ヤマノカミ 1979年 福井県 昔、中西佐平の家の主が漁に出ると、度々石が網にかかった。その度に捨てていたが、ある夜、夢のお告げで「私は石は石でもただの石ではなく、山の神である。大水が出たときに流されてしまった。陸へ上がりたいので次にかかったら上げて山に祀ってくれ」と頼まれた。次に海に出ると案の定石がかかったので、山に祀った。
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レイム,シンレイ 1973年 秋田県 大平山に鎮座する三吉大明神を信仰している者が怪しい夢を見た。それは山上で神人が人に日頃信仰により利益を与えるというものだった。妻も同じ夢を見たので急いで祠を建てると様々な願いが叶ったが、成就した時餅を供えなければ祟った。
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バンバアイシ 1960年 神奈川県 昔、ある信心者の夢枕に神が立ち「一の釜西方を流れる相模川の深いところにいる。自分の体は石で夫石は川下の江ノ島にいる。上流から訪ねてきたが、水が少なく下流に行けないから八幡宮まで連れて行って欲しい」と告げた。夢から醒めて一の釜に行くと、川底に老婆のような形の石があったため社の境内に移した。その後日照りが続いた時また夢枕に立ち、「自分を一の釜に入れると雨を降らしてやる」と告げたのでそうすると雨が降った。その後石はしばらく放置されたが、川下の人が井戸端の敷石として使った。しかし、一家中の人が病気になったため、行者の進言で八幡宮へと返された。
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ヨナキイシ 1939年 福井県 道路改修の時、大石を掘り出した。それを寺が購入したが、毎晩石が泣くので、再び元のところに戻して祀る事にした。
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レイコン,タタリ 1974年 福島県 延宝年中、ある者が、庭を造る際、踏み石に寺の裏山から古い石塔を持ってきて使った。以来夢に若い女が出てきてなぜ連れてきたと怒った。その事を人に話すと、ある老人が、80年前に若死した娘の供養塔を踏み石にした祟りだと言った。石をもとの所に戻したら夢は止んだ。
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エンマドウヨコチョウノカイ 1956年 宮城県 昔石名坂下・船町の辺りに遊女屋が栄えた頃,石名と名乗った遊女が自分の罪障消滅のため,死後自分の墓石を橋の一部として通行人に踏んでもらってくれるよう遺言したが実行されなかった。その後墓石が倒されたままになっているのを近所の請負師が見かねて円福寺に移してやったが,遊女の霊は遺言通り石橋にされないのを怨んだものか,余計なことをするなとばかり請負師の妻の夢に毎晩現れて望みが叶えられるまで悩ましつづけた。その石碑が現在どうなっているかはわからない。
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イシガミサン 1985年 香川県 志々島の阿部次郎左衛門という人が沖で網をうっていると、石がかかった。捨ててもまた網にかかることが二度三度続いたので、海に返さず筏石の上に置いた。その石が、夜になると、吉田へいこう、と夜泣きした。そこで吉田に運び、石神さんとして祀った。
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ダイジャショウジャ 1930年 長野県 夢で大蛇がとめるのも聞かず、殺した大蛇を見世物にしようとすると、一人娘が熱病にかかり、家にとめた六部の言うとおりにすると娘は死んだ。祟りを祓う人に頼んだが、美女が邪魔してうまくいかない。その土地を買った者には祟りが続き、祠を建てて供養した。
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ムカシノヒトノタタリ 1961年 鳥取県 田のあぜに五輪の片があって、それは昔の人のお墓だから踏むと足が痛むという。その石片の1つを持ち帰って、屋敷の隅に置いて地主神にした。
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イシ,ナンヨウノヘビ 1967年 福島県 昔、伊勢参りの帰途、下駄に小さな石が挟まったが、どこまで来ても取れないので不思議なこともあるものだと思いながら、お伊勢参りからついてきたのだからと、家に持ち帰り神棚に上げておいた。ところが石はだんだん大きくなり、やがて一抱えもある大石となった。不気味に思い、紫の布に包み、柏神社と名づけお祀りした。この石の正体は南洋の蛇が変わったものだということで、この石がたくさん子を産んで、その1つが新沼に祀られているという。柏神社の祭りでは、罪ある者がみこしを担ぐと必ず身が縮まり、罪ない者が担ぐと、どんな大石でも楽に担げるという。
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ザオウサン,ガッサン 1956年 宮城県 姉妹の神が月山を所望して争った。そこで父神は、蓮華の花を作って寝るとき胸の上に上げておくようにいいつけ、明朝見比べて出来のよい方に月山をやろうと約束する。夜中に妹は姉の蓮華が自分よりもよく出来ているのを見て、姉の眠っているうちにすり替える。翌朝父は妹の方がよく出来たといって妹に月山をやる。姉は泣く泣く蔵王山へ飛んで行った。人の物を盗んだ者は月山には登れるが、蔵王には絶対登ることが出来ないのはこのためだという。
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(オチュウドノハハコ) 1979年 静岡県 大日山という山に、落人の夫婦が子連れで住んでいたが、村人が鉄砲で殺した。母親は手を合わせて拝んだが、母子ともども撃ち殺された。それまでは木挽きに良いということでコビキ平といわれていたが、それ以来コヒキ平と呼ばれるようになった。ところがその年に悪疫が流行った。そこでこの山を祀ったという。
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イシ 1976年 奈良県 宝亀元年、西大寺の東塔の礎を破却した。石の大きさは1丈余り、厚さ9尺であった。この石は飯盛山の石で、数千人で引いた。日々数歩づつ動いた。石が自ずから鳴るので、人夫を増やして引いた。その後きり刻んだ。時に巫女たちが石の祟りで悩んだ。ゆえに芝を積んで焼き、道路に捨てた。その後天皇が病気になり、博士に命じて占ったところ、石の祟りであるというので、石を集めて清浄の地に移した。今、寺内にある破石はこれである。
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オヒメサマノイシ,ユメマクラ 1987年 長野県 祢津西宮(宮ノ入)の岩井堂内にあり,お姫様の大石という。祢津領主松平采女正忠節の奥方了照院の病はなかなか治らなかった。毎日神仏に祈っていたところ,ある日御仏が2体夢枕に立ち,病から逃れたくば大石を二つ探し,我々2体の像を刻んで祈るがよい,とのお告げがあった。采女正は大石を探させて釈迦尊と多宝尊の2仏を刻ませ,岩井堂に安置した。
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コイシ 1967年 福島県 波立薬師のお堂の前は小石の浜で、この小石を持ち帰ると、帰りたがって夜に泣くという。そしていつの間にかひとりでに帰るという。ある人がこの砂利を運んで庭に築山を造ったところ病気になり、石のためだということになり元の所へ返したという。
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ウバイシ 1986年 愛知県 ある比丘尼が女人禁制を犯して山に登り、傍らの石に手をついたところ、手が石から離れなくなった。祈祷師を頼んで手を離してもらったが、放置していたら姥石になっていたといわれる。
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サウエモンノボウレイ 1991年 愛知県 女が山でおしっこをしたが、そこはちょうどお墓で佐右衛門の亡霊にとりつかれる。佐右衛門は土地を取り上げた地主に土地を返すよういう。地主は聞かず、そのため村中の子供や馬の子が死んだりして村で供養した。
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ヨナキイシ 1984年 長野県 急に流れて来た大石が、夜な夜な子供の泣き声を立てる。山から押し流されてきた石は、その間に幼児を圧死させていたことが分かり、石の上に地蔵を置くと、泣き声がやんだ。
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グヒン,カサ 1955年 岡山県 櫃ヶ山は大山の狗嬪の住む山といい、日露戦争のときに兵隊よけや武運長久の願を聞き届けるといった。女が上ると罰があたる。昔この村に一人の旅人が来て、笠を置いてある場所だけでよいから一晩泊めてくれと言った。それくらいならと許すと、笠は見る見る大きくなって櫃ヶ山をすっぽり包んだ。この旅人が大山から来た天狗で、それ以来不浄のものはこの山に入れなくなったという。
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イシ 1967年 福島県 昔ある人が出羽三山巡りをした際、大変綺麗な石があったので持ち帰り神棚に上げておいた。はじめはダチョウの卵くらいの大きさで重くもなかったが、日に日に大きくなったので驚いて氏神社に祀り御飯などを上げていた。その後も大きくなり続けたが、持ち主が死んだら石も死んだのか大きくならなくなった。
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