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怪異・妖怪画像データベースに関して、お尋ねの多い質問と回答(FAQ)をまとめました。
それぞれの質問をクリックしていただくと答えのページにとびます。

データベース一般について

検索方法について

Q.1

Q.2

Q.3

Q.4

Q.5

怪異・妖怪画像データベースって何ですか?

どのような絵画資料を収録しているのですか?

このデータベースの意義は何ですか?

日本語以外の説明はありませんか?

トップページの妖怪について知りたいのですが。

Q.6

Q.7

Q.8

Q.9

Q.10

Q.11

どうやったら検索できますか?

妖怪の名前が思いつかないから検索できません!

妖怪△△が見つからないのですが?

あの有名な妖怪画は収録していないの?

検索結果が多すぎて困ります。

妖怪の説明が少なすぎませんか?

   

妖怪について

画像の利用について

Q.12

Q.13

Q.14

妖怪の種類はどのくらいあるのですか?

妖怪画像にはどのようなものが多いのですか?

日本人にとって「妖怪」とは何ですか?

Q.15

データベースの画像をいろいろ活用したいのですが。

データベース一般について

   

Q.1

怪異・妖怪画像データベースって何ですか?

A.1

「怪異・妖怪画像データベース(以下、本DB)」は絵画資料から妖怪画を検索するためのデータベースです。民間で語られた怪異・妖怪に関する伝承を集積した「怪異・妖怪伝承データベース」を補完するものとして、国際日本文化研究センター(以下、当センター)が制作し、2010年6月に公開しました。

   

Q.2

どのような絵画資料を収録しているのですか?

A.2

当センターが所蔵している、近世・近代の絵画資料と、国内外の大学・博物館・美術館等の所蔵する絵画資料より、公開許可を得られたものを収録しています。

『百鬼夜行絵巻』などの室町期~江戸期の絵巻物、江戸期の浮世絵・錦絵、『画図百鬼夜行』などの江戸期の妖怪図鑑などに限らず、江戸期の双六・めんこなど子ども用の「おもちゃ絵」、明治初期の外国人向けの「ちりめん本」、明治期に作成された画本なども広く収録しています。また妖怪画像の比較研究のため、妖怪とはいいがたい、擬人化されて描かれた動物や器物も事例として収録しています。

資料については所有権、現代の資料については著作権上の諸問題があるため、
  ① 当センター図書館が所蔵しており、著作権の失効が確認されている
  ② 国内外の大学・博物館・美術館等の所蔵で、著作権の失効が確認されているもののうち、所蔵機関の公開許可を得ている
絵画資料のみを採録しています。すべて当館所蔵資料のデジタル撮影画像に拠っており、他の図書や図録等からの採録はいたしておりません。

収録資料の一覧は、「データベース概要」で確認できます。

   

Q.3

このデータベースの意義は何ですか?

A.3

本DBは、妖怪画像の比較研究に資する、初めての本格的な研究基礎資料データベースとなります。

まずは、実見が難しい一次資料を確認できるとことを、大きなメリットと考えています。

のみならず、前回の怪異・妖怪伝承DBが計量的な妖怪研究を可能にしたように、ここから新たな怪異・妖怪文化研究が立ち上がるものと考えています。

一例を挙げれば、同一の主題の絵巻(たとえば『百鬼夜行絵巻』)においても、異本によっては妖怪の容貌が異なる描かれ方をしていることがあります。そうした図像の比較から、絵巻の特色や、書写関係の推定といった研究が可能になると思われます。

また、同じ名前で別の姿を持つ妖怪、同じ姿で別の名前を持つ妖怪、等の図像を比較することも容易です。さらにこれまではなされてこなかった、妖怪の持ち物や衣服、着色などへ注目した造形論を論じることができると思われます。そして日本の画像文化の中で妖怪を、広く擬人化の一方法としての捉えなおすことも可能となるでしょう。

本DBは、広く日本文化史研究に貢献できる基礎資料であると考えています。

研究以外の分野では、日本の怪異・妖怪文化を知るためのビジュアル資料として、教材としての利用していただくことや、マスコットキャラクターやイメージキャラクター、マンガ創作などのヒントを得る資料として、文化の創造に寄与することなどを想定しております。

   

Q.4

日本語以外の説明はありませんか?

A.4

現在のところ、日本語以外の説明文は用意できておりません。海外からの検索利用の便も考慮し、今後の拡充課題としております。

   

Q.5

トップページの妖怪について知りたいのですが。

A.5

中央の赤い大きい妖怪:

オドロシ

  (化物尽絵巻)

左上の頭の長い男の妖怪:

ヌラリヒョン

  (暁斎百鬼画談)

右上の一つ目の妖怪:

山男

  (怪物画本)
下側左より

 

火を吹く多頭の龍:

ヤマタノオロチ

 

(Le serpent à huit têtes、ちりめん本)

和室の狸:

茂林寺の文福茶釜

 

(真景三十六怪撰)

朱色の妖怪と鍋をかぶったような妖怪のコンビ:

 

主題:経巻;キョウカン,嘴;クチバシ

  百鬼夜行の一員で特に名前はありません(滑稽倭日史記)

大きな顔の一つ目男:

一つ目入道

 

(暁斎百鬼画談)

貝をかぶった女の子:

主題:稚児;チゴ,貝;カイ

 

百鬼夜行の一員で特に名前はありません(百鬼ノ図)

塀越しに笑う大女:

笑女;わらいめ

 

(怪物画本)

仮面を担いだ朱色の妖怪:

主題:仮面;カメン

 

百鬼夜行の一員で特に名前はありません (滑稽倭日史記)
   

画像と資料のバリエーションを知っていただくため、さまざまなジャンルの絵画から選定しました。詳細はぜひ検索してお確かめください。

検索方法について

   

Q.6

どうやったら検索できますか?

A.6

入力されたデータのすべてから任意の言葉を検索する「全文検索」と、あらかじめ指定された言葉から選んで検索する「特徴検索」・「名前検索」の2つの検索方法があります。

〈全文検索〉
検索ページの全文検索バーに、調べたい言葉をひらがな・全角カタカナ・漢字で入力して、検索ボタンをクリックしてください。すべてのテキストデータ(タイトル・著作者・主題・内容記述・公開者・寄与者・資源タイプ・時間的空間的範囲)のなかから、その言葉を含む図像データの一覧を表示します。
タイトル・主題については、ひらがなとカタカナを区別せずに検索します。
複数の言葉をスペースで句切って入力して検索すると、AND検索を行います。

〈特徴・名前検索〉
検索ページの「妖怪の特徴から探す」「妖怪の名前から探す」にあるキーワードをクリックすると、該当するデータの一覧が表示されます。

   

Q.7

妖怪の名前が思いつかないから検索できません!

A.7

まずみなさまに知っていただきたいのは、本DBは「妖怪を名前で検索するDBではない」ということです。書店に並んでいる「妖怪事典」の多くは、妖怪の名称と、その名称に対応する画像がセットで掲載されています。現在の私たちは妖怪を、そうした名称と画像の両方を備えた存在としてイメージしてしまいます。

しかし本来妖怪は民間伝承において名づけられ、その出現や行動が語られる存在であって、画像化された姿かたちはありませんでした。

一方で『百鬼夜行絵巻』などの近世以前の妖怪画には、妖怪たちの姿かたちだけが描かれ、それがどのような名称のいかなる妖怪なのかは説明されていませんでした。

そうした「民間伝承で語られる名称と行動」と「絵画に表された画像」とを結びつけたのが、鳥山石燕に代表される江戸の妖怪絵師たちです。それらの画像が昭和になってからマンガや児童図書の妖怪図鑑などで広く知られるようになり、妖怪はすべて名前と画像を持つものなのだと認識されるようになったといえます。

つまり、もともと「妖怪の名前と画像がセットで存在する」のはごくまれなことであり、ほとんどの妖怪画像は、姿かたちだけで提示された名無しの画像として存在しているのです。

本DBは、そうした「名称のない妖怪の画像を、その特徴によって検索するDB」といえます。

たとえば「三つ目の妖怪」や「お歯黒をした妖怪」などを調べるのに、今まではさまざまな資料や絵巻を一つ一つ確認していく手間がかかりました。本DBを用いて「三つ目」や「お歯黒」といった語で検索することで、簡単に画像を探し出し、比較することができます。また「踊っている妖怪」「青い肌の妖怪」「杖を持った妖怪」など、動作や色、持ち物から妖怪を探し出すことも可能です。

しかし、本DB公開後半年の間に、多くの方から「簡単に妖怪の画像を閲覧したい」というご要望が寄せられました。そこでこのたび、妖怪文化のいっそうの理解と浸透のために、広く名を知られた妖怪や、妖怪の画像に多く存在する特徴を、あらかじめ指定されたキーワードから選んで検索する「特徴検索」・「名前検索」の2つの検索方法を追加いたしました。

検索ページの「妖怪の特徴から探す」「妖怪の名前から探す」にあるキーワードをクリックすることで、妖怪画像データを簡単に探すことができます。

   

Q.8

妖怪△△が見つからないのですが?

A.8

これには2つの原因が考えられます。
  A.妖怪△△の画像が本DBに未収録である。
  B.妖怪△△は、近世以前に画像化されたことのない、もしくは創作された妖怪である。

→A.妖怪△△の画像が本DBに未収録である場合

本DBにおいては、現在のところ
  ① 当センター図書館が所蔵しており、著作権の失効が確認されている
  ② 国内外の大学・博物館・美術館等の所蔵で、著作権の失効が確認されているもののうち、所蔵機関の公開許可を得ている
資料のみを収録しています。残念ながら非常に有名な妖怪画像でありながら当センターや協力機関に所蔵がなく、収録できなかった資料があります。今後、当センターの新収蔵資料や、人間文化研究機構の他機関所蔵資料などを加えて、拡充していきたいと考えています。

 

→B.妖怪△△は、近世以前に画像化されたことのない、もしくは創作された妖怪である場合

お探しになった妖怪△△が、現代のマンガやアニメにおいて初めて画像化された、もしくは創造された妖怪である場合が考えられます。

本DBは室町期~江戸期の絵巻物、江戸期の浮世絵・錦絵、妖怪画、子ども向けの「おもちゃ絵」、明治期のちりめん本、画本など、近世・近代につくられた画像資料を対象としているため、近代以降に初めて画像化された妖怪は検索で探し出せない場合があります。水木しげる氏が『ゲゲゲの鬼太郎』で描いた子泣き爺・砂かけ婆・一反もめん・油すましなどがその例です。

また、その妖怪が現代のクリエイターに創作された、まったくの新顔ということもありえます。こちらの例は『ゲゲゲの鬼太郎』のねずみ男などがあてはまります。

現代のマンガ・アニメ等に登場する妖怪の画像につきましては、著作権の関係もあり、採録の見通しは立っておりません。

   

Q.9

あの有名な妖怪画は収録していないの?

A.9

本DBにおいては現在のところ、
  ① 当センター図書館が所蔵しており、著作権の失効が確認されている
  ② 国内外の大学・博物館・美術館等の所蔵で、著作権の失効が確認されているもののうち、所蔵機関の公開許可を得ている
資料のみを収録しています。残念ながら非常に有名な妖怪画像でありながら当センターに所蔵がなく、収録できなかった資料があります。今後、当センターの新収蔵資料や、人間文化研究機構の他機関所蔵資料などを加えて、拡充していきたいと考えています。

また現代のマンガ・アニメ等に登場する妖怪の画像につきましては、著作権の関係もあり、収録の見通しは立っておりません。

   

Q.10

検索結果が多すぎて困ります。

A.10

全文検索で「鬼」などの検索語を用いて検索すると、資料名の『百鬼夜行絵巻』の「鬼」を検索してしまい、多くの資料が表示されてしまいます。その場合、他のキーワードをスペースで区切って入力しAND検索していただくか、〈特徴・名前検索〉をご利用ください。

   

Q.11

妖怪の説明が少なすぎませんか?

A.11

本DBで妖怪の図像に付記した情報は、あくまで「その図像から読み取れる情報」のみに限定しています。その妖怪が民間伝承の中でいかに語られているかや、他の絵巻等にどのように収録されているか等の情報は、その図像から読み取れる情報ではないため、説明には盛り込まないようにしています。

本DBは一般的な妖怪図鑑ではなく、あくまで画像のDBであることにご留意ください。

妖怪について

   

Q.12

妖怪の種類はどのくらいあるのですか?

A.12

妖怪の種類を定めることはとても難しいです。河童や天狗など、一定の共通理解が存在している妖怪の「種類」だけでも、数百種類はあると思われます。

器物の化け物など、道具の種類ごとに千差万別の妖怪がいますし、『化物婚礼絵巻』などに現れる化物たちは、各々同種族のようでもあり、別種族のようでもありますので、何種類と定めることは難しいです。

妖怪画像の場合、絵師のイマジネーションの数だけの妖怪が存在するといっていいでしょう。

   

Q.13

妖怪画像にはどのようなものが多いのですか?

A.13

百鬼夜行絵巻などに登場する妖怪は、河童や雪女などのいわゆる「妖怪」的な存在よりも、動植物や器物などが「変化」した「化け物」が多く描かれています。動物や器物を擬人化した妖怪が、絵師の豊かな想像力によって生み出されたといえます。

本DB登録数の多い妖怪としては、器物の変化や、鬼のような姿の妖怪、狐や猫がいます。こうした傾向は、DBの元となった資料の偏りに負うところも多く、日本の妖怪文化全体の特徴とは言い切れないことにご留意ください。

   

Q.14

日本人にとって「妖怪」とは何ですか?

A.14

怪異・妖怪文化は、いつの時代にもどの場所にも存在しつつも、日のあたる場所には登場してこなかった、日本文化における闇の部分と思われます。妖怪を理解するとは、すなわち妖怪を作り出す人間を理解することです。日本人にとって妖怪とは、もう一つの自分自身、自分自身の鏡像だといえるでしょう。

画像の利用について

   

Q.15

データベースの画像をいろいろ活用したいのですが。

A.15

本データベースの画像を印刷物・テレビ放送・ウェブサイト等に利用する場合は、こちらのページをご参照ください。

国際日本文化研究センター データベースの案内