オオカミ 1981年 和歌山県 狼は死人の肉を食う。狼が好む肉と嫌う肉は血筋で決まっていて、外見でもわかる。狼が好きな味の人が足を洗った水や小便を狼が飲みに来る。ある名家の老人は狼に好かれる人だったので、死体を盗まれないように大きな墓を建てたがそれでも盗まれた。狼に食われるのを嫌って当時珍しく火葬にした人がいた。
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オオカミ 1981年 和歌山県 狼が死体を食うのは金持ちの家の血統。
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オオカミ 1993年 岩手県 狼洞(オイノボラ)には狼がたくさんいた。猿が石川に水を飲みに群で降りてきた。山奥の狼の沢の大岩から遠吠えが聞こえた。狼がゴンボホルと言った。昔この地では狼を取り尽くして食べたともいうが、享保15年からは狼を友達とするようになった。
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タテシナゴンゲン 1931年 長野県 蓼科の麓に近いところに馬喰という場所がある。ここで昔、女馬が2匹の狼に食われたとき、権現がその狼を10日間ばかりつないで動けなくした。狼は涙を流していたという。その後、この山は女人決戒の山になった。
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オオカミ 1981年 和歌山県 ある人が山道を行くと狼が出て、足に顔をこすりつけてきたので見てみると、口に骨が引っかかっていた。とってやったら狼がその人をくわえて引っ張っていった。どうなるのかと思ったら、さっきまでいた場所を大勢の狼が連なって通った。
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オーカメサマ,オクリオオカミ 1956年 神奈川県 狼を呼び捨てにしたり悪口を言ったりすると食われると信じられている。道であってもしっかりしていると食われないが、転んだりするとついてきた狼に食われる。
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イッポンタタラ 1985年 和歌山県 ある人が歩いていたら、3匹の狼に着物の裾をくわえられて連れていかれた。そして狼は、その人を岩陰に隠した。するとそこへ一本タタラが通りかかった。狼のおかげで助かったので、その人は自分が死んだら遺体を狼にやると約束した。
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イッポンダタラ 1985年 和歌山県 狼が裾を引っぱり岩陰に隠してくれた。隠れたら、一本ダタラが通っていった。その人は、お礼に自分の体をやると狼に約束した。それで狼は代々墓に死体を取りに来る。
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オオカミ 1993年 岩手県 狼洞(オイノボラ)で狼の鳴き声を聞いたことがある。姿は見せない。狼は撃ち殺すと群が出てくるので、撃ってはいけない。
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オオカミ 1972年 福井県 ハゲシオの鯖を狼に食われ、自身も食われそうになった男が、狼を煮え湯で殺した。
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オオカミ 1982年 宮城県 ある男が夜の山道を歩いていたら、狼が唸りながら寄ってきた。口の中に骨が刺さっていたのを取ってやると、そのままいなくなった。数年後狼が現れて男を引き摺って押し倒した。間もなく狼の千匹連りが通った。恩返しだった。
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オオカミ 1991年 長野県 狼は山の神様から倒れた人は食ってもいいが、そうでなくては食ってはいけないと言われていた。だから大人は子供に、もし道で転んだら「どっこい一休み」と言えば、後ろからつけて来ている狼に食われないと教えていた。
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オオカミ 1981年 和歌山県 昔は狼が出たときに逃げるため、山の端に「狼避けの木」を植えていた。
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オオカミ 1981年 和歌山県 狼に恩を受けた者は、死後狼に墓を暴かれる。
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オオカミ 1981年 和歌山県 ある人が山に炭焼きに行って「狼がいるなんて嘘だ」と言ったら、夕方狼がイゴヤの前に待っていた。
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オオカミ 1936年 鳥取県 よそ者が山の奥を通っていると、日が暮れた。仕方なく歩いていると、後ろから何かついてくる。狼であったので、木にはい上がった、しばらくすると狼が集まって来て、狼の上に狼が乗り、よそ者に近づいて来た。もう少しのところで、「五郎太婆をよんで来い」という声がして、とても大きな狼が来て、上に乗った。よそ者はその狼を刀で切った。村では庄屋の五郎太婆が死んでいた。
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オオカミ 1974年 福井県 越前国大野郡菖蒲池あたりは狼の群れが出るので、日暮れには人が通らなかったが、ある僧が菖蒲池の孫右衛門の所へ行こうとして狼に遭遇した。僧は大きな木の上に登って逃れようとしたが、木の下にいる狼は孫右衛門の嬶を呼んでこようと言う。すると大きな狼がやって来て、肩車をして自分をあげろという。そしてもう少しで僧のいる高さになろうとしたので、僧は小刀で突いたところ、肩車は崩れて狼は離れていった。その後で僧が孫右衛門の家に行くと、昨夜妻が死に、死体は大きな狼だったという。
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ダイダラボウ 1943年 高知県 土佐に狼を使う神のお宮があった。さて、ある夜男が峠を越えようとすると狼が現れた。恐ろしくてひれ伏すと、狼は男を跨いだまま動かない。やがて地響きと共に雲を突かんばかりの大山伏が通り過ぎていった。この大山伏がダイダラ坊で、狼は男を守ったのだった。
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オオカミ 1936年 秋田県 狼は人間に親切な動物で、草刈りなどで転んで起き上がれないときなどに狼に手をかまれることがあるが、それは起こしてくれようとしているのだという。また狼の尻にホクチがつくと、その火はどんなことがあっても消えないと言う。
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ゴロウダユウババ 1921年 島根県 山伏が山中で狼に襲われた。木の上に上って逃れようとしたが、狼が2、30匹肩にのり、一番上に五郎太夫婆さんと呼ばれる狼がのった。山伏が脇差でその狼を切りつけると狼群は逃げた。翌朝隣村でこの話をすると、五郎太夫婆さんは包帯をして寝ていた。
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オオカミ,イヌ 1955年 山梨県 送り狼は人が転べば起こすので転ぶものではない。夜道に犬を連れて行けばつかれない。もしつかれると家に帰ってから菓子か何かを与えると良い。狼はいくら撃っても倒れず、立ったままで死ぬ。ある人が夜道を歩いていると狼が来たので栗の木に登ると犬梯子を作って登ってきた。また他の人が夜道で白いものが来たので栗の木に登ると狼が死人を背負ってやってきた。その時財布を木から落とした所、狼は死人の首を食い破ってまた背負って行った。など。
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