クモ 1990年 静岡県 浄連の滝で昔、農夫が休んでいると女郎蜘蛛に糸をかけられた。糸を外してかけ移した切り株は滝壷に引き込まれた。後年、農夫の後継ぎが滝壷に斧を落とすと美女の姿をした女郎蜘蛛の精が返してくれたが、口外すると生命を失ったという。
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ジョロウグモ,タキノヌシ 1989年 静岡県 天城湯ヶ島町の浄蓮の滝の主は女郎蜘蛛。農夫が滝の上で休んでいると、蜘蛛が足に糸を巻きつける。糸を桑の切り株に掛けたら、大地が震えて切り株は滝に呑み込まれた。
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クモ 1982年 宮城県 田束山のクモ滝にある人が行ったら、滝から蜘蛛が出てきて足に糸を巻いた。糸を脇の樹に引っ掛けておいたら、その樹は滝壷に引き込まれた。
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クモ 1958年 香川県 塩売りが投げ渕のほとりで一休みしていると、木の枝から一匹のクモが下りてきて塩売りの足の親指に糸をかけはじめた。クモは糸を渕の底にもかけている様子である。塩売りは寝た振りをしながら親指にかけられた糸を木の切り株にかけなおしておいた。しばらくしてクモは渕の底へ下りていった。すると、木の切り株がものすごい音とともに渕の中へ引っ張り込まれていった。
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クモ 1982年 宮城県 田束山のクモ滝に大きな蜘蛛がいた。ある人が山に行ったら、滝から蜘蛛が出てきて足に糸を巻いた。糸を脇の樹に引っ掛けておいたら、その樹は滝壷に引き込まれた。
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カッパノヒヤク 1986年 埼玉県 池山と呼ばれる池があった。農夫がここで草を刈っていると一匹の河童が現れ、いたずらを始めた。追っても追ってもいたずらをやめないので、農夫は持っていた鎌で河童の腕を切り落とすと、河童は池の方へ逃げて行った。農夫はそれを持ち帰った。その晩、農夫の家に河童が美しい女の姿で現れ、昼間の行いを謝罪し、腕を返してもらうよう頼んできたので、農夫は腕を返してやった。すると河童はお礼に、切れた腕でも足でもつなぐ薬の作り方を教えて立ち去った。
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クモ 1966年 埼玉県 夏の昼、百姓が滝壷のそばで休んでいると、蜘蛛が現れ足の親指に糸をかけ始めた。かけ終わった蜘蛛は糸を引きながら滝壷の中に消えた。不審に思い、糸をはずして木株に巻きつけておいたところ、「ヨイショ」と声がして木株が引き抜かれ、淵に沈んで行った。
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タキノヌシノクモ 1971年 福島県 川上発電所のある所に昔、前田滝という滝があった。この滝の主は蜘蛛だった。魚釣りをしていると、大きな蜘蛛が出てきてその人の親指に何度も糸をかけるので、不思議に思って、その糸をそばの木の根にかけかえるとその木の根を引き抜いて水の中へ引きずり込んでしまった。そして、人間でなく木の根だと気がついたのか、水の底から「アッハッハ」という笑い声がした。
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ライジン 1921年 愛知県 農夫が田に水を引くときに雷が落ちた。雷は童子の姿となり、農夫の子供に生まれて恩を返すと命乞いをした。農夫には頭に蛇を二回り巻いた子が生まれた。これが道場法師である。
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カッパ 1935年 滋賀県 昼寝をしていると、河童が蜘蛛に化けて足に糸を巻きつけて川に引き込む。ある所では、水辺にいた男が突然糸に絡まり、それが太くなって水中に引きずり込まれるので、慌てて糸を鎌で切って命は助かったという。
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ダイジャ 1959年 福井県 大蛇が娘を所望するがかなわず、ついに娘を攫って滝の中に没した。この滝が「オトメの滝」である。
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タニシ,センニョ 1940年 朝鮮 農夫の拾った田螺は実は仙女の化身であった。正体を明かした仙女は農夫と夫婦になり、幸せに暮らした。それを見た別の男が自分の財産と仙女の妻を賭けた勝負を農夫に挑んできた。結果は農夫の勝ちで、財産も手に入り、より一層幸せに暮らした。
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ダイジャ 1985年 和歌山県 平治川にはオン滝とメン滝があり、滝の色が七色に変わるという。昔、平治川の娘がこの滝に行くと、美しい男と一緒になった。二人は良い仲になったが、ガマの滝まで行くと大蛇になって滝に入った。娘は逃げ帰ったが、病気になったという。
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ヘビ 1979年 茨城県 滝には蛇が住んでいて、釣りをしたり入ったりすると、戻って来た人がいないと言われていた。水戸光圀がこの話を聞いて、ぜひ見てみたいというのでやってきた。以来、この滝をご前滝というようになった。
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クモ 1982年 宮城県 滝の近くで樵が着物を脱いでおいておいたら、蜘蛛が引っ張っていった。それでその滝をクモ滝と言う。
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カミナリ 1975年 愛知県 敏達天皇の御時。尾張の農夫が夏の頃、田に水を引いていると、空が曇り雷雨になった。農夫が木陰にいると雷が落ちた。その形は小児のようであった。農夫が打ち殺そうとすると雷は命を乞い、汝のために異なる子を産ませようといった。ほどなく農夫の妻が懐妊した。生まれた子は怪力で、元興寺の鬼を殺した。小児は僧になり、道場法師と名乗ったという。
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クモ 1936年 岐阜県 釣り人の頭に大きな蜘蛛が糸を付けて引こうとした。釣り人は糸をとって傍らの木に付けた。すると木は淵の中に引き込まれた。
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ヘビ 1979年 茨城県 春には農民が溜池に草刈にくる。ある農夫が草刈に夢中で蛇が近づいてくることに気づかず、蛇の首を切り落としてしまった。直後に嵐となり、田畑は流された。農夫が家で鎌を見ると、大蛇の頭がささっていた。そのまま農夫が家を飛び出し、行く先不明となった。
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カッパ,クモ 1991年 滋賀県 河戸へ柴を取りに行った人が池の渕で休んでいると、蜘蛛が上がってきてその人の足の親指に糸を巻いては水に入ることを繰り返した。おかしいと思いそばの木の株に糸を引っ掛けておくと、だんだん糸が太くなってきて最後に木の株は池の中に引きずり込まれた。それからそこを蜘蛛が渕と言うようになった。
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クモ 1956年 神奈川県 釣り好きな人が夢中で釣りをしていたら、足元で大きな蜘蛛が足に糸をかけていた。驚いて糸を切って帰ったが、そのまま寝付いてついには死んだ。
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クモ 1962年 滋賀県 海辺で遊んでいると海からクモみたいなものが上がってきて、膝に糸を巻いて海に降りていった。膝の糸を外して杭に糸をかけたのも知らず、糸を引っぱったので杭が折れ海の底で笑い声がした。それ以来海には遊びに行くなと言っていた。
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