アヤシキトリ,キツネ 1974年 京都府 兼好法師が内の宿直から退出しようとした際、萩の戸の庭の方に怪しげな鳥が羽をふって、嘴を怒らして飛び下ってきた。人々が恐れていたので法師が2羽を弓で打ち落としたところ、一つは足に黒い毛が生えており、もう一つは非常に赤い色をしていたという。博士を呼んでこの鳥の名前を聞いても答えられず、しばらくすると2羽とも狐になって消えたという。
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ケチョウ,ヌエ 1976年 源頼政の射った怪鳥を鵺という。夜鳴く鳥の事とも言われ、雉のような形で白い翼と黄色い足を持つともいう。昼は山に隠れて夜飛ぶ。頭は猿で体は虎、尾は蛇で足は狸である。東宮がこれの為苦しんだ時、頼政が射芸で解決した。
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(カイチョウ),(ウメキドリ) 1982年 京都府 享保11年、岡崎辺、聖護院森の際に怪鳥が現れた。その声は人のうめき声に似ているためうめき鳥と呼ばれた。その姿を見ようと、近所の者が森林を捜索したが、声しか聞こえなかった。近所の古老が言うには、300年前にもこの辺りで鳴いたと伝えられているという。その姿は鷺のようで青いという。
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テング,コノハテング 1975年 静岡県 大井川で深夜隠れていると鳶のような翼長六尺ほどの大鳥のようなものが多数現われ、川面を上がり下がりしながら魚を捕るのを見ることが出来るときがある。人の気配を感じるとすぐ姿を消す。術のない木の葉天狗のようなものなのだろう。
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オクリスズメ 1987年 奈良県 夜雀というのがいた。夜に、ちっち、ちっちと鳴き、ついて来た。それが送り雀だということを聞いたことがある。
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イチョウ 1983年 東京都 武州豊島郡新堀村の名主・権四郎の家の近くにある杉の梢から、4月の中頃より夜な夜なポンポンと無く声が聞こえた。その声は6町四方に響いていた。先月13日頃にその異鳥を捕らえた者があり、それによると、大きさは鵁の2倍ほど、羽の色は黒く、羽先は瑠璃色に光り、眼のふちは金色に光って大きく、足は黄色かったという。
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ヌエ 1975年 京都府 鵺は洛東などの深山に多くいて、大きさは鳩ぐらい、黄赤色で、鳶に似て昼は伏し、夜に活動するという。そのくちばしの上は黒く、下は黄色で、ひゅうひいと鳴き、脚は黄赤色だという。
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コノハテング 1919年 静岡県 大井川に、夜中になると鷲のような羽のまわりが6尺ばかりある大鳥のようなものがたくさん飛んでくる。木の葉天狗の類らしい。
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ムジナ 1935年 新潟県 夜中に山越えをしていると、反対側の谷間で木を切り落とすような音がした。不自然なのでそれが狢だとわかり、普段通りに歩いていると何も起すことはなく、やがて音も止んでいった。
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ヌエ 1975年 梟のような夜に鳴く類の鳥なのであるだろう。
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ヌエ 1975年 どのような鳥であるか名状は明らかではないが、怪鳥であるとある。
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チッチ 1992年 宮崎県 昭和46年1月のこと。雨の日の午後六時ごろ、夜道を歩いていると、頭上でチッチッと鳴声がする。気に留めず歩いていたら、前後左右をチッチッチッチッと付き纏いだした。正体は見極めがたく、石を投げても効果がない。人家近くまで付きまとわれた。この事を村人に話したら、「それはチッチというものだ。鳥だ」と教えられた。
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オシドリ 1976年 栃木県 殺生を好んで鷹を使うものがいた。ある時鷹狩りの帰りに鴛の雄を捕まえ餌袋に入れて帰った。その夜、夢にうつくしい女房が現れ、夫を殺したと嘆いた。そのようなことはしていないと否定したが、女房は和歌を詠んでふっと立ち上がった。それを見ると鴛の雌であった。驚いて哀れに思っていると朝になり、昨日の雄と嘴を食い合って死んでいる雌がいた。これを見て発心し出家した。
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テングタオシ 1954年 岡山県 ある猟師が、夜明け方に雉が出るのを打とうと山に出て待っているとき、天狗倒しに逢った。あまりの恐ろしさに小さくなって頭上に向けて夢中で鉄砲を打つと、何か音を立てて落ちた。しばらくすると天狗倒しは静まり、夜明けになってきたので付近を探すと、鴨が撃たれて落ちていた。そのため天狗倒しとは鴨の大群の移動を言うのであろうという人もいる。
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オシドリ,ユメ 2002年 栃木県 下野の国の阿曽沼に鷹を使う者がいた。ある時鷹狩りをして、鴛の雄を取って帰った。その夜の夢に品の良い女が現れて、怨み深い様子で泣いて、「なぜ私の夫を殺したのか」という。「そんなことはしていない」というと、「確かに今日召し取った」といい、歌を詠じて飛び立つのを見ると鴛の雌であった。驚いて朝見れば、昨日の雄と嘴をあわせて雌が死んでいた。男はそれを見て発心して出家した。
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ムジナ 1939年 新潟県 田の上を笠が廻りながら飛んでいるので、覗いて見ると狢が尾を振りながら飛び回っていた。怪しいものが見えると、下駄などを脱いでその歯の間から透かしてみると正体がわかる。
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キツネ 1983年 千葉県 夜遅くに魚をもって帰っていると、その匂いで狐が来てその人を化かし、家へ帰る道がわからないで同じところをぐるぐる廻っていた。
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オクリスズメ,ヨスズメ 1938年 和歌山県 オクリスズメは夜の山道でちちちちと啼きながら後先を飛ぶ小鳥であるといわれているが、夜に飛ぶので鳥ではない。送雀が鳴くと送狼がついているしらせだといわれる。南宇和郡では、ヨスズメという一種の蛾がいるが、これは犬のさきぶれであるといわれている。
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キツネ 1975年 宮城県 馬で魚を買いに行った帰り、立派な身なりをした腹病みの女にあったので馬に縄でゆわえつけた。夜が明けると狐の姿になったので悪さをするなとさとして縄を解いた。夜中になって「ほいほい」と声がするので、次の朝見ると一晩のうちに田が三反耕してあった。
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テング 1921年 徳島県 深夜に銃猟をするのが癖の西尾辰太郎が、ある夜狩猟に出かけ夜明けを待っていると、突然樹上から「辰太郎」と呼ぶ声がした。おそれた辰太郎が深夜に狩猟をするのを今後やめようと心で思うと、「それがよい」という声がした。天狗におどされたらしい。
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