共同研究2022年
近代東アジア文化史の再構築Ⅰ―19世紀の百年間を中心に
- ユニット
- 大衆文化研究の展開
研究代表者 劉 建輝教授
従来、19世紀以降のナショナリズムの影響のもとで、われわれのいわゆる文学史や文化史、いずれも一国を単位とし、外部、ないしは他者と切り離して構築してきた。日本文学史・文化史、中国文学史・文化史などがそれである。しかし、これは、文学や文化自身の成立原理に反するのみならず、真の歴史的実情とも異なっている。
周知のとおり、日、中、韓、越の東アジア四ヶ国の文学や文化は、古代、近代を問わず、つねに互いに影響し、互いに交錯して、緊密に連動している。古代では、漢字や漢文、また儒教や仏教などがその基盤を構成し、そして近代では、いわゆる西力東漸、西学東漸という時代の流れの中で、東アジア四ヶ国は、さらに交互に経験を参照し、交互に支え合う形でそれぞれの文化的転換を模索しつつ、一つの全体のもとで,相次ぎ西洋文化、西洋文明のインパクトを受け入れてきた。したがって、この200年の東アジアの文学や文化の生成と発展からすれば、それを安易に各国の一国内史に切り分けては、けっしてその間の真の歴史過程を再現することができない。
このような事情に基づき、本共同研究会では、近代日中の文学、文化交流を中心に、その相互に影響し、交錯するさまざまな歴史的事例の発掘と考察を通して、従来の一国史的な歴史叙述の脱構築ないしは止揚を目指すべく、既成の歴史記述とは異なる視点や方法を提示し、当該地域全体の文学や文化の歴史をあらためて構築してみたい。
(以下の研究組織は2022年4月1日時点のものです)
センター研究者等 | 劉 建輝 | 国際日本文化研究センター・教授 |
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〃 | 井上 章一 | 国際日本文化研究センター・所長 |
〃 | 石川 肇 | 国際日本文化研究センター・特定研究員 |
〃 | 光平 有希 | 国際日本文化研究センター・特任助教 |
〃 | 磯田 道史 | 国際日本文化研究センター・教授 |
〃 | 森岡 優紀 | 国際日本文化研究センター・日本学術振興会特別研究員 |
共同研究員 | 上垣外 憲一 | 大妻女子大学比較文化学部元教授 |
〃 | 陳 力衛 | 成城大学経済学部・教授 |
〃 | 王 宝平 | 二松學舍大學文学部・教授 |
〃 | 小倉 紀蔵 | 京都大学大学院人間・環境学研究科・教授 |
〃 | 単 援朝 | 崇城大学、熊本大学・非常勤講師 |
〃 | 陳 継東 | 青山学院大学国際政治経済学部・教授 |
〃 | 仲 万美子 | 同志社女子大学・名誉教授 |
〃 | 松宮 貴之 | 佛教大学文学部・非常勤講師 |
〃 | 森田 憲司 | 奈良大学・名誉教授 |
〃 | 深尾 葉子 | 大阪大学大学院人文学研究科・教授 |
〃 | 太田 梨紗子 | 神戸大学大学院・博士課程後期課程 |
〃 | 南 誠 | 長崎大学多文化社会学部・准教授 |
〃 | 李 偉 | 長崎大学多文化社会学部・客員研究員 |
〃 | 高橋 博巳 | 金城学院大学名誉教授 |
〃 | 村田 雄二郎 | 同志社大学グローバル・スタディーズ研究科・教授 |
〃 | 岸 陽子 | 一般社団法人中国研究所・所員(早稲田大学名誉教授) |
〃 | 安藤 潤一郎 | 東洋大学アジア文化研究所・客員研究員 |
〃 | 陳 捷 | 東京大学大学院人文社会系研究科・教授 |
〃 | 劉 岸偉 | 東京工業大学リベラルアーツ研究教育院・教授 |
〃 | 戦 暁梅 | 東京工業大学リベラルアーツ研究教育院・准教授 |
〃 | 平岡 隆二 | 京都大学人文科学研究所・准教授 |
〃 | 李 長波 | 同志社大学日本語・日本文化教育センター・教授 |
〃 | 閻 小妹 | 信州大学学術研究院総合人間科学系・特任教授 |
〃 | 張 競 | 明治大学国際日本学部・教授 |
〃 | 伊藤 謙 | 大阪大学総合学術博物館・特任講師 |
〃 | 塚瀬 進 | 長野大学環境ツーリズム学部・教授 |
〃 | 稲垣 智恵 | 中京大学教養教育研究院・講師 |
海外共同研究員 | 王 中忱 | 中国清華大学人文学院・教授 |
〃 | 唐 権 | 中国華東師範大学外国語学院・副教授 |
〃 | 孫 江 | 南京大学・教授 |
〃 | 劉 序楓 | 台湾中央研究院・教授 |
〃 | 孫 建軍 | 中国北京大学外国語学院・副教授 |
〃 | 新井 菜穂子 | 北京工業大学・外国専家 |
〃 | 王 志松 | 北京師範大学・教授 |
〃 | 青木 信夫 | 天津大学・教授 |
〃 | 徐 蘇斌 | 天津大学・教授 |