カゲボウシ 1937年 大阪府 ある冬の夜、座敷と縁側との間の欄間の明り障子に、坊主の上半身の影法師が見えた。何かの反影だと思って種々の実験をしたが影法師は動かない。翌日、僧侶を呼んで祈祷したところ、その晩から影法師は出なくなった。
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フルダヌキ 1992年 熊本県 ありがたい説教をする坊さんの前に、いつもふかふかの敷物がしかれていた。老婆がこの一片を取ろうとハサミを入れた瞬間、凄い声がして坊さんの姿は消えた。坊主は古狸だった。
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メヒトツコゾウ 1979年 静岡県 師走八日の夜に赤飯の握り飯を焼かないと、目一つ小僧が家の中に入ってくるという。目一つ小僧は頭のてっぺんに大きな穴があり、そこに人間など色々な者を入れて取って行き、山に待つ子どもの元へ運び帰るという。
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コウボウダイシ 1979年 鳥取県 木こりが体の腐れた旅の坊さんを木こり小屋に泊めた。翌日みると坊さんは小判の山になっていた。弘法大師だったという。
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ムヂナ,コゾウ 1937年 岐阜県 昔々ある老人が山小屋で蕎麦落しをしていたら、どこかから毎夜小僧が現れ話しかけるので困った。老人は石を焼いて小僧に投げつけたらひどい声がして倒れたものがあった。翌朝見ると大きな狢であった。
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フルダヌキ 1933年 大阪府 老婆が菓子を食べて休んでいると、爛々たる目玉を持ち、青黒い顔をした坊主が現れた。驚いた老婆が家人を引き連れ戻った時にはすでに姿はなく、菓子類はすべて食べられていた。きっと、近所の古狸の仕業に違いないという結論に達した。
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フルダヌキ 2001年 青森県 昔、ある村の狩人が、日がすっかり暮れてしまった山中であばら家を見つけた。中では八十姥が機織をしていた。その姥が人間ではないと悟った狩人は何度も打ってみたが、退治することも出来ずに逃げ帰り、寝込んでしまった。ある日、その枕元に白髪白せんの老翁が現れ、有名な狩人に助けを求めよと告げた。狩人はその通りにして、姥に化けていた古狸を退治した。
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スミガヤケナイサワ 1965年 秋田県 爺さんが炭を焼いていると坊様が来て「炭はどのように出すのか」と聞くので、冗談に「念仏を唱えながら」と言うと、坊様はその通りにした。それからそこでは炭が焼けなくなった。
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ヤマチ 2000年 鳥取県 山奥の小屋に1人で住んでいた鷹匠が庭で火を焚いてあたっていたら、6尺余りもある老人のような者が来た。どこから来たのか訪ねても何も答えない。帰るとき、後をつけてみたけれども、見失った。その後、里人に聞いてみたら、それは山父だと言われた。
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タヌキ 1931年 島根県 旅人が一夜の宿を求めた山寺には70歳以上に見える老僧がいた。夜が更けた頃、老僧は燃え上がる焚き火で睾丸をあぶりだした。やがて睾丸は風呂敷のように大きくなり、これは怪物だと思った旅人は睾丸に囲炉裏の火を入れた。老僧の正体は古狸で、睾丸で旅人を包み込んで殺して食うつもりだったが、その睾丸を焼かれて死んだのだった。
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キツネ,シュギョウシャ 1926年 長野県 男が家に帰ると、修行者が仏壇の前で念仏を唱えていた。その後毎晩来た。ついには畦を僧が30人も歩いているのが見えた。狐に化かされたのだった。
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キツネ 1920年 長崎県 30年ばかり前、80歳くらいの老僧が佛飯の洗いすすぎを大溝の狐に与えていた。老僧がたきつけを入れるのを忘れていると、前夜確かに入れていなかった竃の中に、枯芝などが入れてあるということが何度かあった。狐がしてくれるのだという話であった。
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キツネ 1960年 三重県 爺さんが薪を馬の背に乗せて運んでいたら、狐が馬の背に飛び乗って悪戯をした。爺さんは狐を縄で縛り、家に帰ると、狐の姿がない。狐は家の中に入っていた。狐は仏様に化けて仏壇に隠れたので、爺さんはご飯で狐を誘い出し、狐が食べようとしたところを手斧で叩いた。
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(ダイホウシ) 1981年 東京都 牛込山伏町に住む朝倉八十五郎という者が帰宅しようとした時、門前に大きな法師が立っていた。八十五郎は驚かずに、挨拶を言いながら袖の下を潜って入ろうとすると、この大法師は忽然と消えてしまったという。
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(バケモノヤシキ),ロウジン,オウゴン 1973年 兵庫県 播州姫路のある屋敷に年来化物がすんでいて、人が取り殺されたり、気狂いの病をうけたりした。ある学者が住んで、夜に論語を読んでいると、大盤石や十畳が音と共に動いた。正体は70余りのひからびた老人で、髭が生え、古い帷子を着た者が泣いてたたずむ。生前に埋めた黄金のことを伝えたかった。
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ザシキボウズ 1960年 岩手県 江刈の某家にはザシキボウズがいた。屋敷を火事で失い建て替えたので、もう出ないだろうと思っていたが、また出るようになった。奥座敷の真中の柱のところを踏むと、夜、枕元に2尺位の赤黒い裸坊主が立っている。4,5歳程度で赤い綺麗な顔をしているともいう。
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ヤクオニ,ヤクガミ,ビンボウガミ 1974年 広島県 備後国三好鳳源寺で、顔が青ざめ、ひどく痩せた白髪の80才位の老人が堂内の結界の中に入ろうとしたので止めたら消えた。近在の村々では疫病が流行したが、この寺のある村では流行らなかった。
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シンダオトコ 1931年 青森県 ある晩、古寺の老和尚が檀家回りからかえると、いつもは出てくる小僧が出てこなかった。経を読む声も聞こえないので小僧の部屋に行くと、小僧は経机に突っ伏して固くなっていた。その前には薄暗い電灯の光の中、1人の男が立っていた。和尚に大声で名前を呼ばれが小僧が顔をあげ、男と顔を合わすと男は消えた。翌朝、その男が死んだという知らせを受けた。
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シンランショウニン 1979年 山梨県 ある日の夕暮れに、1人の旅僧がやってきて泊まった。翌朝、ここは清浄なところだから何日か行をやりたいというので、堂へ案内した。婆さんが家の内に水の出る所はないものかと捜していると、その旅僧が場所を示した。掘ってみると清水がわき出した。ただし、この水はこの家の入用だけしか出ず、女性が不浄の時には汲んではいけないと約束した。ある時、婆さんが約束を忘れて水を飲んだところ、水が止まってしまったが、坊さんに話して拝んでもらうと、また水が出てきた。後にこの名僧は親鸞聖人であることがわかった。
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オオニュウドウ,ゲタ 1941年 秋田県 ある山寺は化物寺といわれ、住職がいつかなかった。そこへある坊主がやってきて、現われた大入道を湯をかけて退治した。正体は床下に捨てられた、朴の木と栗の木の下駄だった。
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