(ホトケオロシ),(シリョウ) 2000年 香川県 民間の口寄せ巫女が依頼者の求めに応じて死者の霊を呼び出し、その心境を死者に代わって口語ることを仏おろしという。拝む人はホウニンサンとか御祈祷師と呼ぶ。御幣をぶら下げて家の中を浄め、位牌には御幣をつけたサカキを立てる。錫杖のようなものを振って拝むと、「水が欲しい」という。言い終わると、がっくりと肩を落としてまた拝む。
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トイギキ,ホトケオロシ,ホトケダシ,ホトケノヨビダシ 1984年 新潟県 霊媒のところへ行っていって霊を降ろし、口寄せをしてもらったり、いろいろなことを尋ねることを一般にトイギキというが、特に前者の場合をホトケオロシ・ホトケダシ・「ホトケの呼び出し」などという。
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クチヨセ 1977年 死んだ親や友だちを巫に口寄せの技を頼み、水を供えたりする。するとその人の亡き魂が巫にかかって、いろいろな事を口ばしる。この技を生業とする者を昔は梓御子と言った。『職人尽歌合』にもある。これは昔から女であって、男はしない。『栄花物語』にもある。
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(シシャノレイ) 1981年 栃木県 口寄せのばあさんが来ることがあり、わけのわからないことを拝んで、死んだ人の霊を呼び出していたという。
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ホトケオロシ 1984年 新潟県 霊媒のところへ行っていって霊を降ろし、口寄せをしてもらう、ホトケオロシは、葬儀に関連しては、主に呪いがかかって死んだような場合に行く。
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クチヨセ 1977年 神奈川県 百か日には、口寄せに死んだ人の霊を招いてもらい、死者と話をする。
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ミコヨセ,クチヨセ 1972年 長崎県 形上に老婆のモノシリがいて、巫女寄せをした。病気になると死霊にさわったのではないかといって見てもらった。死者の言葉をそのままに、死後の世界を語った。どこで死んでいるのか分からないので見てもらうと、掘れといわれた場所に死体があったこともある。
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イチコ 1977年 神奈川県 昔は、死者の言葉を聴くためにイチコに口寄せしてもらった。イチコが拝み鈴を鳴らすと、その中に死者の気持ちが移り、話が出来るようになるのだという。
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ミサキ,ミサキギリ 1983年 岡山県 不慮の死者に限らず、死者全てに対してミサキを離すためにミサキギリをする。死後直ぐにはミサキは離れないので、1~3ヶ月ほど経過してから行う。死人には必ずミサキが憑いているので、供え物をしても死者の口に入らなかったり、また良い仏になれなかったりするのだといわれた。
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ミサキ,ミサキギリ 1983年 岡山県 不慮の死者に限らず、死者全てに対してミサキを離すためにミサキギリをする。死後直ぐにはミサキは離れないので、1~3ヶ月ほど経過してから行う。死人には必ずミサキが憑いているので、供え物をしても死者の口に入らなかったり、また良い仏になれなかったりするのだといわれた。
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(ゾクシン) 1982年 新潟県 家人が死んだ後、身に近い人が「口よせ」をする。アガタ、マンチ、ワカドノといった巫女から仏をおろしてもらって死後の様子や息のある中にいいたかったこと、気にかけていたことを聞いてもらう。
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(シノヨチョウ) 1935年 鹿児島県 死んだ人がブンブン糸クリバタの音で色々なことを知らせるのをモノシラセという。おさをガンガン叩く、または障子を開けて入る音をさせる事もある。易者をトキやモノシリといい、音を解いてもらい、死者の言いたいことを知る。
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シニン,レイ 1968年 岡山県 この地方では死人の魂が大山に行くと信じられている。死人の話が聞きたければ大山寺に泊まり仏間の隣の部屋で寝ると深夜話をするのが聞こえてくると言う。某家では墓に持っていった杖から芽が出たので祈祷してもらうと、生きていたまま埋められていたからで、死人が丑の国大山へ来てくれれば話がしたいと言っているといわれ、大山寺に詣でると「重い石をのせられ帰りたくても帰れなかった」と声が聞こえたと言う。
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ネコ 1969年 秋田県 人が死ぬと魂が抜けるので、呼び返すときには死体の近くに金物を置いて呼び返す。金物を置くと猫が近寄らないので、猫の魂が入らないようにするため。
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マヨケ,(ゾクシン) 1975年 愛媛県 死者を北枕に直し、上に刃物を置いて魔よけにするという。これをマキリという。
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クセジ,トシヤマ,トシバタケ 1991年 静岡県 クセジ,トシヤマ,トシバタケは人が死んで魂が残った場所。手をつけると祟るといわれ、禰宜さんにちゃんと祈祷してもらわなくてはならない。
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カラス,タマシイヨビ 1983年 高知県 葬制。カラスが鳴くと死の予兆である。枕元で名前を呼んだり、竹の筒に米を入れてふってきかせたりして魂呼びをおこなう。
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タマシイ 1965年 宮崎県 山で人が急死した時には、「もう帰るぞ」と断って遺体を運ばないと、山に魂が残ってしまう。そうしたら、シキビをもって山に行き、魂をシキビに乗せて持ち帰らなくてはならない。
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ヨセミコ 1975年 愛知県 寄せ巫女がおり、病気や行方不明の時は見てもらった。寄せ巫女は水を小さい机の上に汲んでおき、死者のことを聞くときは枯れ葉を、生者のことを聞くときは青い葉を、その水につけて巫女にふりかける。すると、巫女は答えてくれるという。
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コックリサン,キツネ 1968年 群馬県 昔はコックリさん呼びをした。コックリサンとは白狐のこと。乗り移らせて尋ね人や失せ物探しをした。榛名町の御嶽行者のオガミサさんを呼び、占ってもらう人とオガミヤさんと輪になって座り、庭に面した戸を開けておく。輪の真ん中に50音を書いて神棚に上げて拝んだ半紙を敷き、その上に箸を結わえて作った三脚をおく。拝んでいると誰かにコックリさんが乗り移り、三脚の箸で字を指すので、それを呼んで判ずる。
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