(ムスメトハシラ) 1943年 秋田県 昔大工が寺を造った。ところが柱を短く切ってしまった。大工の娘がその過ちを指摘したが、大工はそれが漏れることを恐れて娘を殺した。以後大工が建てた家は娘の霊に潰される為、大工は娘の霊を祀った。
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ワラニンギョウ,ダイク 1932年 岡山県 ある大工が1人でお宮を建てていた。不思議なほど作業がはかどるので、ある夜覗いてみた所、その大工と寸分違わぬ大工が30~50人も働いていた。眼の所にほくろがあるのが本当の大工だという。お宮が出来上がると外の大勢の大工は谷間へ落ちて死に、そこには沢山の藁人形が重なっていたという。
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メシクワヌニョウボウ,バケモノ 1941年 秋田県 男のところへ「飯食わぬ女房」が来るが、その正体が化物であると気付き、家の周りに菖蒲と蓬を挿した。女は蓬に触れて死んだ。
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クモ,ヤマンバ 1952年 島根県 大工のところに綺麗な女が来る。女房にしたが何日経っても食事をしない。こっそり見ると、頭の中に握り飯を放り込んで食べていた。離縁を告げると別れの風呂に入れと言う。そして風呂桶に閉じ込めて山へ運ぶ。大工は逃げ出して待ち伏せし、追ってきた山姥を焼き殺した。
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タヌキ 1957年 徳島県 麻植郡中枝村別枝に残る伝説によると、昔、大工が、夕方の仕事帰りに山道を歩いていると、とてもきれいな娘が立っていた。大工が近づくと、娘は歩けないので手を貸してほしいと言った。大工は快く手を貸して、しばらく歩いたが、やがて握った手が全く動かなくなった。よく見ると、大工は木の枝を握っていた。
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アシゲヅカ 1935年 東京都 塚の霊が大工に乗り移った。
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ヤマンバ 1965年 岩手県 けちな男が飯を食わない女を女房にしたくて、口のない女房をもらった。飯が減るので不思議に思って隠れて見ていると、女房は髪を掻き分けて頭の口に飯を入れていた。頭に口のある山婆だった。山婆は男を追いかけてきたが、男が蓬と菖蒲に隠れたので、見つけられなかった。以来、五月には菖蒲と蓬で屋根を葺く。
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ヘビ 1959年 福井県 700年ほど昔、海山の寺を建てるときに、大工と女中とが懇ろになり、子ができた。女はお産の後を見てくれるなと言ったのに大工が覗くと、女は大蛇で、大工は逃げた。女は大工の朋輩に子供を託し、自分の両眼球を乳代わりに与えた。寺大工と一緒になって成仏しようと思ったが叶わなかった。しかし自分の前世の罪が滅びたとき、寺の椎の木に実がつくので、見届けて欲しい、と言い残した。その椎の木は花は咲いても実がならなかったが、昭和30年ごろ実がついた。蛇女が成仏したのだろう。
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サンリンボウ 1959年 鳥取県 ある大工が家を建てる時、1本の柱を短く切りすぎてしまった。妻の助言で事なきをえたが、大工はそれを恥じて妻を殺してしまう。それからは家を建てても必ず倒れてしまう。妻の祟りと知った大工は1月に数日、家を建てない日を作った。これが三隣亡の起りである。
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ギョウキ 1937年 奈良県 奈良の大仏の普請のとき、行基が大工たちに寄付を申し出たらいじめられたので、仕方なく、数珠の力で大工たちをこらしめた。すると大工や手伝いがさっちょこになってしまった。大工たちは行基を呼び戻し、治してもらい、石を寄付してくださいと頼んだ。そこで行基は、六甲山の良い石を奈良まで飛ばした。
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ハブ 1943年 鹿児島県 波布は山の神の使いで、神事やアソビ日、斎いを怠ると必ず顕れるという。ある大工が正月二日の大工斎いを怠ったところ、大工道具の上に二匹の波布がとぐろを巻いていたという。
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キツネ 1977年 東京都 夜、江戸の護持院の原を大工が通っていると、女の骸を借り遊女と化した狐が言い寄ってきたので恐ろしくなり逃げ帰った。その後大工は結婚して独立し、裕福になった。しかし狐は妻となった女にのり移っていた。離縁しようとしたら正体を現し、責められた大工は狂死した。
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ダイクノニョウボウ 1988年 埼玉県 門の柱を短く切ってしまった大工が、女房の助言を得てその通りにしたが、口止めのために女房を殺してしまった。しかし夜になると鬼門から女性が出てくる夢を見るようになった。それから大工は鬼門の方角に矢を向け、女性に似せた姿を角材で作るようになった。
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カミサマ,ウンサダメ 1967年 新潟県 昔、大工がお宮に泊まっていると、夜中頃、村で生まれた娘は泊まっている大工と結婚すると神々が話しているのを聞いた。結婚が遅くなるのを嫌って大工が娘を殺そうとしたが果たせなかった。結局20年後にその娘と結婚した。
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フイグチ 1977年 鹿児島県 Aに家を建てる仕事をとられたことをねたんだ大工Bは盃にクチを入れてAに飲ませた。するとAは腹痛におそわれた。物知りに聞くとモドシグチをしなければ直らないと言われた。大工グチが入ったのである。
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(トブナマクビ) 1939年 新潟県 昔、ある城主が城を築く大工を募集した時、妻の勧めで怠け者の大工が応募した。大工は妻の知恵で試験に合格し、城を作ることになったが、大黒柱を切り違えた。これも妻の知恵で乗り切ったが、大工はその秘密を知る妻を口封じのため殺した。妻の首は北へ向かって飛び去り、早晩立ち返って城を崩し、雷のように叫んで影を失ったという。この祟りを恐れて、弓矢を北方へ向けて供えるという。
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キツネ,タヌキ 1999年 福岡県 ある百姓の女房のもとに、狐か狸のような獣が男に化けて通い、女房は妊娠した。女房は出産したが、その後女房は死んでしまった。化物ではなく、ある男だったという風説もあった。
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セイクノカミ,ダイクノカミ,クチイレ 1977年 鹿児島県 大工の落としたバンジョウガネを拾って自分の物にするとセイクノ神(大工の神)の祟りがある。大工は神高い人でクチイレをする。バンジョウガネを持っている人のクチアカシは相手の生命を奪うほど強いが、バンジョウガネをなくすと末代まで祟られる。
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ホタケサマ 1965年 長崎県 ホタケ様に関しては次の話が伝わっている。昔有名な大工が柱を短く切りすぎて困っていると、女房のオタケが一升桝を頭に載せた。それを見て桝型の手法を思いついたのだが、女房に教えられたことが周りに知られるのを恥として女房を殺した。
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オニ 1963年 徳島県 昔ある所に仲の良い夫婦がいたが、女房が魚と大量の飯を食うので怪しんだ夫が、隣に住む神主に偵察させると、女房の正体は頭の割れる鬼であった。正体を知られた鬼は男達を食い殺そうと追いかけたが、生えていた蓬と菖蒲で殴られると倒れてしまった。
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ショウトクタイシゾウ 1996年 神奈川県 長興山にあった聖徳太子像は、どうしてもそこに置いてはいけないということで、大工さんにお告げがあり、もらい受けた。
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