共同研究2020年
近代東アジア文化史の再構築Ⅰ―19世紀の百年間を中心に
- ユニット
- 重点共同研究
研究代表者 劉 建輝教授
従来、19世紀以降のナショナリズムの影響のもとで、われわれのいわゆる文学史や文化史、いずれも一国を単位とし、外部、ないしは他者と切り離して構築してきた。日本文学史・文化史、中国文学史・文化史などがそれである。しかし、これは、文学や文化自身の成立原理に反するのみならず、真の歴史的実情とも異なっている。
周知のとおり、日、中、韓、越の東アジア四ヶ国の文学や文化は、古代、近代を問わず、つねに互いに影響し、互いに交錯して、緊密に連動している。古代では、漢字や漢文、また儒教や仏教などがその基盤を構成し、そして近代では、いわゆる西力東漸、西学東漸という時代の流れの中で、東アジア四ヶ国は、さらに交互に経験を参照し、交互に支え合う形でそれぞれの文化的転換を模索しつつ、一つの全体のもとで,相次ぎ西洋文化、西洋文明のインパクトを受け入れてきた。したがって、この200年の東アジアの文学や文化の生成と発展からすれば、それを安易に各国の一国内史に切り分けては、けっしてその間の真の歴史過程を再現することができない。
このような事情に基づき、本共同研究会では、近代日中の文学、文化交流を中心に、その相互に影響し、交錯するさまざまな歴史的事例の発掘と考察を通して、従来の一国史的な歴史叙述の脱構築ないしは止揚を目指すべく、既成の歴史記述とは異なる視点や方法を提示し、当該地域全体の文学や文化の歴史をあらためて構築してみたい。
(以下の研究組織は2020年9月15日時点のものです)
研究代表者 | 劉 建輝 | 国際日本文化研究センター・教授 |
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共同研究員 | 上垣外 憲一 | 大妻女子大学・非常勤講師 |
〃 | 陳 力衛 | 成城大学経済学部・教授 |
〃 | 王 宝平 | 二松学舎大学文学部・教授 |
〃 | 小倉 紀蔵 | 京都大学大学院人間・環境学研究科・教授 |
〃 | 白幡 洋三郎 | 国際日本文化研究センター・名誉教授 |
〃 | 単 援朝 | 崇城大学工学部・教授 |
〃 | 陳 継東 | 青山学院大学国際政治経済学部・教授 |
〃 | 仲 万美子 | 同志社女子大学・名誉教授 |
〃 | 松宮 貴之 | 佛教大学文学部・非常勤講師 |
〃 | 森田 憲司 | 奈良大学・名誉教授 |
〃 | 深尾 葉子 | 大阪大学言語文化研究科・教授 |
〃 | 伊藤 謙 | 大阪大学総合学術博物館・特任講師 |
〃 | 南 誠 | 長崎大学多文化社会学部・准教授 |
〃 | 李 偉 | 長崎大学多文化社会学部・客員研究員 |
〃 | 高橋 博巳 | 金城学院大学名誉教授 |
〃 | 村田 雄二郎 | 同志社大学グローバル・スタディーズ研究科 ・教授 |
〃 | 岸 陽子 | 社団法人中国研究所・所員(早稲田大学名誉教授) |
〃 | 安藤 順一郎 | 東洋大学アジア文化研究所・客員研究員 |
〃 | 陳 捷 | 東京大学大学院人文社会系研究科・教授 |
〃 | 劉 岸偉 | 東京工業大学外国語研究教育センター・教授 |
〃 | 戦 暁梅 | 東京工業大学外国語研究教育センター・准教授 |
〃 | 平岡 隆二 | 京都大学・人文科学研究所・准教授 |
〃 | 李 長波 | 同志社大学日本語・日本文化教育センター・教授 |
〃 | 閻 小妹 | 信州大学学術研究院総合人間科学系・特任教授 |
〃 | 稲賀 繁美 | 国際日本文化研究センター・教授 |
〃 | 石川 肇 | 国際日本文化研究センター・助教 |
〃 | 劉 序楓 | 国際日本文化研究センター・外国人研究員 |
〃 | 光平 有希 | 国際日本文化研究センター・特任助教 |
〃 | 磯田 道史 | 国際日本文化研究センター・准教授 |
〃 | 井上 章一 | 国際日本文化研究センター・所長 |
〃 | 森岡 優紀 | 国際日本文化研究センター・日本学術振興会・特別研究員 |
〃 | 稲垣 智恵 | 国際日本文化研究センター・プロジェクト研究員 |
海外共同研究員 | 孫 建軍 | 中国北京大学外国語学院・副教授 |
〃 | 王 中忱 | 中国清華大学人文学院・教授 |
〃 | 唐 権 | 中国華東師範大学外国語学院・副教授 |
〃 | 孫 江 | 南京大学・教授 |
〃 | 新井 菜穂子 | 北京工業大学・外国専家 |