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日文研×読売Bizフォーラム東京

第5回 日文研×読売Bizフォーラム東京

テーマ

絵葉書が伝えた「外地」
-近代日本のアジア表象を考える

見出しアイコン概要

 国際日本文化研究センター(日文研)は2021年度より、一般社団法人読売調査研究機構と連携し、研究の蓄積と最新成果を広く社会に発信するため、「日文研×読売Bizフォーラム東京」を開催しています。
 第5回「日文研×読売フォーラム東京」のテーマは「絵葉書にみる近代日本の中国表象」です。
 明治時代末期から大正時代にかけて、世界各国で郵便制度が整備されたことから絵葉書が人気を博しました。日本では日露戦争の記念絵葉書がブームとなり、はがきがコミュニケーションの手段として人々の生活に浸透していました。とりわけ美術作品を図柄とした絵葉書は手軽に楽しめるアートとしても好まれ、文展・帝展など官設展覧会でも出展作品を素材とした美術展絵葉書が数多く制作されました。このように、当時の絵葉書は言葉だけでなく、図柄に表された事象や情報を大衆に広く伝えるメディア(媒体)の役割をも果たしていました。
 例えば、美術展絵葉書に用いられた作品は、人物・静物・景色など様々なモチーフが描かれており、時代性も映し出されています。当時日本が関わっていたアジア諸国の景色が描かれることもよくありました。気軽に国外に出ることがなかったその時代、人々は絵葉書から「外地」の様子を知ることも多かったと考えられます。絵葉書というメディアを通じて何が伝えられ、それはどのように受け取られたのでしょうか。
 本講座では絵葉書を文化資源としてとらえ、その価値について考えます。講師は日中文化交渉史を専門とする日文研の劉建輝(りゅう・けんき)教授、聞き手を近代日中美術交渉史が専門の日文研の戦暁梅(せん・ぎょうばい)教授が務めます。

【講座内容のご紹介】
 国際日本文化研究センターは、近代美術の大衆への普及という観点から、長年にわたって文展、帝展、新文展などの美術展覧会の絵葉書を蒐集し、その大衆文化の発展過程における役割等を研究してきました。研究成果の可視化と社会還元の一環として、現在、約23000枚の所蔵絵葉書を順次データベース化し、一般公開する準備を進めています(※)。
 官設展覧会としての文展、帝展、新文展は、明治40年(1907)の初回開催以来、美術関係者のみならず社会各界からつねに高い関心を寄せられていました。その影響により日本の美術展覧会は美術界にとどまらず、一般国民も楽しめる一種の大衆性を持つようになったと見られます。時あたかも絵葉書ブームのなか、展覧会の出品作を載せた絵葉書は国民の間で美術鑑賞を手軽に体験、または追体験できる大変便利な伝達媒体となっていました。
 本フォーラムでは、前述の日文研所蔵の近代日本美術展絵葉書データベースの紹介をかねて、「絵葉書にみる近代日本の中国表象」をテーマに、明治、大正、昭和の各時代において絵葉書がいかに「外地」や中国大陸などを表象し、またそれが一般大衆の対外認識にいかなる影響を及ぼしたかについて紹介し、従来十分に研究されてこなかった絵葉書の文化資源としての価値を掘り下げる予定です。

(※)近代日本美術展絵葉書データベースはこちらから閲覧できます。
講師 劉 建輝(国際日本文化研究センター 教授)
  戦 暁梅(国際日本文化研究センター 教授)
司会井深 太路(読売新聞東京本社 調査研究本部主任研究員)
内容 (1)劉 建輝教授による講演
(2)劉 建輝教授と戦 暁梅教授のトークセッション
(3)Q&A

見出しアイコン開催情報

開催日 2023年07月27日(木) 
場所: YouTubeライブ配信
視聴方法の詳細については、こちらのサイトをご覧ください。
開始時間: 19:00
終了時間: 20:30
申込み:
受講料: 無料
申込み方法: 参加ご希望の方は、以下の応募フォームからお申し込みください。前日までに視聴方法をメールでご案内します。
【応募フォーム】 https://peatix.com/event/3603202/
【応募締め切り】 定員に達し次第、締め切ります
定員: 500名
主催: 国際日本文化研究センター、一般社団法人読売調査研究機構
共催: 後援:読売新聞社
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