ヒ,コンパク 1975年 滋賀県 近江国大津の八町で、雨中に必ず現れ飛行する玉のような火がある。その地の人は、大津辻の地蔵の油を毎夜盗んでいた油売が死後、炎になって迷っているという。
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キツネ 1984年 山梨県 狐が油を舐めたくて油売りを化かし、油売りは「あぶらあ、あぶらあ」といいながら、油を売っているつもりでそこら中にこぼして廻った。
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アブラボウ 1965年 滋賀県 昔湖東の金剛寺に、毎朝本堂の観音様に燈明の油を差しにいく坊さんがいた。ある日坊さんは禁じられた遊びがしたくなり、燈明の油を盗みお金を作った。ところが遊びに出かけようとした時、ふとした病気が元で重体となり死んでしまった。その翌日から山門に坊さんの幽霊が出るという噂が広まった。その幽霊は手に油を持って、本堂に登って行くが、かすかな声で「油返そう、油返そう。わずかなことに、わずかなことに」とつぶやいているという。今でもこの油坊はでるという。
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キツネ 1937年 福井県 夜になったので家に泊めてもらった家には白いものを着た死人がいた。油を切らすと火が消えるというので、持っていた油を次々と足していった。後ろからたたかれて気がつくと、芋畑に座って里芋の葉に油を注いでいた。白狐に騙されて油を舐められてしまったのである。
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アブラトリ(ゾクシン) 1925年 岩手県 人間の油を取るといわれる油取りがやって来ると、戦争が始まると言われる。
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(アブラガデルイシ) 1980年 群馬県 くさうづ(草津)の地に、石から油が湧き出る所がある。池の岸に油の出る石があり、池の水面にしたたり落ちた油が溜まっている。
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ウバビ 1934年 大阪府 平岡社の神燈の油を盗んでいた姥が、死後燐火となって飛び回る。
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キツネ 1985年 新潟県 隣村に油を買いに行った帰りに道に迷わされて、気づくと油は全部なくなっていた。狐の仕業。
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リンカ,ユボウ,ドウゲン 1975年 京都府 比叡山の西の麓で、仏前の油を盗んでいた人の魂が死後、燐火となり夏の夜に飛ぶ。七条朱雀の道元の火もこの類いのものだろう。このような話は諸国にある。
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キツネ 1971年 岐阜県 魚や油を持っていると、その手が重くなってくる。持ち替えるときに狐がぐるっとまわってきて油を飲んでしまうのだという。家に帰ってみると、空になっている。
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キツネ 1933年 長野県 油を買いにいった帰り、茶屋の前を通ると年増だが垢抜けした女が手招きしたので、油を女に預けて酒を飲んだ。茶屋を出て帰るとき油がなくなっていることに気づいた。狐に化かされたのであった。
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キツネ 1933年 長野県 ある晩、爺が町で油を買った帰りに道に迷った。散々歩いてから狐の仕業だと気づいた。見ると自分は田の中をうろついており、油はなくなっていた。
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キツネ 1997年 青森県 油もの(餅など)を持って土手を行く途中、急に眠くなってその場で居眠りしてしまい、目を覚ますと油ものはなくなっていた。きつねの仕業。
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カブソ 1994年 富山県 人が町に行って油あげなどを買ってくると、かぶそに取られるという噂があった。
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キツネ 1939年 岩手県 若者が狐にだまされている油売りの姿を見つけて見物していたが、油売りも狐もいつの間にか消え、自分たちの用意したご馳走もなくなっていた。
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ユドキノフシギ 1974年 ある農家の灯火用油壷に油が常に八分目ほど入っており、使っても減らない。五年もその様なことが続いている。
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ネズミ 1928年 大分県 鼠が油つぼに尻尾を入れて油をなめていたが、油がなくなると自分の尻尾を食べだした。尻尾がなくなったら足を食べ、足がなくなると胴を食べ、最後は頭まで食べてしまった。
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アブラボウ 1939年 滋賀県 油坊は、春の末から夏にかけて、夜に出現する怪火である。炎の中に僧形がよく見られるので、この名が付けられた。比叡山の僧侶で灯油料を盗んだものが、この火になったといわれている。
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(ミガワリジゾウ) 1976年 大阪府 安堂町壱丁目の油洒地蔵尊に祈願する者は、油を注ぐ。その由縁は、尊像を信仰していた娼妓が主に折檻され、体に沸かした油を注がれたところ、尊像が身代わりとなって娼妓の命を救ったことによるという。
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キツネ 1931年 長野県 菜種を持っていって油にしてもらった帰りに、狐に化かされた。堤の上で裸になり這っているところを注意されて正気に戻った。夜這いをしているつもりだったのだった。もう油は一滴も残っていなかった。
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アブラスマシ 1938年 熊本県 山道に出る怪物で油瓶を下げている。
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