カミキリ 1979年 明和8年に髪きりが流行した。切られたところは粘りがあり、とても臭いという。修験者が多く捕まって吟味をうけた。
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レイコン,カナシバリ,アヤカシ,ナナフシギ 1992年 広島県 宮島では日が暮れてから山に入ると陶晴賢一族郎党の霊魂に迷わされ、金縛りに遭うという。小学校2年の頃、日が暮れてから父親に背負われ陶晴賢が切腹した所を通っていると、父親の髪が急に1本立った。どうしたのかと父親に尋ねると父親は言葉を制して真言を唱えた。すると髪は寝た。後で聞くとそれがみさきというものだった。
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(ムクヒ) 1974年 東京都 武蔵の八王子千人衆の頭である原半左衛門は、馬の尾筋や前筋を切り、焼鉄を当てるのを好んだ。ある年の元旦に子の権十郎と氏神参詣をしたところ、鳥居の前が馬の血で満たされており、神前まで行けないと言った。しかし供の者はそのような光景は見えなかった。半左衛門は鳥居の前で額ずいて帰ったが病にかかり、馬のいななく真似をしたという。7日目に正気になって言うには、親が馬を苦しめた罪障が自分に報い、畜生道に墜ちるとのこと。その夜に死んだという。
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キビョウ,カミ,チ 1976年 東京都 江戸に髪の長い女がいた。毎月3,4尺切るのだがすぐ元に戻ったので、髪を剃って尼になった。また、夜になると髪がひとりでに動く婦人がいた。この髪を切って熱湯に入れたところ、髪は忽ち血になった。
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イウナリジゾウ,(ユメノオツゲ),(タタリ) 1990年 長野県 言成地蔵という地蔵堂の前は、馬で通る人も必ず降りて通る習わしになっていた。ある時、侍が馬で通りかかったので馬子が下馬するように言ったが、侍はそのまま通り過ぎようとし、地蔵の前で落馬した。怒った侍は地蔵を袈裟懸けに切った。切られた地蔵は新福寺の和尚の夢枕に立って傷口を布で巻いてくれと頼んだ。今でも地蔵は袈裟でしっかりと巻かれているが、これを見たものは目が潰れるという。斬りつけた侍は、病死した。
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ヨナキイシ,ナキゴエ 1929年 長崎県 土黒村に男が来て、床屋を開いた。そして切支丹の僧がやって来て床屋の男の足を治療した。これが噂になって帰依するものが増えた。切支丹禁制が始まり、床屋も雲仙の地獄に投じられることになった。床屋の妻は夫との別れを悲しんで、最後の別れをしようと吾妻嶽に行った。妻はそこから戻ってくることもなく、悲しみの余り石に化けてしまった。時々、ここから女の泣き声が聞こえる。
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カマイタチ 1998年 新潟県 かまいたちは太刀を構えた神様がいる所に人間が入ったので、神様が怒って、刀の傷を受けたのだという。暦を焼いた灰を患部に付けると治るといい、暦を大切にしないとかまいたちに会うという。
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カミナリ 1933年 奈良県 秋篠寺には、かみなりのへそとり石がある。昔雷がここに落ちたときに石に押さえられて自分のへそを取られた。このへそが寺の宝として残っている。
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(イケタガミサンノタタリ) 1989年 山梨県 昭和30年代に毎日のように木を切り出しているとき、人夫が池太神さんの所を通り、そこにあった太鼓をケンナタでさした。それで現場に入って、集材機に巻き込まれて腕を切ってしまった。
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シイノキ 1981年 東京都 本所の松浦侯の屋敷にある椎の木の枝が、往来の道にまで伸びて妨げとなっていたので切ろうとした。すると切ろうとした人々が枝から落ちたり、熱を発したりしたという。そこで松浦侯の用人が斎戒沐浴し、上下を着、切る意味を諭したところ、そのようなことなくなったという。
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ユウレイ 1994年 鳥取県 話者の家の何代か前の先祖が、夜石橋を通ると行き倒れた侍が幽霊になって出て、「成仏したいが頭を剃れなくてできない」というので、次の晩に行って剃ってやったら、お礼にお灸の妙技を教えてくれた。これが話者の家に伝わる「のどけの灸」である。
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(ゾクシン) 1973年 香川県 自分の主人や息子など大切な人が病気になって助かりそうにもないとき、あるいはどうしても祈りを叶えてほしいときは、女性は薬師堂に髪の毛を切って供えたという。
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オオスギ 1931年 静岡県 樹齢千年と伝えられている大杉に杣人が大斧を根元に打ち込んだら、切り口から鮮血が流れ出した。杣人はそれから三日三晩熱に浮かされて悶死した。
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エノキ 1960年 三重県 年老いて死を忘れた尼僧が、穴を掘らせ、その中に入った。そして読経し鉦鼓を叩いていたが、やがて亡くなった。そこを饅頭塚という。そして塚には榎があり、この木を切ったり傷をつけたりすると血が出るという。
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テング 1986年 愛媛県 用の山の山の神の祠の左に大きな石がある。その石を足なし天狗の足休めの岩というが、杣が山で木を切っていると、何かが頭を何度もフンバッタ(踏んだ)ので、ナゾッタ(払いのけた)。まだフンバルので、あつかましいと、斧を頭上で振ったところ、天狗の足を切ってしまった。天狗は人の心はだいたい読めるが、杣は無心でやったので、天狗にも分からなかったのである。それ以来足なし天狗と祀りしている。天狗は風の神様だという。
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ヤマノカミノケヤキノキ 1973年 福井県 現在山の神を祀ったところに、昔ケヤキの木があった。それをある人が切ろうとすると大きな音がして「切ってはいけない」といった。さらに「切るとおまえの妻がケガをする」ともいった。かまわず切るとその人の女房がケガをした。
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チノデルイシ 1988年 奈良県 薬師寺の塔の礎石は血の出る石だという。石工がこっそり割ろうとしたら、石の中から真赤な血が吹き出たので慌てて逃げ帰ったが、石工は病みついて死んだという。
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ムジナ 1968年 茨城県 寺に住んでいる古狢がいた。長さんに毎夜鶏の鳴き声をしてみろと言ってくる人がいたので、それが狢だと思った長さんは、唐辛子で退治しようとした。待ち構えていると衣を着た方丈が出てきて、灰をぶつけたと怒って消えた。これが古狢の最後の姿であった。
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ニンギョウ 1985年 福島県 3年ばかり前、赤松の根元から15センチ程の人形が出た。紺色の毛糸を束ねるように作ってあり、腹の真中に5寸釘が打ち込まれ、松の根元に突きささっていた。その後、木挽や左官や製材職人が怪我をするという事件が起こったので、神官の人に、人形のお祓いをして焼いてもらった。
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カイビョウコタババ 1987年 長野県 昔,ある六部が根津村の長命寺大日堂にお篭りしていると,子猫が沢山集まってきてうるさく鳴く。よく聞くと「国分寺の小太ばば来なけりゃ踊りにゃならん」といっており,大きい怪猫が嵐と共に入ってきて子猫達と共に踊り狂った。六部が仕込杖で怪猫を刺すと,血を滴らせて逃げていった。次の日,「小太ばば」が門前の小太郎の家の老婆であることを知り,訪ねてみると,老婆は昨日足を痛めて寝ているという。六部がお薬師様に祈願して法力を身につけ小太郎の家に乗り込むと,老婆は怪猫の本性を現して尾野山に逃げ込んだ。家を探すと,縁の下から老女の白骨が現れた。小太郎は薬師様に願をかけ,六部の助けで尾野山に飛びつけて怪猫を仕留めた。今も国分寺の裏に六部の石塔があり,小太郎屋敷という地名も残っている。
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