フナユウレイ,シュニョウバ 1933年 台湾 1700年ごろ、泉州と漳州を往復する船に阿斑という船員がいた。阿斑には娶尿婆という恋人がいて、船長に嘆願して同船させたが、他の船員の嫉妬などから悪く言われるようになり、ある月明かりの夜、娶尿婆は海に身を投げて死んでしまった。船の人々はその死を悼まず、あの女は魔物だったから、これで安心だと喜んだ。泉州からの帰路、娶尿婆の姿をした船幽霊に襲われて船は沈んだ。阿斑のその後は不明。娶尿婆の魂魄は海を迷い歩き、船を呪っているという。
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ミミナリ,(ゾクシン) 1939年 和歌山県 耳のなるときは人が死ぬ。
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タツクチナワ 1956年 蛇に耳のあるものだとされる。
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(ゾクシン),ネコ 1936年 栃木県 猫を殺すと化けて出るという。
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ネコ 1993年 埼玉県 お爺さんが猫と住んでいた。猫はよく遊びに出て行くのだが、その晩に限って出て行かなかった。すると、お爺さんを踊りに誘う人が来た。お爺さんは飼っている猫が化けて騙しているのだと考え、猫を追い出した。そうしたら、猫は帰ってこなかった
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ネコ,(ゾクシン) 1942年 富山県 猫を殺すと祟りがある。また、猫が死人をなめると猫が跳ねる。
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ネコ 1973年 三重県 ある猟師が家で飼っていた猫は、ずいぶんと年だった。あるとき、猟師が仕事に行ったところ猫がいた。猟師はそれを撃とうと思い、元から一発入っていたところに玉入れをした。猫はそれを見ていた。猫を撃つと、猫はそれを茶釜の蓋でことごとく除けた。猟師は元から多めに入っていた一発で玉切れだと油断していた猫をしとめた。倒れた猫を拾いに行くと、それは自分の家の猫だったという。猫を長く飼うと、化けて出ると言われている。
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(キンキ) 1973年 富山県 猫は化けて出るから撃たない。
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バケネコ,ネコノタニ 1930年 兵庫県 下里村の三口から姫路へ抜ける県道は昔大森林で、猫の谷と呼ばれていた。三口、口猫、中猫、奥猫と分かれており、伝説によるとこの谷に化け猫が棲んでおり、猫の鳴き声が聞こえると、必ず化け物が出てきて人をだましたといわれている。
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ヤマイヌ 1954年 山梨県 耳なし九兵衛という人が、山犬に耳を食いきられたという話がある。
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ミミノホテリ 1981年 山形県 朝は右耳、夜は左耳がほてると悪いことがある。
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(ネコノカイイ) 1940年 新潟県 猫は年を取ると山には行って猫又になるといい、猫が五六歳になったら黙って捨ててこなければならないという。猫は化ける、踊るともいう。猫は殺すと祟るという。
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ネコマタ 1975年 長野県 ある寺に他の猫を食い殺すねこまたのような猫がいた。田舎から出てきた野菜商がこの猫をもらい受けて帰った。二,三日すると、家に住む悪鼠を猫が退治してくれたと礼を述べに来た。
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(ゾクシン) 1969年 岐阜県 死んだ人の魂は生まれ出てきたものになる、という。たとえば死んだ後に猫が生まれると、死者は猫に生まれ出たことになる。
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ネコイシ 1967年 福島県 猫鳴き山の頂上には猫石と呼ばれる大石がある。昔磐城判官の娘が戦に破れて落ち延びる際にここで連れてきた猫を捨てていった。猫は鳴きながら石になってしまったので、猫鳴き山と呼び、石を猫石というようになった。
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ネコ,ネコマタ 1992年 宮崎県 猫は1貫目を越えると修行に出る。猫は山で松の切り株に寝て松脂をつけ、砂のところに寝て毛を硬くし、矢も鉄砲も通らないようにする。1年か2年か7年かして帰ると猫股になっていて、家の者を狙う。だから猫の子が生まれると、大きくならぬまじないに枡に入れる。猫股は尾先が2つに分かれている。赤猫の牡は猫股になりやすい。
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バケネコ 1934年 福井県 妻が2人の人間に化けるようになって困っていた。2人の妻に晩酌をさせていると、そのうちの1人が耳を動かしたので、弓で殺すとその姿は猫であった。近くにあった猫塚は子供の夜泣きや、飼い猫が行方不明になったときに効果があるといわれる。
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ネコ 1976年 徳島県 四国の山村地帯では、どこでも猫を飼っているが、猫のダイツギは忌まれている。ダイツギとは猫の跡取のことで、猫の仔は飼ってはいけないことになっている。また年を経た猫は化物になるといわれ、飼うのを忌む。猫が年を経ると小豆飯を炊いて猫に与える家もある。する猫はいつのまにかいなくなると言う。
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フーライネコ 1993年 静岡県 猫は赤子に取り憑き、高熱を長引かせる。大正期まではフーライ猫退治が行なわれていた。カラネコというワンナ(罠)で猫を捕らえる。取り憑いた猫は鳴かない。鳴く猫は妖怪ではないので逃がす。猫を煙で燻して弱らせて殺し、煮て砂糖醤油で味付けして皆で食べると病は治る。取り憑いた猫は赤子の乳を吸い取っているので、胃の中に乳が入っていたという。
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〔フクネコヅカ〕 1986年 埼玉県 昔、桶屋職人が猫を飼っていた。ある夜、その猫が猫踊りをしていたのを見て追い出した。猫はその後、和泉屋という料理屋に拾われた。そして街道を通る旅人に手招きをするようになった。これが評判になり、店も繁盛した。この猫は福猫と呼ばれ、死んでから塚に祀られた。
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ミミナリ 1956年 宮城県 耳が鳴ると同じ年の人が死ぬとかいわれる。
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