閉じる

共同研究2025年

「戦後」と「近代」を超えて――1970年代日本の国家と社会

ユニット
文化と権力
研究代表者 楠 綾子教授

 「戦後」でひとくくりにされる1945年8月以降の日本のあゆみのなかで、大きな転機となった時期を挙げるとすれば、1970年代初頭であろう。2つのニクソン・ショックにともなう戦後国際秩序の動揺、高度経済成長と戦後処理という国家的目標の喪失は、日本の政治・外交の前提条件が融解したことを意味していた。相互依存状況の深化と日本の経済力の増大は、日本の政治外交の範囲を飛躍的に拡大し、多元化・多層化させた。これに続くおよそ10年をどのように分析し、理解すればよいのか、日本政治外交史研究はまだ答えを見いだせていない。
 この共同研究は、1970年代の日本の政治、経済、外交・安全保障、社会・文化の諸分野でどのような変化が進行していたのか、日本にはどのような選択肢があり、なにを選択したのか(しなかったのか)を検討する。「戦後」「近代」を再考し、また冷戦後の「失われた20年」を理解する手がかりとして、1970年代という時代を包括的に考察したい。

センター研究者等 楠 綾子 国際日本文化研究センター・教授
Edward BOYLE 国際日本文化研究センター・准教授
孫 詩彧 国際日本文化研究センター・助教
西村 真彦 国際日本文化研究センター・特定研究員
共同研究員 大山 貴稔 九州工業大学教養教育院人文社会系・准教授
辛島 理人 神戸大学大学院国際文化学研究科・准教授
武田 知己 大東文化大学法学部・教授
長 史隆 広島市立大学国際学部・講師
平松 誠 北海道大学大学院文学研究院・講師
三牧 聖子 同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科・准教授
宮崎 康子 広島修道大学人文学部・教授
村井 良太 駒澤大学法学部・教授
津田 壮章 京都大学大学院人間・環境学研究科・教務補佐員
中原 雅人 神戸大学大学院国際協力研究科・特命准教授
金子 聖仁 東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻博士課程・大学院生
Alexander BUKH 早稲田大学アジア太平洋研究科・教授
Daniel ABBE 大阪芸術大学・非常勤講師
Dennitza Stefanova GABRAKOVA 和歌山大学国際イニシアティブ基幹・教授
海外共同研究員 五十嵐 惠邦 ヴァンダービルト大学人文科学科・教授
Katarzyna STARECKA ワルシャワ大学東洋学部日本学科・准教授
Hasan TOPACOGLU ユスキュダル大学コミュニケーション学部・助教授
黄 自進 中央研究院近代史研究所・研究員
黄 美恵 中国文化大学外国語文学部・准教授
トップへ戻る