■研究活動 共同研究 2019年度

「日本型」教育文化を問い直す―新たな人間形成論をめざして

領域 基幹共同研究

 近代の公教育制度が生まれてから約2世紀あまり、世界史的に見れば日本に公教育制度ができたのは比較的早い。近代学校が生まれる以前の江戸時代から、すでに一部の階層のためとはいえ教育制度があり、庶民の間でも組織的な教育もなされており、近代学校はそうした近代以前からの教育文化に支えられてきた。議会や軍隊と同様に学校は近代に普遍的な制度だが、その具体的なあり様は文化によって大きな違いがあり、能力観や学習観もそうした教育文化によって異なっている。しかし、経済のグローバリゼーションは、PISAテストに見られるように、欧米の教育文化に基づいた能力観・学習観を普遍的なものとして基準に据え、人材調達を容易にするように世界の教育を作り直そうとしている。本研究の目的は、欧米の教育文化の普遍主義を批判的に解読しつつ、日本の教育文化を特異な優れたものとするような特殊主義を解体し普遍性へと開く、教育文化モデル論の構築にある。
(以下の研究組織は2019年8月6日時点のものです)

研究代表者 稲垣 恭子 国際日本文化研究センター・客員教授 / 京都大学大学院教育学研究科・研究科長
瀧井 一博 国際日本文化研究センター・教授
共同研究員 矢野 智司 京都大学 大学院教育学研究科・教授
齊藤 智 京都大学 大学院教育学研究科・教授
竹内 里欧 京都大学 大学院教育学研究科・准教授
RAPPLEYE, Jeremy 京都大学 大学院教育学研究科・准教授
安藤 幸 京都大学 大学院教育学研究科・講師
井上 義和 帝京大学 学習・研究支援センター・准教授
椎名 健人 京都大学 大学院教育学研究科・助教
吉江 弘和    創価大学・講師
根川 幸男 国際日本文化研究センター・機関研究員
西田 彰一 国際日本文化研究センター・技術補佐員
海外共同研究員 Joseph Tobin ジョージア大学・教授