シチマジムン,ジームン 1960年 沖縄県 シチマジムンという妖怪がいる。ジームンとも呼ぶ。形は大きな柱状で、地面からまっすぐ天にも届くばかりに立ち、それに押さえられたら死ぬと言われ、それを見たら、すぐ「ハチ、ハチ、ハチ」と唱えなければならない。シチマジムンの「シチ(七)」は「ハチ(八)」にはかなわないということかららしい。
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ムヌ,ムン,シチ,シキ,ヒキ,ヒチー,シチマジムン 1998年 沖縄県 ムヌは姿を見せない妖怪である。死霊の一種と考えられるが、正体は不明である。草刈の時や夜中にこのムンが乗り移ると夢遊病のような状態になる。シチ、シキ、ヒキと言われている妖怪もムンである。シチーはシチマジムンと同一か。
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クシ,モノマヨイ 1942年 沖縄県 物迷い(神隠し)した者は、一旦帰ってきて自分の櫛を持って出て行くと、再び帰宅しないと信じられている。そのため、家族は本人の櫛を隠して取られぬようにするが、締め切った部屋でも入ってきて、知らぬ間に取られる事がある。
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(ゾクシン) 1938年 沖縄県 死んだ人の髪を結うときに、櫛を渡すには、後ろ向きになって肩越しに投げてやるという。物迷い(神隠しのこと)した者は、一度帰ってきて自分の櫛を持ち再び出て行き、櫛を持って出ると二度と帰ってこないので、神隠しに遭った者の家族はすぐに櫛を隠すという。夜に櫛を縁先に置いておくと、外から悪い霊が来て櫛を取っていく、取られると災いがあるので、置いてはいけないという。
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(ゾクシン) 1942年 不明 櫛を投げて、それを取った者は、血縁者でも他人に変わると信じられていた。
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トリツキスジ 1979年 岐阜県 以前は、とりつき筋の人が他人に取り憑くといわれていた。赤ん坊が取り憑かれて死んだりした。取り憑かれた人は取り憑いた人と同じ身振り・動作をする。取り憑く人は別にその気はなく、ふとしたときに取り憑いている。その人が去ると憑き物も落ちるという。
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メグリフチノヌシ 1939年 奈良県 川原で櫛を探していると主が櫛に化けてその人を引き込んだ。
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ダイジャ 1942年 岩手県 法印の妻が出掛ける途中に、若い男に言い寄られ、帰りに言うことを聞くといって、櫛を渡して逃げた。帰り、男にあった場所で、大蛇が櫛をくわえて死んでいた。
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ユウレイ,ユーリー,ヤナムン,マジムン,シチ,(シチマジムン) 1972年 沖縄県 幽霊は4種類に分類出来る。ユーリー…人形・白衣・長髪。ヤナムン…子孫無く供養絶えた死者の霊・食物の初物を奪う。マジムン…種々変化して人を驚かす・マブイ(魂)を奪う・病気をもたらす。シチ・シチマジムン…雲や霧の如き不形・人々を連れだし迷わせる。それぞれ、様々な説話有り。
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ヒチマジムン,ヒキマジモノ,ヒチ 1934年 沖縄県 海の怪をヒチマジムン・ヒイマジモノと言い、単にヒチと言う土地もある。筵を持って夜道を歩くとヒチに連れられる。また、櫛を挿して行くとヒチにつれられるとも言った。
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ダイジャ 1942年 富山県 櫛田神社の神体は、女の櫛である。昔池に大蛇が出て、人を呑んだが、通りかかった女の櫛を恐れて出なくなった。そのため櫛を祀ったという。また、女を呑んだ時、櫛が喉にひっかかって死んだためであるともいう。
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キツネ 1987年 山形県 1955年ごろのこと。話者が狐に化かされ、光や音を見せられたり、朝早く狐が相撲を取るのを見せられたりしたという。
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ヒキフナダマ 1934年 山口県 夜中海面が白くなることをヒキ船玉(ひきふなだま)と言う。出会った時は、燃えさしを海に投げつけると逃げるという。ヒキはおそらくシキ神のシキのことであろう。
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カワウソ 1994年 富山県 田んぼの中で和尚さんと相撲を取るといいながら、稲と相撲を取っている人がいた。おそらくかわうそに騙されたのだろうと言われている。
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シキユウレイ 1972年 長崎県 シキ幽霊は海に出る妖怪である。海面にニガリがたまって、夕方になると光るのをシキ幽霊という。
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ヤマノカミ 1963年 群馬県 山の神は男だとも、女だとも言われる。一方、男女どちらでもなかろうという者もある。
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オイヌサマ 1991年 静岡県 お犬様は普段は姿を見せない。しかし人がお犬様のことを疑うと姿を見せるという。
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キツネ 1994年 富山県 祭に呼ばれた人がご馳走を持って帰ると、家についたら空っぽになっていた。おそらくきつねに取られたのだろう。
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ヤブサヤマ 1965年 鹿児島県 この山の竹などを取ると海がしける。また良くない人が山に入ると倒れると言われている。
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(ゾクシン) 1942年 不明 狩には女を連れて行くのを忌むが、櫛は持っていく。
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ユメ 1929年 石川県 ある婆が夢で黄金が穴の中にあるから取りに来いと言われた。翌日夫と取りに行くと、蛇しかいなかった。その夜、ふたりで来たからあげなかったと言われ、今夜馬に積んでくるからとれと告げられた。来た馬を捕まえようと尾をつかむと抜けてしまい、とれなかった。その黄金は山王の霊験により酒田の本間家の手に入った。
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