研究者
客員教員
准教授

蝶野 立彦 | |
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専門分野 | 宗教改革史、近世ドイツ史、ヨーロッパ宗教史、近世ヨーロッパにおける《世界宣教》観と《日本》認識に関する研究 |
研究テーマ | ヨーロッパ(主にドイツ語圏)の宗教改革に関する私の研究の過程で、宗教改革と対抗宗教改革の時代のヨーロッパの宗教論争の題材として「カトリック宣教師による日本での宣教の報告」や「日本についての情報」が一定の役割を演じていたことが明らかになりました。このような研究成果を踏まえるかたちで、現在は、(1)「日本に関する情報」が16~17世紀のヨーロッパでどのように受容され、様々な言語にどのように翻訳され、いかなる再解釈を施されたか、(2)どのような「日本認識」が当時のヨーロッパで創り出されたか、研究を進めています。 |
キーワード | 宗教改革、対抗宗教改革、教派対立、神学論争、プロパガンダ、パンフレット、公論、宣教報告、日本認識、天正遣欧使節、慶長遣欧使節 |
学歴
1990年3月 |
早稲田大学第一文学部 史学科西洋史学専修 卒業 |
1994年3月 |
早稲田大学大学院文学研究科 史学(西洋史)専攻 修士課程修了 |
2000年3月 |
早稲田大学大学院文学研究科 史学(西洋史)専攻 博士後期課程満期退学 |
職歴
1998年4月 |
早稲田大学 助手 |
2000年4月 |
早稲田大学 非常勤講師 |
2000年4月 |
学習院女子大学 非常勤講師 |
2002年4月 |
明治学院大学 非常勤講師 |
2008年4月 |
早稲田大学 助教 |
2011年4月 |
早稲田大学 非常勤講師 |
2011年4月 |
早稲田大学 招聘研究員 |
2013年4月 |
東京慈恵会医科大学 非常勤講師 |
2017年4月 |
聖学院大学 非常勤講師 |
2024年4月 |
国際日本文化研究センター 客員准教授 |
学位
2006年5月 |
早稲田大学 博士(文学) |
主要業績
単著書
- ・ 『十六世紀ドイツにおける宗教紛争と言論統制:神学者たちの言論活動と皇帝・諸侯・都市』, 彩流社, 東京, 738, 19頁, 2014年
単独論文
- ・ 「教派対立と神学論争のなかの《天正遣欧使節》(2) ―― ドイツ語訳『天正遣欧使節記録』に収録された《ルター派聖職者の所見文》(1585年)にみられる「日本認識」の特徴について」, 『明治学院大学教養教育センター紀要カルチュール』18(1), 明治学院大学教養教育センター, 横浜, 2024年, pp.125-145
- ・ 「教派対立と神学論争のなかの《天正遣欧使節》――ドイツ語訳『天正遣欧使節記録』に収録された《ルター派聖職者の所見文》(1585年)と《イエズス会士によるルター派への論難》の関わりをめぐって」, 『明治学院大学教養教育センター紀要カルチュール』17(1), 明治学院大学教養教育センター, 横浜, 2023年, pp.43-66
- ・ 「三十年戦争期のドイツにおける《教派対立》と《世界宣教観の変容》――《カトリックへの改宗の根拠》をめぐる1630年代~1640年代の論争の題材としての《日本宣教情報》及び《アメリカ大陸での宣教情報》」, 『明治学院大学教養教育センター紀要カルチュール』14(1), 明治学院大学教養教育センター, 横浜, 2020年, pp.57-75
- ・ 「対抗宗教改革期及び三十年戦争期のドイツにおける日本宣教情報の受容と解釈――1580年代~1630年代の《イエズス会日本書翰・年報》《天正遣欧使節記録》《慶長遣欧使節記録》の出版とその歴史的背景」, 『明治学院大学教養教育センター紀要カルチュール』13(1), 明治学院大学教養教育センター, 横浜, 2019年, pp.71-89
- ・ 「十六~十七世紀のドイツ・ルター派の《世界宣教》観と《日本》認識――ルター派神学者たちの著書・説教・大学所見における《イエズス会日本書翰の引用》をめぐって」, 『明治学院大学教養教育センター紀要カルチュール』12(1), 明治学院大学教養教育センター, 横浜, 2018年, pp.123-142
全業績を表示
- ・ 「宗教改革思想の伝播を支えたメディア環境と「福音をめぐる議論」の拡大」, 『宗教改革と現代:改革者たちの500年とこれから』, 新教出版社, 東京, 2017年, pp.284-290
- ・ 「十六世紀後半の南ドイツ及びオーストリアにおける対抗宗教改革と《日本》認識――1580年代のパンフレットと説教における《天正遣欧使節》についての言及を手がかりに」, 『明治学院大学教養教育センター紀要カルチュール』11(1), 明治学院大学教養教育センター, 横浜, 2017年, pp.97-110
- ・ 「宗派多元国家ブランデンブルク‐プロイセンの形成と選帝侯ヨハン・ジギスムントの改宗――ベルリンの第二次宗教改革と「カルヴァン主義」「国家理性」「宗教的寛容」の関わりをめぐって」, 大内宏一編『ヨーロッパ史のなかの思想』, 彩流社, 東京, 2016年, pp.15-47
- ・ 「〈宗派形成の場〉としての帝国議会――十六世紀ドイツにおける帝国等族の宗教政策と『アウクスブルク信仰告白』の政治的機能」, 甚野尚志/踊共二編『中近世ヨーロッパの宗教と政治:キリスト教世界の統一性と多元性』, ミネルヴァ書房, 京都, 2014年, pp.209-232
- ・ 「《隠れカルヴァン主義》紛争と反カルヴァン主義パンフレット――16世紀後半のドイツにおける宗派的共生、対立、大衆的情報伝達」, 森原隆編『ヨーロッパ・「共生」の政治文化史』, 成文堂, 東京, 2013年, pp.374-396
- ・ 「聖歌とプロパガンダ――宗教改革期のドイツにおける《歌唱》の社会的作用について」, 大久保進先生古稀記念論文集編集委員会編『規則的、変則的、偶然的:大久保進先生古稀記念論文集』, 朝日出版社, 東京, 2011年, pp.465-491
- ・ 「宗教改革期のドイツにおける読書・コミュニケーション・公共性――《宗教改革的公共性》をめぐって」, 松塚俊三/八鍬友広編『識字と読書:リテラシーの比較社会史』, 昭和堂, 京都, 2010年, pp.19-45
- ・ 「純正ルター派と《言論の自由》――16世紀後半のドイツにおけるルター派神学者たちの言論観」, 森田安一編『ヨーロッパ宗教改革の連携と断絶』, 教文館, 東京, 2009年, pp.235-252
- ・ 「シュマルカルデン戦争期の反皇帝プロパガンダと《ドイツの自由》の観念」, 『神戸市外国語大学外国学研究』73, 神戸市外国語大学外国学研究所, 神戸, 2009年, pp.41-58
- ・ 「近世ドイツにおける神学者の権力と《言説・メディアの力》――1562年の都市マクデブルクの紛争を手がかりに」, 井内敏夫編『ヨーロッパ史のなかのエリート:生成・機能・限界』, 太陽出版, 東京, 2007年, pp.238-260
- ・ 「16世紀ドイツにおける宗教紛争とメディア統制――誹謗行為の禁止をめぐって」, 『西洋史論叢』28, 早稲田大学西洋史研究会, 東京, 2006年, pp.139-153
- ・ 「ザクセン選帝侯領における仮信条協定(Interim)の受容とその歴史的帰結――《宗教的宥和》から《差異の追求》へ」, 『西洋史論叢』27, 早稲田大学西洋史研究会, 東京, 2005年, pp.41-55
- ・ 「近世ドイツにおける宗派的秩序と読書行為――信心書の読書をめぐって」, 『神戸市外国語大学外国学研究』53, 神戸市外国語大学外国学研究所, 神戸, 2002年, pp.35-60
- ・ 「17世紀ドイツにおける俗人教化の展開と敬虔主義の教化思想」, 『史観』142, 早稲田大学史学会, 東京, 2000年, pp.59-75
- ・ 「ドイツ敬虔主義と「宗派主義の克服」――フランクフルト時代のシュペーナーにおける宗教的寛容論の展開」, 『早稲田大学大学院文学研究科紀要』43(4), 早稲田大学大学院文学研究科, 東京, 1998年, pp.149-160
- ・ 「ドイツ敬虔主義における制度・規律・自由――敬虔主義的「生活秩序」形成の特質をめぐる考察」, 『比較法史研究』6, 比較法制研究所, 大阪, 1997年, pp.69-87
- ・ 「ラディカル・ピエティスムスにおける規範化と脱規範化――教会と学識をめぐるG・アルノルトの批判的言説を中心に」, 『西洋史論叢』16, 早稲田大学西洋史研究会, 東京, 1994年, pp.33-49
その他執筆
- ・ 「書評:鍵和田賢著「近世神聖ローマ帝国における「不寛容」のあり方 :一八世紀初頭の都市ケルンにおける「居留民条令問題」を事例として」(『西洋史研究』四八) 」, 『法制史研究』70, 成文堂, 東京, 2021年03月, pp.425-429
- ・ 「書評:森田安一著『『ハイジ』の生まれた世界――ヨハンナ・シュピーリと近代スイス』(教文館、2017年)」, 『史潮』83, 同成社, 東京, 2018年06月, pp.85-96
- ・ 「科学研究費助成事業[科学研究費補助金]研究成果報告書:16世紀後期のドイツ語パンフレットと公論形成及び宗教対立との影響関係の解明(基盤研究(C)、課題番号21520759)」, 『科学研究費助成事業データベース』, 2012年05月
- ・ 「第2章・事例研究2:近世のプロテスタント社会のなかの〈預言〉と〈幻視〉」, 若尾祐司/井上茂子編『ドイツ文化史入門:16世紀から現代まで』, 昭和堂, 京都, 2011年06月, pp.100-106
- ・ 「第3章・事例研究2:十六~十七世紀ドイツのメディアと公論」, 若尾祐司/井上茂子編『ドイツ文化史入門:16世紀から現代まで』, 昭和堂, 京都, 2011年06月, pp.150-156
全業績を表示
- ・ 「翻訳:ドイツ・バイエルン州宗教科B しるし 第10学年」, 『世界の宗教教科書』, 大正大学出版会, 東京, 2008年08月
- ・ 「書評:深沢克己/高山博編『信仰と他者――寛容と不寛容のヨーロッパ宗教社会史』(東京大学出版会、2006年)」, 『歴史学研究』832, 青木書店, 東京, 2007年10月, pp.56-60
- ・ 「書評:村上陽一郎/細谷昌志編『宗教――その原初とあらわれ』(ミネルヴァ書房、2000年)」, 『宗教研究』75(1), 日本宗教学会, 東京, 2001年06月, pp.99-105