ソデヒキコゾウ 1956年 夕方道を通ると、後から袖を引かれるが、振り返っても誰もいない。歩き出すとまた袖を引く、という妖怪。
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ソデヒキコゾウ 1938年 埼玉県 夕方、道を歩いていると、袖を引く者がいる。驚いて振り返っても誰もいない。歩き出すと、また袖を引かれる。この怪異を「袖引小僧」といい、埼玉県西部の村でよく語られている。
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ソデモヂキ,ソデモギ 1966年 香川県 袖モヂキという所は村境にあり、ここを通ると狸が出て袖を引っぱったり化かして裸にすると戒められたという。昔、本村と土井の氏人の間で御神体のとりあいになり、御衣は本村がとり、袖だけを袖八幡として祀った所が、袖モヂキだという。
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ユウレイ 1974年 東京都 江戸柳原で、ある者が天和3年の夏に死んだ。その頃のある夕暮に幽霊が現れ下女の袖を引いた。下女は気絶したがやがて気が付いた。下女の袖がなくなっていたのを不審に思い翌朝妻の塚に行くとその袖が石塔の上にあった。
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オンナ,ソデトリガミ 1988年 長崎県 夜道を武士が歩いていると女がついてくる。怪しく思い斬り付けると、怪物はキャッと言って逃げたが、その時左の袖を失った。それから「袖取神」といって祀るようになった。
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ダレガソデザカ 1939年 兵庫県 太山寺の仁王門の近くに、苦集滅道という坂があり、そこで倒れると、袖を斬り捨て身代りにしないと命が短くなるという。誰のものか分らない袖がそこに沢山捨てられたことから、誰が袖坂と称されるようになったという。
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ハシ 1942年 静岡県 「袖切橋」という橋を通る人が、躓き倒れると、必ず片袖を切って通らなければならないとされていた。
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キモノ 1939年 千葉県 人が死んで七日目に川へ洗濯に行くが、その着物は袖を通さずに引っかけて干すので、袖のある洗濯物は必ず袖を竿に通して掛けるという。
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ユウレイノカタソデ 1942年 大阪府 袖を身頃に縫いつける時、やりかけのまま1晩越すことを「幽霊の片袖」といって忌む。縫いつけられない時は、早めに切り上げて、翌朝最初に袖をつける。
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ソデモギ 1972年 岡山県 豊田村柿部落に袖もぎ地蔵がある。この地蔵の前で転ぶと袖を取られるので袖もぎ地蔵という。昔隣村からの帰り道にこの地蔵さんの前に来ると、坂から石臼が転がってくるので避けようとして転んだ。怪我もないので家に帰ったが、片袖がないことを妻に指摘された。翌朝地蔵の前に行ってみたが石臼はなく、狐の仕業かと村人は話し合った。
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キツネ,ヒノタマ 1976年 山形県 夜遅く歩いていると狐に化かされる。夜道を歩いていたら、狐が現れて逃げていった。少し歩いていたら、提灯のような火の玉が現れた。驚いて逃げ、それからは村の人たちは夜遅く歩かないようになった。
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タヌキ 1971年 高知県 山に向かって歩く狸を始めて見た。後ろから呼びかける者がいたが、誰かと聞いても返事をしない。一人で歩いていると、マントを着て前を歩く大きな人がいた。いくら歩いても追いつかなかったが、急に姿が見えなくなった。すべて狸の仕業だろう。
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キツネ 1975年 愛知県 狐つきの家の主人は、常に袖や肩を払っているという。
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キツネ 1983年 東京都 おじいさんが馬を引いていると、月が2つ出た。歩いているうちに消えてしまった。こういう話を聞いたことがある。
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オクリオオカミ 1989年 長野県 牧という部落から帰るときには、山林の中を通ることになる。夜遅く歩いていると、おおかみが後をつけてくる。振り返ると襲いかかってくるので、振り返らないように真っ直ぐに向いて歩く。いい加減歩くと、「ありがとう、もうすぐ家なので心配ありません、ありがとう」などと言って腰を下ろして一服していると、帰っていくという。
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キツネ 1983年 秋田県 山から草を背負って歩いていたら、道のつもりで川の中を歩かされていた。狐の仕業。
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シシャ,シヤウツカノバアサン 1942年 不明 死者は、あの世への道を辿る時に、必ず三途の川をわたらねばならない。その川の側に、シヤウ塚の婆さんがいて、経帷子の片袖をもぐ。そのため、死衣の片袖は縫いつけずに、ちょっととめておくものだという。
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ショウヅカノスガタ,ソデモギトウゲ 1969年 香川県 大窪寺の手前にあるオンバトウゲをソデモギトウゲとも言う。ここで転ぶと袖がもがれると言う。峠の辻に祭ってあるショウヅカの姿が袖をとるのだと言っている。
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カッパ 1931年 熊本県 子守の加勢に来ていた小娘が堤で泳いでいたら河童に引かれて死んでしまった。その兄も高瀬川で泳いでいたとき、河童に引かれて死んだ。ちょうど去年妹が引かれた日だった。
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カワランベ 1981年 長野県 夕方遅くまで川で遊んでいると「カワランベに引かれるぞ」などと威された。
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ボウレイ 1952年 三重県 桑名から江戸へ向かう途中、箱根で死んだ人がいる。その亡霊が、旅人に片袖をとって、死んだことを家族に伝えてほしいと言った。家人はその袖を寺に奉納して供養してもらい、袖野庵を建てた。
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