ウブメ 1968年 佐賀県 産婦がお産の途中で死ぬとうぶめになるという。腹の子どもを取り出し、ムスベワラという藁を産婦の腹に巻いて棺に入れなくてはいけない。
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ムイカゾリ 1956年 宮城県 生後六日目の新生児の産毛を剃り落とすことを六日剃りという。そのとき、盆の窪や耳ぎわの毛、あるいは頭の中央の毛を少し残しておく。これは子供が災難に遭ったときに神様がその毛をつかんで助けてくれる、という俗信に基づくという。
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サンノカミ,ホウキ,コヤスサマ,オボスナサマ,カミサマ 2001年 青森県 難産のときは、産の神であるホウキを立てる、子安さまの巻物を借りてきて腰に巻く、サンバに拝んでもらう、夫に腰を抱いてもらう、オボスナ様を拝む、神様の腹帯というサラシの帯を借りてきて腹に巻くなどする。
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マヨケ 1933年 沖縄県 魔除けの為にお産の時妊婦の枕元には魔除けとしてアジ(機具の一種で綜絖にかけてある長い棒のこと)を藁で結んだのを置き、門には古わらじを吊るす。
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(ゾクシン) 1972年 長崎県 産育に関する俗信。出産前にそうめんを食べると、子供がそうめんをかぶって出てくるといわれている。へその緒は取っておき、嫁に行くときに持たせて生きるか死ぬかのときに飲ませると良いといわれている。最初、赤ん坊を腰巻きにくるまないと横着になるといわれている。5月に産まれた子どもはガワッパのせいで水難に遭うといわれているので、竜神の加護のある船大工に名前を付けてもらうといわれている、など。
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(ゾクシン) 2004年 香川県 お産に関する俗信。お産は母屋の納戸でするが、箒を立てて神祭りをして箒の神様を集めた。箒の神が集まらないとお産ができないという。また、妊婦が箒を踏むと箒の神様が怒ってお産ができないという。妊娠中に葬式を見ると生まれた子どもの肌に黒いあざができるという。へその緒を煎じて飲むと夏病みに効いたり、雷避けになるという。産まれる前から産着を作っておくと、弱い子になるという、など。
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(ゾクシン) 1973年 三重県 産育に関する俗信。鶏の初産の卵を飲むと、お産が軽くてすむという。子供が行方不明になったとき、へその緒を水に浮かせて、水に沈むと死んでいるが、浮いていると生きているので捜したという。男の子の髪の毛は、人が通る場所に埋めて、人に踏んでもらうといいという、など。
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(ツギノコガナガクウマレナイヨウニスルゾクシン) 1967年 福島県 次の子が生まれることをおとみというが、取り上げ婆に赤子をとりあげてもらうとき、へその緒をのよしを箸の長さに2本揃えて、へその出血の血をはしにつけ、だれも知らないうちに、台所の流しの方の屋根裏へ、出来るだけ離してさしておくと、おとみが長いと言われる。
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(ゾクシン),マヨケ 1933年 長野県 出生児はこれを「こんぼこ」「こんぼ」「こぼ」「ぼこ」等と呼び、生児の枕元には刃物を置いて魔除けとする。
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(ゾクシン) 1960年 愛媛県 子供が生まれたときには「ウブヤノゴハン」を炊き、子供の枕もとや神様にあげるという。この時、ごはんを指で少しおさえておくと、子供にえくぼができるといわれている。「ウブヤノゴハン」は産婦や皆が食べて、子供には1粒食べさせるという。
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(ゾクシン),(ソセイ) 1935年 島根県 女の人が産死したときは、屋根に穴をあけて垂らし入れた細引を産婦の髪に結び、別の端を口に当てて屋根の上から呼べば蘇生する、という。
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タマシイ 1933年 長野県 昔は、難産にて産婦が気絶した時は、産婦の頭髪を一束にして天井または屋根裏の垂木に縛りつけ、身体を吊り下げてから大声で産婦の名前を呼んだ。又、夫が蓑を逆さに着て屋根に上り産婦の寝ている部屋の真上にあたる部分に穴をあけて、大声で妻の名を呼んで魂を呼び返すと生き返った。
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ホウキ 1956年 宮城県 安産のために、出産のとき産婦の枕元に箒を立てたり、あるいは箒を産の神として産婦に拝ませて、産気づいた時にその箒で腹を撫でるという。
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ヘビノコヲウム 1956年 宮城県 昔,この地方に母娘が二人で住んでいた。毎晩のように娘のもとに美男の若衆が忍んで来るが,何処の誰かわからない。どうも化生のものらしい。母の言葉に従ってこっそり長い糸を針で袴の裾に縫い付け,翌朝二人で糸を辿っていった。糸は裏山の大木の所まで続いており,根元の穴から呻き声と「俺が死んでも,子供を千疋つくったから未練はない」という言葉が聞こえた。驚いた母娘が和尚の教えに従い,菖蒲と蓬の湯を沸かして娘を入浴させると,娘の体から千疋の子蛇が出てきた。若衆は蛇の正体を現して死んでいたという。
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(ゾクシン) 1985年 福島県 後産のことをゴザンといい、胎盤は油紙に包んで家の墓へ父が埋ける。中ノ原ではゴザンはとってから、1日位便所の中に包んで置いておいて、その後外へ埋けるが、埋けた上を初めに通ったものがこわくなるという。
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イヤギヲサス 1933年 鹿児島県 子どもが産まれると母親が臍を接いでいる間に、家人の誰かが、神様に悪い運を授けられないうちに、先手を打ってイヤギ(運命)を差す(運を授ける)という。ズシキー(薄)の幹を三本1尺3・4寸に切って、サヌマ(茶の間)の東口の桁の上に差すのがその方法である。次子は、薄の間隔が遠いと遠くに産まれ、近いと近くに産まれるという。
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(ゾクシン),イヤ 1933年 熊本県 後産(イヤ)の出方が遅い時は、手製の藁の束子(サワラ)で産婦の背中を三回撫でると、すぐに出るという。生来の蛇嫌い蜘蛛嫌いなどは、床下に埋められたその人の後産の上を一番最初に通った動物によって決定されるという。
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ヤマノカミ 1992年 宮崎県 妊娠習俗をまとめて記す。生れた赤子に黒ほくろがあるのは山の神が摘み出した跡といい、「いやの緒」(胎児膜)で洗えば消えるという、など。
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(ゾクシン) 1972年 岐阜県 産育に関する俗信。出産はあらゆる神様の助けを受けて子どもが産まれるといい、箒の神様一柱が来なくても産まれないという。お産のときは箒の神様が一番最初に来るので、箒をまたいではいけない。小豆を3粒のませると、後産が早く出るという。へその緒は血液をぬいて干しておき、レイシという苔と一緒に煎じて飲むとガンに効くという。甘いものを食べると母乳が出ないという、など。
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キツネ 1956年 福島県 子供が生まれると、狐に泣かされない様に、産婦にわからないように納戸の裏に蓑と鎌をかけてくる。
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