ムヂナ 1938年 岐阜県 道の真ん中に笠が落ちているので拾おうとするとひとりでに2,3間先に飛んでいった。狢の仕業だろう。
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ムヂナ 1938年 岐阜県 鳥のえさが盗られるので、えさを吊るした下に灰をまいた。すると灰の上に獣の足跡が付いていた。寝ずの番をしていたらえさを抜いた串を何かが投げてくる。よく見ると朝はずした栗の横でよく似た栗が揺れていた。叩き落すと小さな狢だった。
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ムジナ 1935年 新潟県 夜中に山越えをしていると、反対側の谷間で木を切り落とすような音がした。不自然なのでそれが狢だとわかり、普段通りに歩いていると何も起すことはなく、やがて音も止んでいった。
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キツネ 1935年 埼玉県 夜に鮎を捕りに行ったところ、魚を入れた笊がひとりでに動き出した。地面を離れ、一尺ばかり宙に浮いていた。人々は騒いだが、1人の男が言うには、狐が笊の中の魚を食べようと頭を入れたが、抜けなくなって首を振っている。狐の姿は見えないので、笊だけが動いて見えるのだと言った。
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トオリアクマ,マカイ 1977年 自宅庭の手水鉢近くに茂る葉蘭から焔が3尺ほど燃え上がっていたとき、眼光尋常でない大男が隣家より塀を飛び越えて来て、槍を振り回した。目を閉じて1時間ほどすると、焔も大男もいなくなっていた。この正体は邪気とそれに破られて乱心した隣家の主人であった。これが俗にいう通り悪魔であろう。
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ムジナ 1935年 新潟県 えらい狢がたくさんいた。家に戻る途中は薄暗く、火の燃える音がした。近くの一軒家が焼けていると思い、近寄ってみるが、その音には落ち着きがなかった。狢だと分かると、火の音は切れた。
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キツネ 1972年 千葉県 山中の鮒田という池で友人と2人フナを釣って帰るとき、畑の中をいくらまっすぐ歩いても家に着かなくなった。魚篭の上を狐が飛んだのを感じ、家に帰るとフナは取られていた。翌日見ると、畑の中に足跡がぐるぐるとまわってついていた。狐に畑の中を歩き回らされていた。
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(ヒキ) 1981年 蟇は虹のような気を吹き出す事がある。父は虫に強い人であったが、園中の朽木が光り、なんらかの気が立ち上がっているのを見た。何かいるのかと思い、朽木を調べてみると、朽木のうろに蟇がいたという。
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ヤコ 1947年 佐賀県 夕方、老婆が庭で豆をちぎっていると急に辺りが薄暗くなり、ないはずの山々がぼんやり向こうに見え出した。おかしいと思い、捧で周囲を2、3度強く払うと、また元の明るさに戻り、1匹の狐が垣根を越えて逃げていった。大きさは普通の犬くらいあったという。
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ヤマオナゴ 1992年 宮崎県 男が山仕事を終えて帰る途中、笠を飛ばされて薮に入ると、足元までの長い髪をした、白衣の女がケタケタ笑っていた。ヤマオナゴだと思い、とっさにキセルを構えて身構えた。女は身構えると下がり、退くと近づいてくる。これを繰り返して村まで近づいたら、ようやくあきらめて帰った。男は恐怖のあまり、人が変わったようになってしまったという。
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タヌキ 1981年 京都府 昭和34・5年頃、C男は鞍馬で鰯を買い、夜峠を越えて帰る途中、頭がぼーっとしておかしくなった。村の田んぼまで来ると手に下げた鰯の包みを下から何度も突き上げるものがいた。狸の仕業だという。
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キツネ 1989年 茨城県 馬を引いて山に入り沼の傍を通っていると、突然頭上を白いものが飛び越え、馬は手綱を振り切って逃げた。馬は家に帰ってきたが、男が戻らないので家族が心配して探していると、蕎麦の畑で歩き回っていた。こうなった理由はわからないが、おそらく狐の仕業だろう。
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キツネ 1943年 福島県 明治20年頃の話である。夜、買った鰯を藁苞に入れて帰ってくると、田に仕掛けた「下りドウ」に獲物がかかった音がする。藁苞を置き、ドウを開けたが何もない。置いた藁苞は、と見ると無くなっていた。狐が取っていったのである。
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ムヂナ 1938年 岐阜県 夜中、寂しい道を歩いていたら塀が崩れてきた。驚いて飛びのくと、塀は元のままだった。狢が化かしたのだろう。
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キツネ 1993年 岩手県 ある人が鱒の荒巻を持って、宮守と谷内のあいだの境沢(さけざ)まで来た。気がつくと片足の下駄が無い。どこに飛んだかと見ると、池に浮いている。鱒を置いて下駄を取りに行き、戻ってみると鱒が無い。狐に取られた。
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キツネッピ 1983年 山梨県 狐っ火が田んぼの上を飛んだ。その飛ぶ火のところで狐の後足が見えた。
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タコ 1982年 宮城県 小浜海岸で夜釣りをしていた人が、光る皿のようなものが二つ飛んでくるのを見た。それは蛸で、光るものは蛸の眼だった。
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キツネ 1955年 静岡県 ある隠居に狐が憑き、高いところから飛び降りて田の中に立った。また屋根の上に跳び上がって、西東に飛んだ。
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ヤマンバ 1991年 香川県 米を運んでいる途中、馬が動かなくなったので不思議に思った馬方が周りを見ると、松の枝に何かがいて声がするので答えると、馬鍬の歯のような口をした大きなものが木の枝で笑っていたという。
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ムジナ 1935年 新潟県 畑の裏が賑やかになったが、はっきり何の声か分からなかった。読経の声のようでもあった。これが狢の葬式だろうといわれた。後日、地中を掘ってみると狢の尾が出てきた。
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