ヤマチチ 1978年 徳島県 山ちちは山から山へ飛んでくるくらい大きい。昔々、桶屋が仕事をしていると山ちちがやってきた。桶屋が竹を曲げるごとに竹の端が山ちちに当たる。それで山ちちは逃げてしまった。それから山ちちは桶屋を見るとどこまでも逃げたという。
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ヤマチチ 1943年 高知県 昔、大晦日の夜に馬曳きが山ちちに会った。馬に積んでいた人参や大根、砂糖、はては馬まで取られた。その後、山ちちが釜で寝ていたので、重石をして、下から火を焚いた。山ちちは助けてくれといったが、構わずに焚いた。何も言わなくなったので開けてみると、真黒に焦げて死んでいた。
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オクリスズメ 1987年 奈良県 夜雀というのがいた。夜に、ちっち、ちっちと鳴き、ついて来た。それが送り雀だということを聞いたことがある。
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アオニュウドウ,クモニュウドウ 2000年 ヌイは青入道になって来るクモを小さくして箱に入れた。開いてみるとクモであった。
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オサキ 1922年 東京都 おはちを叩くとオサキが来るという。
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チボチノイケ 1987年 長野県 佐久町余地の金剛山自成寺の北の山の中にあるちぼちの池は,どんなに日照りの年でも涸れることがない。ちぼちは禅宗で小僧の意味という。
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オクリスズメ 1939年 和歌山県 紀伊の山奥では、提灯の火に送り雀がついてくる。恐ろしい声ではなく、ち、ち、という小さい声である。正体を見たものはいない。
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オサキ 1915年 東京都 飯櫃(おはち)を叩くとをさきが来るといわれている。
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ササガニ,クモ 1980年 通常は鳴くことがない虫が鳴く時は、たくさん集まってくるという。ある人の軒でささがに(細蟹、クモの異称)が鳴いたところ、家中にクモが集まってきたという。
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イモ 1980年 大野宇右衛門という人の庭で、大きなクモが蜂に追われていたところ、クモは庭に生えていた芋の葉に隠れた。そこに蜂がやってきて、芋の葉越しに針を刺したところ、忽ち蜂は落ちて死んでしまった。クモは芋が蜂にとって毒になることを知っていたのだろう。
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オニ 1936年 広島県 長太という男が馬に車を引かせて米を買いにいった帰りに鬼に出会う。物語の最後で鬼は煮られながら「ばちばち鳥が鳴くそうな、はあ起きようかい」と歌ったという。
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イッチョメ,ヒトツメ 1934年 熊本県 昔、いツちヨ目がいて馬を引いていた男を食いにきた。天井裏へ逃げ込んだ男が小便をすると、いツちヨ目の頭にかかって驚いた。さらに男は屁をしたのでいツちヨ目はもっと驚いた。最後は男が小屋に火をかけていツちヨ目は焼け死んだ。
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(ゾクシン),ヘビ 1933年 栃木県 蛇を殺すと祟られるという。
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メドチ,カッパ 2001年 青森県 めどちは人の腹を借りる。女性がめどちの子を産むと、間もなくして親めどちがやって来て、子を攫って行くという。生まれた子を殺して捨てておくと、その死骸を持って行くという。
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コウジン 1943年 長野県 から火を焚くと、荒神さまのばちがあたる。
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ドチ,スッポン 1972年 岐阜県 松洞に住んでいた殿様が川のほとりを歩いていると、どち(スッポン)が足に噛みついた。殿様はこのドチを殺そうとしたが、思いとどまった。代わりにこんな事が二度と起きないようにとどちのあごを取ってしまったので、以来この地方のどちには片あごがない。
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カアパ 1961年 岩手県 最初になったきゅうりを川に流してごちてんのう(河童)にやる。ごちてんのうはきゅうりと蚕の蛹を好物とし、冬は氷の上で踊るという。きゅうりを背負って寝る途中にごちてんのうに縋られてきゅうりを投げ出して帰った人もいる。
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(フネニカンスルゾクシン) 1964年 福島県 「ぼく」と「ちみ」ということばを船では嫌う。「ぼく」は死んだ人のことで、「ちみ」は血忌みの忌みか、それぞれ1週間のけがれであるという。
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オクリスズメ,ヨスズメ 1938年 和歌山県 オクリスズメは夜の山道でちちちちと啼きながら後先を飛ぶ小鳥であるといわれているが、夜に飛ぶので鳥ではない。送雀が鳴くと送狼がついているしらせだといわれる。南宇和郡では、ヨスズメという一種の蛾がいるが、これは犬のさきぶれであるといわれている。
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クモ 1958年 香川県 塩売りが投げ渕のほとりで一休みしていると、木の枝から一匹のクモが下りてきて塩売りの足の親指に糸をかけはじめた。クモは糸を渕の底にもかけている様子である。塩売りは寝た振りをしながら親指にかけられた糸を木の切り株にかけなおしておいた。しばらくしてクモは渕の底へ下りていった。すると、木の切り株がものすごい音とともに渕の中へ引っ張り込まれていった。
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キツネ,(タタリ) 1986年 大分県 狐を殺すと祟られる。
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