(ゾクシン),シリョウ,トンボ 1935年 滋賀県 瘧は死霊の祟りとも、蜻蛉を殺した罰だともいわれる。夏ごろに出る黒い蜻蛉をさしていう。
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トンボウ 1976年 奈良県 雄略天皇4年の秋、行幸の際に狩りをなさった。その時どこからとも無く1匹の虻が飛んで来て天皇の臂を噛んだ。すると蜻蛉が飛んで来てその虻を噛み殺して飛び去った。天皇はその蜻蛉に感じ入られてその地を蜻蛉の小野と呼ばれた。
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レイセン,ダンブリ 1932年 岩手県 神夢のお告げで結ばれた夫婦が、ある年の正月神夢を受けてこの地を永住の地と定め働いていた。春になった頃、夫が昼の疲れにうとうとしていると1匹の蜻蛉が飛んできて目が醒め、蜻蛉を探して歩くとその群れる辺りに醴泉を発見した。この鉱泉は汲めども尽きず、どんな病気でも綺麗に治るのだった。夫婦は豊かになり、だんぶり長者と呼ばれるようになった。夫婦の子どもの秀子は継体天皇のご寵愛を受け、吉祥姫と呼ばれた。湯瀬の上流にはダンブリ長者の屋敷跡があり、湯瀬の下流小豆沢には吉祥姫が建てた大日堂がある。
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ユメ,ハチ 1937年 山梨県 昼寝をしていると鼻の穴から小さな蜂が飛び出し、飛び去ったのを他の一方の男が見ていた。眠ったほうの男は夢を頼りに黄金の壷ひとつを掘り出して大金持ちになる。その後また2人で出かけていって、2人とも大変な万々長者になったという。
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ダンブリチョウジャ,トンボ,タマシイ,ハチ 1937年 岩手県 奥州南部の田山のダンブリ長者の話がある。蜻蛉の導きで長者になったという話である。ダンブリと見えたのは寝ていた長者の魂であったという。
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イタチ 1974年 京都府 古い石垣の根方の穴に年老いたいたちが住んでいる。そこを一人で通るとき、穴の奥から「酒ごんご、油ごんご」と声がかかり、聞いた者がそれを届けないとよくないことがおきた。
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サケイド 1940年 福島県 鎌倉初期、ある長者の本尊であったと伝えられる観音堂の近くに酒井戸といわれる泉があり、その長者の時代には酒の湧き出す泉であった。
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バケモノ 1955年 青森県 3人兄弟が山仕事をしていると奥のほうから歌声が聞こえてくる。長男と次男は逃げたが、3男は我慢していた。すると化け物が近よってきて負ぶさってきた。そのまま家に連れ帰り上がりかまちに下ろすと、それは大金であり3男は大金持ちになった。
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ムギノカミ,コメノカミ,カネノカミ 1941年 愛媛県 麦御飯がいやだった長者が女房を追い出したが、それを哀れと思った麦の神、米の神と金の神が出てきて、その女房についていくことにした。後に、その女房は改めて嫁いで、三人の神のおかげで新しい夫を大金持ちにしたという。
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オトコノヒトノカタチニミエタハシラ 1995年 福島県 夜中に目を覚ますと柱が白く見え、男の人の形をしていた。朝早く目を覚ましてみると、男の顔の部分だけカーテンがめくられていた。後であれは幽霊ではないかと思った。
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レイム 1930年 石川県 ある所に若い夫婦がおり、ある時女房の夢枕に神様が立ちお告げをした。女房は神様のお告げの通り家を出て山芋掘りをする男と一緒になった。飯が食えぬという男に小判を渡したら、男はこんなものなら山にたくさんあると言った。女房はそれを集めて長者になった。
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ゴンジャ 1960年 三重県 山にごんじゃという大入道がいる。ごんじゃは山の麓の人間や動物を食べるので、里人は恐れをなして山の麓に近づかない。
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オウゴン,ヒノタマ 1950年 長野県 ある男が、夢で黄金の在り処を見た。行ってみると見たままの場所があるので喜び、村人に話した。村人がこっそりその場所を掘ると、土中の黄金は火の玉となって飛び去った。男が行った時には黄金は無く、がっかりして帰ったが、座敷に黄金が飛んできていた。
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イエノカイイ 1940年 某家の先祖は僧侶の妾になり財産を我が物にして大金持ちになったが、今も成人する頃になると皆肺病で死んでしまい、稀に成人しても肌は蛇の鱗のようになっている。某村の某家は、昔薬売りを裏山で殺して金を奪ってから大金持ちになったが近頃は衰えてきている。
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タヌキ 1930年 兵庫県 ある男が家を新築した。ある朝修理のために大工を呼びに行ったまま帰らず、4日目に池で屍が出てきた。おまん狸の仕業とされている。
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シロイヌノブクロヲカツイダキタナイミナリノオトコノコ 1984年 秋田県 貧しい百姓と大金持ちの農家が並んでいた。ある日、白い布袋を担いだ汚い身なりの男の子が金持ちの奥座敷から出てきて、隣の百姓の家に入って消えてしまった。その後百姓は裕福になり金持ちのほうは貧乏になった。だから見知らぬ子供でも面倒を見てやるものだ。
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(カッパ),トウ 1982年 神奈川県 相州大川道西久保という所に小さい川があり、その川で河童が馬を引き込もうとしたところ、大勢で河童を打ち殺そうとした。その時にある百姓が河童を貰い助けたところ、夜に河童が礼にやってきて、陶器に酒を入れ、鱸を2匹持ってきた。鎌倉時代のことだという。この河童は雌雄いて、一匹は鎌倉に住み、一匹はこの角村に住んで文通をしているという。この陶の酒を呑む時、少しだけ酒を残しておくとまた酒が増えて、万年も絶える事がないと河童は言った。ある時酒を飲み干したので、それからは一滴も出なくなった。
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タヌキ 1987年 奈良県 夜の12時ごろ、酒を飲んだ帰り、狸に化かされた。いくら歩いても同じ所を回ってばかりいて着かない。朝になってみたら、自分の家のずっと奥に行っていたという。
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タヌキ 1989年 長野県 山の高いところに小屋があり、話者は若い頃泊まったことがある。夜中、人が山の下から登ってくるような声がしたので誰か来たと思って外に出ると誰もいない。また小屋に入ると、すぐそこで声がする。たぬきに化かされていると気づいたので、もう外に出ないようにしたという。
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キツネ 1980年 秋田県 狐が酒を飲んだ人に馬糞を「団子だ」と勧めて食べさせた。狐は酒を飲んだ人しか化かさない。
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キツネ,タヌキ 1999年 福岡県 ある百姓の女房のもとに、狐か狸のような獣が男に化けて通い、女房は妊娠した。女房は出産したが、その後女房は死んでしまった。化物ではなく、ある男だったという風説もあった。
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