ケンムン 1977年 鹿児島県 ケンムンは3本足であり、絹のような赤毛に覆われている。ドスコの木は初めにケンムンがついた木なので切ってはならない。その後、アコウの木に変わった。今でもアコウの木に釘を打つのは、昔、アコウの木を抱いて掌に釘を打たれた人がケンムンになったからである。
類似事例 |
|
ケンムン 1977年 鹿児島県 ギモリフッシュ(儀盛翁)はケンムンを袋に入れてクシバマにあるアコウの木にお供して連れて行った。タコを漁をしていると、ケンムンが山のアコウの木から石を投げて、タコを取るなと言った。
類似事例 |
|
ケンムン,マヨナムン,ヨウカイ 1977年 鹿児島県 ケンムンはアコウの木につく。木によっては、アコウでなくてもマヨナムンがつく。ある時、バドーという木を切り倒したら、その直後熱病で倒れた。医者に見てもらっても治らなかった。そこで、ユタに加持祈祷してもらったら、木の崇りであることがわかったので、打ち祓ってもらった。
類似事例 |
|
ケンムン,ケンムンウマツ 1977年 鹿児島県 昔、ケンムンが火を灯して山裾の旧道をよく歩いていた。学校の裏の老松がある屋敷にケンムンが住んでいた。ケンムンウマツは、火がいくつもついていくことである。塩炊き小屋にはよくケンムンがやってきた。アコウの木の下には、ケンムンが食べたタニシの貝殻や海の貝殻が落ちている。
類似事例 |
|
ケンムン 1985年 鹿児島県 ウフルグマという岬の近くの海で釣りをしていたとき、ケンムンが山の上から石をゴロゴロ投げてきて、頭を叩き割られたことがあった。ケンムンの憑く大きなホーギ(アコウ)の木があって、今でも根元には貝殻がたくさんある。
類似事例 |
|
ケンムン 1985年 鹿児島県 夜釣りに行っていると、ウフグルマというところのホーギ(アコウの木)の上からケンムンがさかんに石を投げる。ゴロゴロという音がして上のほうから石が落ちてくる。以前はあったが今はそんな現象はなくなっている。
類似事例 |
|
ケンムン 1981年 鹿児島県 ホウグィ(アコウ)にはケンムンが憑依しているといわれる。ガジュマルやアリキャネク(ハマイヌビワ)、シプグィ(オキナワジンコウ)などの木にもケンムンが憑く。森林の大木や老松にはほとんどケンムンが憑依していると恐れられている。
類似事例 |
|
ケンムン,アカイヒ 1977年 鹿児島県 ケンムンは芭蕉畑などに座っており、座ると脛が長いので膝頭が耳の上を越すという。山の水溜りにいて、気の弱い人にはよく見える。アコウの木の下にもいる。夜の午前1時から2時ごろになると、何十もの赤い火になって、山裾の旧道を群れになって通る。
類似事例 |
|
ケンムン 1999年 鹿児島県 ガジュマルはホーギ(アコウ)と共にケンムンの住む木である。嘉徳の小浜では、ガジュマルのそばで赤ん坊をあやすような人の声がしきりに聞こえてきたという話がある。クチを知っている人にはケンムンは憑かない。
類似事例 |
|
ケンムン 1981年 鹿児島県 かけろま島のカリョという水源地の上に石を抱いているウホギ(アコウ)の木があり、雨が降り出しそうな、暗くて寂しいときにその木の前を通ると、ケンムンが石をバラバラと投げるものだったという。
類似事例 |
|
ケンムン 1977年 鹿児島県 夜、猪狩りに出かけたら目が痛くなった。ユタに見てもらうと、ケンムンの仕業であることがわかった。それで、ケンムンのついているアコウの木を厄祓いしたら快癒した。また、ある人は1月20日の節句に行った時、急に目が痛み出した。山でケンムンに悪戯したための祟られたのだった。ユタに息で吹いてもらったら快癒した。
類似事例 |
|
オテングーサマ,ヌイ,(ゾクシン) 1989年 長野県 明け方、ヒューヒューと鳴く鳥(ヌイ)が鳴くと、昔の人はオテングーサマの声だといった。必ず近所で人が死ぬとか不幸がある。
類似事例 |
|
ケンムン,ヒノトラガミ 1989年 鹿児島県 ケンムンは、主にアコウの木やガジュマルの木に憑依しているといわれる。相撲が好きで、浜野塩炊き小屋に暖をとりに現れて村人に相撲を挑むが、なかなか強いという。ケンムンはヒノトラガミとも呼ばれ、山の神の様相も帯びている。村人に悪戯したり協力したり、生活に大きく関わりをもっていた。
類似事例 |
|
ケンムン 1977年 鹿児島県 ケンムンはウディキサマ(お月様)とティダクムィガナシ(太陽久米加那志)の私生児だった。私生児なので天において置けず、地上の辺鄙な岩礁に置いた。そこへタコが来て、ケンムンにいたずらをした。それでケンムンは住む場所を変えてくれるように頼み、アコウの木やガジュマルに住むようになったという。
類似事例 |
|
キジムナー 1985年 沖縄県 キジムナーはアコウの木に住む。鍋を借りに来て、返す時には虫の煮た物が入れてあった。住居の木を焼かれたことへの報復として、家や家族を全部焼いた。
類似事例 |
|
ケンムン 1977年 鹿児島県 ケンムンは半年は山に住み、後の半年は海に住む。アコウの木に住んでいて、たくさん貝殻が積まれているのをよく見る。人間の邪魔をよくし、ある時、漁から帰ると、子供のようなものが道の真ん中に大勢並んでいるので、家に帰ることができなかったという。
類似事例 |
|
テングサマ 1956年 山梨県 山に木を採りに行った帰り、頭上をヒューと音を立てて通ったものがあれば、それは間違いなく天狗様だという。天狗様は、鼻が高く、羽根を持つ。
類似事例 |
|
ケンムン 1981年 鹿児島県 ケンムンは「ハイユー ハイユー」と鳴く。子守りをする声は「ヒュルヒュル」と響く。一抱えほどもある大きなウホギ(アコウ)やアルキャネク(ハマイヌビワ)に憑いているといわれる。
類似事例 |
|
ガラッパドン 1960年 鹿児島県 ガラッパドンは春秋彼岸に「ヒューヒュー」と鳴きながら山と川とを上下する。時々馬の背について、祟ったりたてがみを固く結ぶなどの悪戯をする。これを祓うには仏前の供物を馬に食わせると目が光り、ガラッパが寄り付かなくなる。
類似事例 |
|
ケンムン 1981年 鹿児島県 ガジュマルの木を住家にしていたケンムンがいた。その木の下を通ると猿のような声で鳴くケンムンは愛嬌があった。夢に出てきて「○○に居る」と言い、次の日そこに行くとケンムンは必ず居た。ケンムンに好かれる人の話である。
類似事例 |
|
ケンムン 1981年 鹿児島県 ケンムンに引っかかれるとかさぶたになる。ケンムンが近くにいる場所で魚釣りをしていたが、そこから戻る途中に頭を引っかかれて、雁瘡になったと兄が昔話をしてくれた。シマシラキなどの木にはケンムンが住んでいるといわれる。
類似事例 |
|