イワシ 1978年 香川県 昔とても信心深い嫁さんがいて、柱の穴の中にお守りさんを入れて日々拝んでいた。嫁を憎む姑のお婆はお守りを取ってしまい、代わりに鰯の頭を入れた。知らずに嫁さんが拝み続けると、鰯の頭に後光が差したという。
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ダイジャ,シンランショウニン 1933年 栃木県 建保年間にある男の妻が妾を食い殺そうとしたが、夫に遮られたために夫の咽喉に食いつき、妾をも噛み殺した。全身鱗が逆立って、口は裂け、大蛇の姿になった。この世の女すべてを呪うようになって入水したといわれる。水に沈んだ女の一念が大蛇になって人々を困らせるので、毎年9月8日の夜に犠牲を捧げた。親鸞が大蛇を退治したとのことである。
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レイ,シットノウラミ 1957年 熊本県 昔、聖が室女を盗んだ時、守の女房が簀巻にして佐牟田川に沈めた。その霊を木未妙見社に祀った。一説には、当初地頭某の妻が嫉妬の怨によって入水して死んだ霊を祀ったものともいわれる。
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ヘビ 1979年 長野県 姫の汚物を片付ければ嫁にやると約束して、蛇が片付けをしていた。年頃になって嫁に行く時、蛇が嫁にもらいに来た。姫の後を追ってくるので、針を投げると、腹が破れて死んでしまった。蛇の祟りがあるので祠を建てて祀った。
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ダイジャ 1956年 東京都 事代主神が奥様の啀姫の他に后様という妾を持ち、そちらに夢中になったので啀姫が嫉妬し、大蛇になって后様を追いかけ、崖から落とした。后様を祀ったのが后神社。
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シロイヘビ 1958年 栃木県 正月の餅をついている時、刺さった木のとげを取り除いた妻を、つまみ食いしたものと勘違いして、婿が杵で打ち殺してしまった。嫁は死に際に「全員とり殺してやる」といい、その後、家の梁に白蛇が出るようになった。また不幸が続き、とうとう没落してしまった。
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オニ,ウシオニ 1992年 山口県 夫がいない間、妻のもとに18・9の若者が毎夜通ってきた。夫が帰ってきたので、妻は夫に告げた。夫が弓矢でやって来た若者を射ると、若者は血を流して逃げていった。翌朝血の跡をたどると、鬼ヶ城の麓で死んでいたので埋めた。その後、村人に災いをなすので、牛鬼神と名づけて祀ったら、祟りはなくなった。
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オチエノカイ,タタリ 1939年 岩手県 天明年間のころ、お千枝という女がお手つきになり、殿様の子を産むが、翌年顔を火傷して死んだ。葬式が済んだころから祟りをなしたが、お千枝大明神を祀ると祟るのをやめた。
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ワカミヤサマ 1983年 愛媛県 乱世の時代、ある殿様の奥方が山へ逃れたのを金めあての猟師が殺した。以来猟師の家は馬鹿や目の悪い者が出る家筋になったので、殺害場所に若宮様として祀った。月の一、十八、二八日にそこへ行くと怪我をする。
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ヤマンバ 1981年 高知県 毎年みすぼらしい格好をして物乞いをする老婆がいた。ある年、宿泊を断り後ろから打ち殺すと、それから後に祟り出して、家は悪いことばかり続いた。太夫に見てもらうと、神楽を止めていることと先祖の祟りといわれて、再開した。
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タタリ 1971年 石川県 気性の激しい当主が侍女を斬って井戸に投じたところ2,3代にわたって目を患う者が出、殺された侍女の祟りとして、供養のため邸内に地蔵堂を建立するに至ったという。
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(ゾクシン) 1936年 長野県 箒に関する俗信数点。お産のとき、産室の隅に箒を立てて産の神として祀る、美女が森という神社の境内に縛る。死人が立ったときには箒で叩くと倒れる、箒を逆に立てると長客が帰る。
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キジョ 1951年 沖縄県 ある男が嫁にもらった女は、実は頭のてっぺんに大きな口のある物凄い形相の鬼女であった。正体がばれた鬼女は男を追いかけるが、菖蒲に刺さって死んでしまった。これ以後、5月5日に菖蒲を差して悪魔を祓うようになったという。
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クビヅカサマ 1982年 宮城県 坊主が隠し女を持ったといわれて侍に首を切られ、その首が川上に流れて岩に噛み付いた。それを祀ったのが首塚様。
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ゲドウ,イラズノマ 1957年 愛媛県 主人を殺した男が殺されて外道になった。28日と1日に音がして祟るので、主人の部屋を「入らず」にして男を祀った。主人の家の跡は娘が継いだが、弟妹に馬鹿が出て、主人が弟を殺した。
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ワニ 1933年 福島県 ある日、浜辺に出ていた娘が鰐にさらわれた。悲しんだ老僧はある日一匹の大鰐を見つけたので仇討ちとばかりに弓矢で射た。娘の追福を祈るために巡礼に出たら、幾年か後ある木賃宿で鰐の骨を見つけた。老僧が鰐の骨を蹴った拍子に倒れ、それが原因で死んだ。たぶん毒が入っていたのだろう。
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トノサマノムスコ,コウシンサン 1960年 京都府 後妻をもらった殿様は先妻との間の息子を隠したが、後妻は見つけ出して息子につらく当たったため、息子は池に身を投げて死んだ。殿様が池に行くと息子が自分を祀ってほしいと現れ、以後庚申として祀られた。
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ナキタマ,ユウコン,ボウコン 1974年 高知県 土佐の国で、流罪になった人のところへ毎夜、都で死んだ妻が現われるようになった。その妻を網で捕らえたところ毛の抜けた古狸になったので殺した。貞観年中のこと。
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ヘビガミ,サルガミ,イヌガミ 1922年 昔源三位頼政が紫宸殿で射落とした鵺という、頭は猿、足は犬、尾は蛇に似た怪獣を切って攝津の川尻に投げ込んだ。それが海を漂い頭は讃岐に、手足は阿波・土佐に、尻尾は伊予に着いた。その祟りで伊予には蛇神、讃岐には猿神、阿波・土佐には犬神がいるという。また一説には犬神の起りはある残忍な人が犬を柱に縛り付け、その目の前に食べ物を置き、悶えて餓死させ、その犬の妄執が残忍な人に乗り移って子孫代々犬神になり、他人を悩ますという。
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コヘビ 1976年 京都府 某家で伯母が同居してかいがいしく働き、家が栄えていた。しかし妻を迎えたところ、妻が伯母に従順しなかったので、伯母を別居させ、食事を持っていくように主が命じたが、妻は主に偽って、持って行く事は無かった。そのうち伯母は病気になったのだが、その頃から妻も心地が悪いと屏風の内にこもるようになった。2,3日もこのようなことが続くので怪しんで屏風の内に入って見たところ、妻の首に小蛇が巻きついていた。修験に祈ってもらったら、小蛇を退治すると妻は死ぬといわれたが、苦しみを見かねて祈祷を頼んだところ、小蛇は首を離れ妻の口に入り、妻は死んだ。その頃伯母も死んだという。
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