クシ,モノマヨイ 1942年 沖縄県 物迷い(神隠し)した者は、一旦帰ってきて自分の櫛を持って出て行くと、再び帰宅しないと信じられている。そのため、家族は本人の櫛を隠して取られぬようにするが、締め切った部屋でも入ってきて、知らぬ間に取られる事がある。
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メグリフチノヌシ 1939年 奈良県 川原で櫛を探していると主が櫛に化けてその人を引き込んだ。
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ダイジャ 1942年 富山県 櫛田神社の神体は、女の櫛である。昔池に大蛇が出て、人を呑んだが、通りかかった女の櫛を恐れて出なくなった。そのため櫛を祀ったという。また、女を呑んだ時、櫛が喉にひっかかって死んだためであるともいう。
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ダイジャ,ワカイオトコ 1939年 岩手県 大明神沼の辺に住んでいた法印か和尚の妻がひとりで歩いていたら、どこからともなく若い男が現れて執念深く言い寄ってきたので、櫛を渡して帰りにいうこと聞くと約束した。帰る途中そこを通ると、大きな蛇が櫛をくわえて死んでいた。髪油のしみ込んだ櫛は蛇にとって有毒であるらしい。
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ダイジャ 1942年 岩手県 法印の妻が出掛ける途中に、若い男に言い寄られ、帰りに言うことを聞くといって、櫛を渡して逃げた。帰り、男にあった場所で、大蛇が櫛をくわえて死んでいた。
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(ゾクシン) 1942年 不明 狩には女を連れて行くのを忌むが、櫛は持っていく。
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ダイジャ 1969年 富山県 ある年の田植えに早乙女を呑んだ大蛇は、女の櫛が咽喉に引っかかって死んだ。その村では後に櫛田神社を建てて櫛と女を祀った。
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(ゾクシン) 1942年 不明 櫛を投げて、それを取った者は、血縁者でも他人に変わると信じられていた。
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(ゾクシン) 1942年 不明 人から櫛をもらうと、その人と縁を切る。もしくは、その人の悩みをもらうことになるという。
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ユウレイ,マヨケ 1991年 愛媛県 猟師が丑三つ時に歩いていたら、向こうから口に櫛をくわえたサバイガミ(長く垂らした髪)の女が来た。幽霊かと思ったら普通の人間だった。離婚して里に帰る途中で、魔除けに櫛をくわえて髪を解いて歩いていたのだった。
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(ゾクシン) 1942年 不明 櫛を拾うときは、3度蹴って拾うと良い。
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(ゾクシン),マノモノ 1942年 不明 女が夜歩く時に、櫛をくわえて外出するのは、魔のものをさけるためだといわれている。
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クシ,カミカクシ 1942年 和歌山県 神隠しの子どもを捜すのに、櫛の歯を折って、桝の尻を掻いて、変な音をたてる。
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(ゾクシン) 1942年 不明 櫛を拾うときは、かわりに、1銭か2銭をそこに置けばよい。
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(ゾクシン),カガミ,クシ,トイレ 1998年 静岡県 夜の十二時に新しい鏡と櫛を持ってトイレに入ると、将来の結婚相手が現れる。
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ヒトトリブチ 1989年 山梨県 奈良田の居平から向いの塩島に至る所に橋がかかっているが、孝謙帝行幸当時は丸木橋だった。ある時洪水のために丸木橋が流れ、帝は水が治まるように祈願すると、治まった濁流から櫛が見えた。住民が氏神八幡宮にお伺いすると、櫛の所有者が入水すれば橋がかかるとのお告げ。そこで村人達は所有者である少女を人柱に立てたために、そこは人取り淵といわれている。
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(ゾクシン) 1938年 福島県 熊狩りのために村を立つとき、女性から櫛を借りたり貰ったりしていた。こうすると熊が獲れるという縁起によるものであり、また、狩場での色話はよいとされているためである。
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カエン,カミ 1980年 ある家の下女が、夜に髪の毛を櫛でといていると、とく度に髪の中から火焔が落ちてきた。驚いて取ろうとすれば消えてしまう。それは蛍が多く集まって飛び散るかのようであった。この下女は主人に言うと、物の怪として追放されてしまったが、ある裕福な人の妻となり子孫は栄えたという。
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カミカクシ,コウジンガクレ 1973年 香川県 神隠しにあった少年がいた。部落中で探し回ったが見つからず、4日目に近所の便所の近くに立っているのを発見された。神隠しにあったという評判が立った。それ故に子供たちは神隠しに遭うから夜に外へ出てはいけないという。
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(ゾクシン) 1982年 新潟県 モノモライに関する呪的療法。木の櫛をあたためてその油をつける。よその家から、その敷居をまたがないで食物をもらってきて、戸外で食べる、など。
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シチマジムン,ヒチマジムン 1933年 沖縄県 シチマジムンは姿を見せずに櫛穴から家に入り、人を取り隠すと信じられている。シチマジムンに取られることをシキに持たれると言う。男女の腰布を振ると逃げ去るという。シチマジムンをシキマジモノ、ヒチマジムンとも言う。
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