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共同研究2023年

日文研所蔵井上哲次郎関係書簡の研究――国民国家の始発と終焉

ユニット
文化と権力
研究代表者 磯前 順一教授
茢田 真司共同研究員

 井上哲次郎は明治期の東京帝国大学を代表する哲学者であった。日文研にはその書簡が140点所蔵されている。本共同研究会では、デジタルヒューマニティーズの実践として、その書簡の体系的な分析をもとに、日本における国民国家の始まりの姿がどのようなものであったのかを考察する。作業としては、1)井上を中心とする知識人のネットワーク分析、2)国民国家における全体主義と民主主義の関係の考察、3)国民国家における人権と主権の関係の考察を三つの柱として行う。
 それらの作業を通して、1)井上が作った知識人のネットワークにおいて、国民国家がどのように構想されたのか、2)そこにおいて民主主義と全体主義はどのように区別されていたのか、あるいはいなかったのか、3)そこでは人権および主権がどのように関係付けられ、国民国家を支えるものとして構想されていたのかを明らかにする。UCLAの平野克弥やソウル大学の趙寛子たちを含めた約30名の共同研究員によって、英語圏ならびに東アジアの諸大学との国際共同研究への展開を推進している。
 その結果として、国民国家や民主主義が形骸化する現代の日本社会のあり方をトランスナショナルな視点から浮き彫りにする。

センター研究者等 磯前 順一 国際日本文化研究センター・教授
伊東 貴之 国際日本文化研究センター・教授
関野 樹 国際日本文化研究センター・教授
関口 寛 同志社大学人文科学研究所・准教授、国際日本文化研究センター・客員准教授
大村 一真 国際日本文化研究センター・機関研究員
菅 陽子 総合研究大学院大学・大学院生
共同研究員 茢田 真司 國學院大学法学部・教授
小田 龍哉 同志社大学人文科学研究所・嘱託研究員
磯前 礼子 朝日カルチュアーセンターくずは教室・講師
小倉 慈司 国立歴史博物館研究部歴史研究系 ・教授
荻原 稔 國學院大學研究開発推進機構日本文化研究所・共同研究員
久保田 浩 明治学院大学国際学部・教授
吉田 一彦 名古屋市立大学高等教育院・特任教授
上村 静 尚絅学院大学総合人間科学系・教授
吉村 智博 大阪公立大学都市科学・防災研究センター・客員研究員
須之内 震治 国際視覚障碍者援護協会・評議員、茨城大学教育学部・元非常勤講師
藤田 啓介 ぺりかん社編集部・編集者
熊本 史雄 駒澤大学文学部・教授
松金 直美 真宗大谷派教学研究所・研究員
中川 勇士 ミネルヴァ書房編集部・編集者
冨士 一馬 ミネルヴァ書房編集部・編集者
三輪 仁美 国立歴史民俗博物館・共同研究員
津田 敏之 株式会社 木立の文庫・代表取締役
Gouranga Charan PRADHAN  龍谷大学世界仏教文化研究センター・博士研究員
鏑木 政彦 九州大学比較社会文化研究院・教授
村島 健司 尚絅大学現代文化学部・准教授
澤井 真代 立正大学人文科学研究所・研究員
小林 和幸 青山学院大学文学部・教授
海外共同研究員 全 成坤 翰林大学・助教授
平野 克弥 UCLA History Department・准教授
馬 冰 北華大学・講師
Tomoë STEINECK チューリッヒ大学日本学部門・客員研究員
李 慶美 東北亜歴史財団日韓歴史問題研究所・研究委員
趙 寛子 ソウル大学日本研究所・副教授
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