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共同研究2020年

戦後日本の傷跡

ユニット
基幹共同研究
研究代表者

坪井 秀人教授
宇野田 尚哉共同研究員

 本共同研究では戦後日本を〈傷跡〉というキイワードから再検討する。傷跡とは過ぎ去った過去の時間に生起した出来事(傷)を再確認するための記号であるばかりではない。それはいまだ終わらない、完結しない過去、癒やしがたく忘却することのできない経験が現在に息づく、現在進行形の語りによってしか語ることの出来ない、過去の時間と現在の時間の交錯する場所だ。傷跡はまだ固まる前のかさぶたのように、現在の暴力によって剥がされ、剥き出しになり、新たな傷として再生することもあるだろう。戦後日本をそのように無数の傷跡が無数の新たな傷として更新されてしまう時空間として捉えることが出来ないだろうか。文学や芸術において表象された傷跡、様々な民衆運動の闘いとその挫折の中に見られる傷跡、医療や健康政策の中で管理される身体と個人の生死など、戦争経験の傷跡を生き続けなければならなかったアジアと日本の戦後社会の多様な問題について議論する。
(以下の研究組織は2020年9月15日時点のものです)

研究代表者 坪井 秀人 国際日本文化研究センター・教授
宇野田 尚哉 大阪大学大学院文学研究科・教授
共同研究員 石川 巧 立教大学文学部・教授
辛島 理人 神戸大学大学院国際文化学研究科・准教授
川口 隆行 広島大学大学院人間社会科学研究科・教授
黒川 伊織 神戸大学大学院国際文化学研究科・協力研究員
小杉 亮子 日本学術振興会(京都大学)・特別研究員
飯田 祐子 名古屋大学人文学研究科・教授
高 榮蘭 日本大学文理学部・教授
佐藤 泉 青山学院大学文学部・教授
美馬 達哉 立命館大学先端総合学術研究科・教授
鳥羽 耕史 早稲田大学文学学術院・教授
宋 恵媛 大阪経済法科大学 アジア太平洋研究センター・研究員
光石 亜由美 奈良大学文学部・教授
ニコラス・マフッド・ランブレクト 大阪大学大学院文学研究科・助教
キツニック・ラウリ 広島大学大学院人間社会科学研究科・准教授
解 放 東京外国語大学大学院・博士後期課程
中村 平 広島大学大学院人間社会科学研究科・教授
髙畑 早希 名古屋大学人文学研究科・博士後期課程
奥村 華子 名古屋大学人文学研究科・博士後期課程
市川 遥 名古屋大学人文学研究科・博士後期課程、日本学術振興会特別研究員
アストギク・ホワニシャン 国際日本文化研究センター・外国人研究員
田村 美由紀 国際日本文化研究センター・博士研究員
増田 斎 総合研究大学院大学文化科学研究科・博士後期課程
葉 暁瑶 総合研究大学院大学文化科学研究科・博士後期課程
橘川 智也 総合研究大学院大学文化科学研究科・博士後期課程
海外共同研究員 キアラ・コマストリ オックスフォード大学大学院・大学院生
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