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共同研究2022年

日文研所蔵井上哲次郎関係書簡の研究――国民国家の始発と終焉

ユニット
文化と権力
研究代表者 磯前 順一教授
茢田 真司客員教授

 井上哲次郎(1856~1944) は明治期の東京帝国大学を代表する哲学者であった。日文研にはその書簡が140点所蔵されている。本共同研究では、その書簡の体系的な分析をもとに、日本における国民国家の始まりの姿がどのようなものであったのかを考察する。作業としては、1)井上を中心とする知識人のネットワーク分析、2)国民国家における全体主義と民主主義の関係の考察、3)国民国家における人権と主権の関係の考察を三つの柱として行う。
 それらの作業を通して、1)井上が作った知識人のネットワークにおいて、国民国家がどのように構想されたのか、2)そこにおいて民主主義と全体主義はどのように区別されていたのか、あるいはいなかったのか、3)そこでは人権および主権がどのように関係付けられ、国民国家を支えるものとして構想されていたのかを明らかにする。その結果として、国民国家や民主主義が形骸化する現代の日本社会のあり方を浮き彫りにしたいと考えている。
(以下の研究組織は2022年4月1日時点のものです)

センター研究者等 磯前 順一 国際日本文化研究センター・教授
茢田 真司 國學院大学法学部・教授、国際日本文化研究センター・客員教授
伊東 貴之 国際日本文化研究センター・教授
平野 克弥 UCLA History Department・准教授、国際日本文化研究センター・外国人研究員
PRADHAN Gouranga Charan 国際日本文化研究センター・特定研究員
村島 健司 国際日本文化研究センター・プロジェクト研究員
共同研究員 小田 龍哉 同志社大学人文科学研究所・嘱託研究員
大村 一真 同志社大学法学部・大学院生
関口 寛 同志社大学人文科学研究所・准教授
磯前 礼子 朝日カルチュアーセンターくずは教室・講師
小倉 慈司 国立歴史博物館研究部歴史研究系・教授
荻原 稔 國學院大學研究開発推進機構日本文化研究所・共同研究員
久保田 浩 明治学院大学国際学部・教授
吉田 一彦 名古屋市立大学高等研究院・教授
上村 静 尚絅学院大学総合人間科学系・教授
吉村 智博 大阪公立大学都市科学・防災研究センター・特別研究員
須之内 震治 国際視覚障碍者援護協会・評議員、茨城大学教育学部・元非常勤講師
藤田 啓介 ぺりかん社編集部・編集者
海外共同研究員 馬 冰 北華大学・講師
全 成坤 翰林大学・助教授
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