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日文研×読売Bizフォーラム東京

第8回 日文研×読売Bizフォーラム東京

テーマ

縮小する「文化」概念――「社会の分母」をどう広げるか?

見出しアイコン概要

 「文化」って何?「文化を守る」「文化の創出」「〇〇は日本の文化だ」。よくこのような言い方を聞きますが、何を「文化」と言っているのでしょうか?「文明」と「文化」の違いは何でしょうか?

 本講座では、このように様々に捉えられる「文化」を、その変遷を踏まえ、現代の日本における位置づけや広がりを取り戻すための「政策」について、文化交流史を専門とする国際日本文化研究センターの山田奨治・教授が紹介します。また、講座の後半では、京都大学大学院教育学研究科(文化政策学)の佐野真由子・教授との対談を通して「新しい文化政策プロジェクト」の提言を紹介します。

【講師による講演内容の紹介】

「文化」という言葉が、世にあふれています。「文化の活用」「文化産業」「文化観光」などなど……。「文化」は「culture」の訳語として明治のはじめに定着しました。その後「文化」と「文明」の語は、日本語でも外国語でも意味内容が混同されて使われてきました。

「文化」は元来、特定の社会集団に特徴的な生活様式や価値観をも含む、人間活動の総合的な概念だと考えられています。それが大正期にドイツの「Kultur」概念の影響を受けて「国民の固有性」の意味合いが強くなります。そして、終戦後の日本は「文化国家」の道を歩むことを宣言しました。

それ以後の日本の「文化」概念は、一方で狭義の「文化芸術」を意味するものに収斂し、他方で「文化産業」のコンテンツを指すようにもなりました。またゼロ年代後半からはインバウンドを意識した「文化観光」のために「活用」するものにもなっています。

講演者は、こうした歴史をへて「文化」概念が縮小してきたと感じています。「文化」の広がりを取り戻すための「政策」について、最後に考えます。
(山田奨治)

〝現代の日本において「文化政策」論と称されるものが、あまりにも小さくなってしまってはいないか? たとえばアーティストの支援、文化財の保護などに関する制度の改変や、制度利用のノウハウ、また「文化予算」の多寡をめぐる議論ばかりが中心になってしまってはいないか?……〟2023年3月に〈新しい文化政策プロジェクト〉が公表した提言「社会の分子ではなく、分母としての文化政策」の冒頭部分です。

このような問題意識を、年々強く持つようになっていました。「文化政策」を広く捉え直したい……私たちの生き方そのものにかかわる、社会づくり、国づくりの問題として……と謳い、〈プロジェクト〉を立ち上げたのが2019年。山田先生にはその当初からご参加いただき、いまも一緒に活動を続けています。

ご講演を受けて、私からは〈プロジェクト〉の紹介を中心に、その背景にある歴史研究にも触れながら、「文化政策」の矮小化について論点を提示できればと思います。
(佐野真由子)

講師 山田 奨治(国際日本文化研究センター 教授)
佐野 真由子(京都大学大学院教育学研究科 教授)
司会関水 誠(読売調査研究機構)
内容 (1)山田 奨治氏による講演
(2)山田 奨治氏と佐野 真由子氏による対談
(3)Q&A

見出しアイコン開催情報

開催日 2024年10月10日(木) 
場所: YouTubeライブ配信
視聴方法の詳細については、こちらのサイトをご覧ください。
開始時間: 19:00
終了時間: 20:30
申込み:
受講料: 無料
申込み方法: 参加ご希望の方は、以下の応募フォームからお申し込みください。前日までに視聴方法をメールでご案内します。
【応募フォーム】 https://peatix.com/event/4099945
【応募締め切り】 10月7日(月) ※定員に達し次第、締め切ります
定員: 500名
主催: 国際日本文化研究センター、一般社団法人読売調査研究機構
共催: 後援:読売新聞社
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