スマブクロ 1981年 静岡県 夜、干潮時にイソモノを取りに行くと「二ツ根」の辺りでイナブラ(稲叢)のようなものが自分にかぶさるようにやってくる。スマブクロと呼ばれていた。なお、スマブクロとは脱穀したフスマを入れておく南京袋のことである。
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フスマ 1959年 鳥取県 闇夜に、フスマという打綿のような白いものが出るという話がある。
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カイジュウ,ウミボウズ 1974年 大阪府 和泉国に住んでいる人が言うには、貝塚のあたりに海辺には時々海坊主が現れて、磯の近くに来るという。そのあたりの家では子供を磯には行かせず、間違って行くと捕られるという。3日ほどで沖に帰るという。その形は人に似て大きく、全身は漆のように黒く、半身を海上に現す。
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ノブスマ 1938年 高知県 ノブスマは夜、旅人の行く手に襖や壁のように立ちふさがる。上下左右、どこまでも続いており果てることが無い。ノブスマに驚いてしまうと、途端に気を失わせられるが、落ち着いて煙草でも2,3服すると、その間に消える。
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イソテング 1956年 海辺で、木の下に魚を積んでおくと、磯天狗が磯で火を焚いてみせる。
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ミシマミョウジン,ダイジャ 1928年 東京都 往古、三宅島で三島明神(事代主命)が大蛇退治をした時、各島々の神も働いたので褒美を与えることになった。そのとき、利島の預り明神が褒美に貰った水を神津島の長浜に置き忘れてしまった、長浜明神がそれをとって隠してしまった。そのため、利島では今でも水が不自由で、神津島の長浜には清水の流れができたのだという。
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タヌキ 1979年 岐阜県 炭焼きをしていたときのこと。夜、窯をきれいにしての帰り、後ろでボンボン音がする。立ち止まると音も止まり、歩き出すと音がする。道路に出て荷を降ろしたら、大きな人が目の前にいて、見ているとさらに大きくなり、被さってきた。狸の仕業。
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イナブラサン 1989年 静岡県 晩秋から初冬に掛けて吹く、冷たい雨混じりの風をナライシブタという。この風が吹くころ、神社下の御浜を通ると、沖からイナブラさんが来て人をさらい、隠す。イナブラさんは稲叢のような格好をしていて、人に覆い被さってくる。逃げる通ってくるし、立ち止まるとむこうも立ち止まる。附近の家に飛び込んで助かったという人もいる。
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イネガアカクナッテシマウタ,カミナリ 1969年 福島県 稲を作ると毎年その稲が赤くなってしまう田があった。昔雷が落ちたところだといい、馬は入れなかった。今では住宅団地のなかに入っている。
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シチホンザメ 2005年 三重県 8月の初めにはゴサイと言われる、磯に入ってはいけない日が3日ほどある。鮫が伊勢神宮にお参りに来るから、磯に入ってはいけないのだという。
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イソオナゴ 1933年 九州 島原半島にある加唐島では、昔、トウボウ船がとも綱を引き揚げようとしていたら、磯女が現れたので、とも綱を切って逃げた。それ以後、この種の船だけは今でもとも綱を取らないという。また、薩摩では漁船が他所の磯岸に停泊する時、決してとも綱を取らないという。磯女がとも綱を手繰って船に乗り込むからだという。
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オイソガモリ 1975年 高知県 大百姓の家の女中お磯が、作男の子供を身ごもった。主人はお磯を家へ追い返した。お磯は途中の桧の下で産気づき、子を産み落としたが、山犬に襲われて死んだ。それ以降主人の家では不幸が続き、桧のそばに祠をたてた。今ではお産の神様となっている。
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カミカクシ 1915年 岩手県 農家の娘が、物に取り隠されて見えなくなった。死んだものとあきらめていると、ある日田の掛け稲の陰にこの女が立っているのを見た者がいた。そのときにはすでに気が荒くなっており、たちまち去ってしまい、ついに帰ってこなかったという。
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ツキモノ,キトウシ 1989年 長野県 動物や霊物など、特別な力を持つ物が人間に取り憑くことを憑き物という。中信地方ではキツネがほとんどである。こういったものを離して正常な状態に戻すための方法は様々あるが、そのうち最も多い物は祈とう師によるものである。
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(ネットウニスムムシ) 1973年 静岡県 熱海の温泉は、日ごとに時刻があって海中から沸騰して湧出する。湧きたつときはその時に雷が鳴っていても止まり、湯気の煙で晴天が曇るという。しかしその中でもミミズのような虫が棲んでいるという。
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シイ,コクキ,モノ,カマイタチ 1977年 中国の明の国で成化年中、北京に「物」が出た。狸のような姿で風のように速く、人の顔面を傷つけ手足を噛む。日本では周防、及び筑紫のあたりでこの「物」がある。坂東でかまいたちと言って、黒い疾風で人が傷つくことがあると言うのは、この「物」だろうか。
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イソナデ 1960年 三重県 イソナデは尾の長い鮫。磯端で尾で打つ。海辺で死んだ人がいると「磯ナデになでられたんだろう」などという。
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シラガバア 1929年 宮城県 1月15日には、しらが婆がこないように門口に磯籠を掛ける。
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イソユウレイ 1933年 長崎県 五島有川では、船幽霊を磯幽霊と呼ぶ。磯幽霊はよく島になるが、その島には波が打ち寄せず、暗い時でも見えるという。アカトリ(柄杓)を貸せと言われたら、底を抜いて貸す。そうしないと、水を入れられて船を沈められる。鯨などの大きいものになれと言うと、そのようになるという。あまりに出てうるさい時には、握り飯を投げてやるとついてこないという。
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キツネ 1988年 岩手県 昔は、五枚橋のあたりで市日の帰りに、よくキツネに騙された。
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ユウレイ 1988年 長野県 幽霊とは、姿は見えず、音だけがするものである。
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