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共同研究2024年

「戦後」と「近代」を超えて――1970年代日本の国家と社会

ユニット
文化と権力
研究代表者 楠 綾子教授

「戦後」でひとくくりにされる1945年8月以降の日本のあゆみのなかで、大きな転機となった時期を挙げるとすれば、1970年代初頭であろう。2つのニクソン・ショックにともなう戦後国際秩序の動揺、高度経済成長と戦後処理という国家的目標の喪失は、日本の政治・外交の前提条件が融解したことを意味していた。相互依存状況の深化と日本の経済力の増大は、日本の政治外交の範囲を飛躍的に拡大し、多元化・多層化させた。これに続くおよそ10年をどのように分析し、理解すればよいのか、日本政治外交史研究はまだ答えを見いだせていない。
 この共同研究は、1970年代の日本の政治、経済、外交・安全保障、社会・文化の諸分野でどのような変化が進行していたのか、日本にはどのような選択肢があり、なにを選択したのか(しなかったのか)を検討する。「戦後」「近代」を再考し、また冷戦後の「失われた20年」を理解する手がかりとして、1970年代という時代を包括的に考察したい。

センター研究者等 楠 綾子 国際日本文化研究センター・教授
Edward BOYLE 国際日本文化研究センター・准教授
孫 詩彧 国際日本文化研究センター・助教
西村 真彦 国際日本文化研究センター・機関研究員
Hasan TOPACOGLU 国際日本文化研究センター・外国人研究員
共同研究員 大山 貴稔 九州工業大学教養教育院人文社会系・准教授
辛島 理人 神戸大学大学院国際文化学研究科・准教授
Dennitza Stefanova GABRAKOVA 和歌山大学
武田 知己 大東文化大学法学部・教授
長 史隆 広島市立大学国際学部・講師
平松 誠 北海道大学大学院文学研究院・講師
宮崎 康子 広島修道大学人文学部・教授
村井 良太 駒澤大学法学部・教授
海外共同研究員 Alexander BUKH ビクトリア大学ウェリントン・准教授
五十嵐 惠邦 ヴァンダービルト大学・教授
Katarzyna STARECKA ワルシャワ大学東洋学部日本学科・准教授
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