コリ 1975年 東京都 東都日本橋の大場検校という鍼医が、一夕ある家に招かれ、病者を診察した。腹を撫でると毛の感触があり、驚いた検校が怪しみ、その顔に触れると獣の口があった。そこで初めて病者が人間ではないことに気づいたが、腹と喉に鍼を施して帰ってきた。狐狸が鍼術を知るために、検校を招いて病者を治させたのだろう。
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(イヌガミ) 1980年 四国地方では犬神という事がある。犬神が憑いている人に憎まれた者は、すぐに犬神が憑き、心身共に混乱して病気になったり、死んでしまったりするという。しかしこれは病者が犬神を常に恐れ、病気になると、常に犬神の仕業と思っているためであると、四国地方に住む医者はいう。
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ヤマノカミ,コバタ 1967年 福島県 安産のため山の神の小旗を借りてきて部屋にさげておく。社にいくとき男に会えば男が、女に会えば女が生まれるという。あとで旗を2つ作って返す。
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カミナリハタ 1980年 岐阜県 堂殿神社の祭りは雷や風で荒れることで有名だった。そのため、神社の祭りの旗が雷旗と呼ばれている。この旗を盗んで売ろうとした者がいたが、空が荒れてダメだったという。
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シゴノセイレイ,ミコ,ヒョウイ 1973年 韓国 着物の上から女の裸体を見ることができるという男がいたが、精神病者として入院したら能力を失った。また、あるみこは死んだ自分の子が部屋の中や木の上に飛び回るのを見たという。病者がウラナイに来たときは、その症状に合わせてみこの身体に変化がある。
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キツネツキ,タヌキツキ,(ゾクシン) 1933年 兵庫県 飾磨郡では、神経病者のことを狐付、狸付といって神仏に依頼してこれを除こうとする風がある。弓と刀を目前に出して脅す。
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アマゴイバタ 1942年 岐阜県 八幡神社に、雨乞旗という古い旗がある。貞享元年、大干魃になり、作物がほとんど枯れてしまって困ったとき、この旗を出して祭典を行うと、大雨が降り、実り多かった。それ以来、8月15日に祭典を行うことになった。旗は、社殿の外に出すと、大雷雨になるというので、雨乞いの時以外は、外に出さない。
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ツキモノ,ヘビガミ,イヌガミ,コウシンサン,イナリ,ヒダルガミ 1965年 宮崎県 憑きものの種類には、蛇神・犬神・庚申さん・稲荷・ヒダル神などがある。
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カンノンサン 1973年 鳥取県 話者が17歳のころ、中原集落の観音さんの上に伝染病者の隔離病棟があったが、ある家が火事になったときに火のついた藁束が病棟に飛んできて、類焼してしまった。観音さんよりも上にあったので、観音さんに嫌われて全焼したのだといわれた。
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ドクジン 1983年 岡山県 土公神は火の神、イロリの神、カマド神、作神、牛の神、家の守護神であり、一家の中心的な神である。大黒柱や炊事場の付近で祀っている。
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ノリワラ,ハヤマ 1949年 福島県 神が憑いてその神の言葉を伝える人のことをノリワラという。葉山を祀る所は葉山の神が出る。葉山以外の諸々の神を祀る所ではそれらの神も出る。その場合幾つかの神が次々と出現するが、ノリワラはそのたびに神を送り、迎える。出るはずの神が出ずに代理の神が出ることもある。稲荷の代わりに月山さまが出たり、その数年後に稲荷が出ることがあった。何かの神に代わって水神さまが出たが一年だけのことだった。そういう時は、今年は都合で出られないので他の誰かに代わってもらうのだと言う。
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イナリサマ,キツネ 1968年 佐賀県 各家の稲荷様は初午に祀る。稲荷様は作神様。赤木のある家の稲荷様は京都から来た。新調の着物に狐の毛が入っていたので、稲荷様は狐であるという。人は一生一度は稲荷様を目にするものだ、という。
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キツネ 1992年 京都府 明治40年ごろ本家から分家したとき、本家からついてきた狐を稲荷神として祭祀したのが屋敷神の始まりである。以前、火災の難を免れることができたのは屋敷神稲荷のおかげと今なお信じている。
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ヤシキガミ,イナリサマ 1982年 群馬県 家に悪い事が起こるのは、屋敷神(稲荷様)の祟り。
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ギライノカミ,テルコカミ,ネリヤカミ 1986年 沖縄県 「君祭り」では神女自身が神になって祭礼を執行する。テルコ神、ネリヤ神が神女に乗り移り、シャマニスティックな神遊びを展開することを指す。加計呂麻島のオモリの中には「テルコ神、ネリヤ神と相手になって遊ぼ」とある。
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イナリ 1964年 群馬県 石や木で作ったイナリ(稲荷)が家の神で、一家ごとに祀っている。
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タテイシイナリ 1922年 山口県 ある日立石稲荷に行くと、代人に立石神の奥方が乗り移り、息子の中国が酒色に耽り行方知れずになっていて、これを憂い盲目同然となった。汝は立石神とその弟石光に気に入られているので、何とか帰って来られるよう取り成しして欲しいといわれた。次に中国稲荷神が乗り移り、父より勘当を受け帰参できない。帰参出来るように父弟の信任している卿と名を交換して欲しいといわれた。次に代人に父神を下げさせて、母子の請願を取り次ぎ、名義の交換を相談した。取り成しは許容され、中国神は帰参出来ることになった。
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ホウキガミ 1959年 大分県 箒神は産の神であり、箒神がこなければお産ができないという。
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ジャシン 1918年 愛媛県 頭が猿、足が犬で尾が蛇である怪獣を切ったところ、各部分が別のところに着き、蛇神・猿神。犬神となった。その後狐つき等も入ってきた。蛇神の憑く家系があったが蛇の嫌いなものを撒くと、帰るといって離れていく。
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カマドガミ,ドコウジン,サイギョウシン,ジジン 1983年 岡山県 火所の神であるカマド神の「ドックウ」、もしくはそれに近い音を語幹に持つ名称は、この神を土公神の名称で祀っていたことに由来するものである。土公神は元来陰陽師の奉じる神であったされているが、この地域で言う土公神はカマドの神であり、それとは別のものとなっている。
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マリシテン,イナリ,ヤシキガミ 1983年 岡山県 成羽町では、摩利支天と稲荷とを屋敷神とすることが多い。屋敷神を祀る際の通例としては、東北に摩利支天、南西に金神か稲荷を祀る。
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