロ大学文学部・日本学研究所の主催で、カイロ大学にて海外シンポジウム「非西欧社会における近代化の再考:日本(東アジア)とエジプト(アラブ)の場合」を開催いたします。2日間にわたる本シンポジウムでは、日本やエジプトだけでなく、レバノン、イラク、ヨルダンを含む様々な国・地域からの日本研究者が一堂に介し、エジプト(アラブ)・日本(東アジア)との近代化の比較研究や、文化、思想、文学等の分野ごとのセッションや、若手研究者による発表セッションを通して、様々な視点からの「非西欧社会における近代化」について議論を深めることを目指します。

(開催趣旨)

 周知の通り、19世紀以降、西ヨーロッパにおいてはいわゆる「国民国家」が相次いで成立し、その世界各地への進出(ウェイスタン・インパクト)によって、まず長らく続いてきた近隣のオスマン帝国が1850年代にイギリスを目標とした近代化への改革を進め、また遠い中国の清帝国も第二次アヘン戦争の敗北を受けて、1860年代から政治制度以外の体制改革を始めた。ただ、この両者はどちらも広大な支配領域と数多くの他民族を擁していたことなどで、結局は西欧モデルの近代国家構築が実現できず、20世紀初頭にそれぞれの帝国としての終焉を迎えた。

 一方、清帝国から独立して存在し、長らくほぼ単一民族として国家運営を続けてきた日本はこのウェイスタン・インパクトに素早く反応し、明治維新を通して短期間に「国民国家」を成立させたのみならず、日清、日露戦争の勝利によって早くも周辺地域の一部を植民地として領有し、歴とした新帝国の座に登り詰めた。

 また、16世紀からオスマン帝国に帰属させられたエジプトは、18世紀末のナポレオンのエジプト遠征を経て、半ばオスマン帝国から独立した形で近代化を進め、その後さらにイギリスの直接、間接的な支配のもとで第一次世界大戦後にようやく独立王国、つづいて共和国へと歩むことができた。

 このように、日本(東アジア)とエジプト(アラブ)は、同じ西洋列強の圧力ないしは進出によってやむなくそれをモデルとした近代化を進めることになっていたが、両国(地域)の歴史や文化的背景、また列強諸国の干渉の手法などにより、そのプロセスにおいて一定の類似性を見せながらも、きわめて大きな相違を呈していたのもまったく言を俟たないことであろう。

 本シンポジウムでは、両国(地域)のこうした紆余曲折な近代化の歩みを比較し、いわゆる非西欧社会において、それが如何に現地化ないしは多様化したのか、またその目標とされた国民国家を構築する際に如何なる矛盾と衝突を抱えていたのか、これまでの苦難に満ちたその道程を再考し、あわせて今後の展望も検討する予定である。

プログラム

11月16日(土)

9:30 開会式
10:30 基調講演
11:30 セッション1「非西欧思想と西欧思想-矛盾か共存か」
13:05~14:00 休憩
14:00 セッション2「非西欧社会における近代化経験の事例」
15:40 セッション3「日本における近代化の再検討」
17:00 1日目終了

11月17日(日)

9:30 セッション4「日本・エジプト(アラブ)間の相互イメージ」
11:30 セッション5「日本文学・言語研究」
13:25~14:30 休憩
14:30 セッション6「日本研究」(若手研究者セッション)
16:10 パネルディスカッション「日本語普及・日本研究:過去・現在・未来」
17:10 閉会式
17:40 2日目終了

詳しいプログラムはこちら

見出しアイコン開催情報

開催日: 2024年11月16日(土) ~ 2024年11月17日(日)
場所:
カイロ大学(エジプト)※対面開催のみ
主催:
カイロ大学文学部および日本学研究所、国際日本文化研究センター
共催:
「国際日本研究」コンソーシアム
助成:
国際交流基金
お問い合わせ・連絡先:
国際日本文化研究センター 研究協力課国際研究推進係
E-mail:symposium*nichibun.ac.jp(*を@に置き換えてください)

TEL: 075-335-2073
FAX: 075-335-2092
トップへ戻る