キツネ 1937年 福井県 ある武家で、不都合を起こした為に切腹が命じられた。切腹を命じにやって来た役人は、狐が化けていたので、犬がほえると正体をあらわして逃げた。別の家は稲荷さんの申し子だと言われていた。この2つの家は両方とも断絶した。
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バケモノ(ゾクシン) 1925年 大分県 手首を逆さにして撫でてみて、もしも毛が生えてざらざらしていたら、化物である。
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ケマツリ 1964年 福島県 獲物があると、1匹に1度毛祭りをする。第1に耳と耳の間のえり首の毛、第2に左の耳先の毛、第3に右の耳先の毛、第4に左手先の毛、第5に右の手先の毛、第6に左の足先の毛、第7に右の足先の毛の、7箇所の毛を切って木のまたなどにあげ、日光権現様に祈る。猿丸猟師の子孫であると申し述べると、神様がよく守護してくださるという。
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セコ 1986年 大分県 セコの大きさは三つ子ほどで,体には毛が生えている。
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ムクイ 1974年 東京都 江戸である親と息子2人が切腹と斬首に処された。父親が言うには、昔自分は商い聖を殺して金を奪った。後に妻をむかえ子をもうけたが、生まれた子供は殺した聖そっくりだったという。やがて子が成長するとその子の不作法の為切腹を命じられた。
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ヤギョウサン 1938年 徳島県 節分の晩には、ヤギョウサンという鬼が来る。これは一つ目で髭の生えた鬼だという。お菜のことをいっていると、毛の生えた手を出すともいう。
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ネコ 1976年 熊本県 イエイヨホウインというお坊さんが謀反の疑いで切腹させられたが、無実であった。その妾のひとりがそのことを恨みに思って、猫に「仇はとっておくれ」と願いを込めて、その猫を道連れに自殺した。以後、切腹を命じた相良侯の家では不思議なことが起きたので猫寺を建てた。
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キツネ 1992年 宮崎県 清武町の乳岩さまの下の道にはよく狐が出た。あるとき老人が歩いていると、向こうからきれいな女が来る。手に毛が生えていたら狐の化けたものなので確かめようと握手を申し出たが、応じない。やはり狐だと思って歩いていたが、いつまでたっても我が家に着かない。夜が明けてみると陸の頂上にいた。やはりだまされていた。
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ケ 1980年 東京都 宝永の末に富士山が噴火した後、江戸の土に黒くて短い毛が生えた。
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コヌカムシ 1972年 長崎県 実盛は白髪だったが髪を染めていた。ある人が実盛かどうかを確かめるために田の水口に頭を持っていった。その際に足を使って乱暴に確かめたので、それを非常に残念がった実盛はこぬか虫になって出てきたという。
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(サルニナッタコ) 1974年 栃木県 下野国足尾宿の子が、5歳の時に行方不明になってしまった。10日ばかり後に庚申山という山に登ると、岩の上で多くの猿が遊んでいた。そのなかに子がいて、親が名を呼ぶとこちらにやってきた。見ると身体に毛が生えて猿になっていたという。
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ガラッパ,カワウソ 1984年 鹿児島県 投網にかかっていたガラッパを逃がすと、ヨチヨチと山の方へ後足で立って逃げていった。ヌルヌルとした毛が生えていたようだった。
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ダイコクサマ,エビスサマノカタチヲシタサルノコシカケ 1938年 島根県 150年ほど前、ある家の大黒柱に「猿の腰掛け」が生えたので切って捨てた。その後また生えてきたが、見ると蛭子様の形をしている。驚いて前に捨てたのを確かめると大黒様の形であった。家を建てるとき封じたものが現れたのだ。その後まもなく、その家は没落した。
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ヤマイヌ,タカツダイゴンゲン 1943年 長野県 馬を野飼いにしていると、荒々しい山犬が現れ馬を食い殺したので、「高津大権現」と唱えた後腰に持っていた鎌で山犬切腹した。その鎌を清めた後、奉納した。
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サカナ 1974年 福島県 出羽国の柳津にある虚空蔵の池に多くの魚がいた。それを蒲生下野守が見て毒を入れて殺させた。ここは古くから殺生禁断の地だったので周囲は諫めたが聞かなかった。するとその日から14日間にわたって大地震がとまらず、山は崩れて洞になり、河は埋もれて陸となり、あらゆる建物は倒壊して多くの人々が死んだ。ほどなく蒲生下野殿家は滅びたという。
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ケンムン 1995年 鹿児島県 大きなガジュマルのホコラの中に人間の毛ではないいろいろの毛が入っていた。ケンムンの毛かケンムンが持ってきたものであるかはわからない。ケンムンに木を担がせて自分は楽をするという話もある。
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ガラッパ,ガラッパドン 1982年 鹿児島県 投網にかかったガラッパハ、ヨチヨチ歩きと後足で立って山のほうへ逃げた。ヌルヌルした毛が生えていたそうだった。
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ニイギョ 1956年 海の底にいて、三歳くらいの童子の形をし、毛の生えた蓑を着たような格好をしている。漁師は舟から海に潜るときには、舷を叩いてから入るものとされていた。
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シンモウ 1928年 徳島県 彌都波能売神社には神毛にまつわる信仰がある。この神毛は一筋の長い毛であり、普段は麻桶の中に安置してある。神慮の穏かでないときは、その毛が二岐に分かれで伸び、桶を押し上げて外に出るほどになるという。神意が和むと元に戻るのだと里の人たちは語っている。
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クダン 1955年 岡山県 子供の頃、草間村に生れたクダンを見に行った。ぶよぶよした赤い膚にちらちら毛が生えていたことだけが印象に残っているという。
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タヌキ 1985年 高知県 若い女が白い布を頭に載せて山越えをしている。これは魔がつくのを防ぐためといっていたが、その人を狸と思って切りつけた。朝になると毛が生えてきて狸になった。
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