■研究活動 共同研究 2019年度

縮小社会の文化創造:個・ネットワーク・資本・制度の観点から

領域 基幹共同研究

 日本の人口は2008年から急速な減少に転じた。高齢化率が高くなり、家計の可処分所得は2015年には30年前の水準に戻り、豊かさを感じていない国民が増えているといわれている。そうしたなかで、富裕と貧困、東京と地方、本土と沖縄、「日本人」とそれ以外、高齢者と若者、健常者と障碍者、性的多数者と少数者、グローバル・エリートとローカルな民など、社会のさまざまな分断があらわれている。
 そのような時代に、文化はどのようなものになるのだろうか。現代の日本で新たな思想や価値につながる何かが芽生えているのか。制度や社会的な圧力によって生まれなかったものがありはしないか。社会福祉や地域振興と文化創造は、ときに矛盾をはらみながら展開するが、はたしてそれらは個の「生」とどう関わっているのか。
 個人の「生」の表現とそれに関する制度、政策、規制、資本主義の関係、参照点としての異文化圏、そして理論と批評の行方についてなどを検討することを通して、縮小社会における文化創造の現状認識を可視化したい。
(以下の研究組織は2019年8月6日時点のものです)

研究代表者 山田 奨治 国際日本文化研究センター・教授
共同研究員 佐野 真由子 京都大学大学院教育学研究科・教授
谷川 建司 早稲田大学政治経済学術院・客員教授
大石 真澄 愛知淑徳大学創造表現学部・助教
小川 さやか 立命館大学大学院先端総合学術研究科・教授
荻野 幸太郎 NPO法人うぐいすリボン・理事
太下 義之 独立行政法人国立美術館・理事
沢田 眉香子 フリーランス・編集者、ライター
服部 圭郎 龍谷大学政策学部・教授
服部 正 甲南大学文学部人間科学科・教授
松村 圭一郎 岡山大学大学院社会文化科学研究科・准教授
三脇 康生 仁愛大学人間学部心理学科・教授
山本 泰三 大阪産業大学経済学部・教授
吉澤 弥生 共立女子大学文芸学部・教授
吉村 和真 京都精華大学マンガ学部・教授
山下 典子 京都大学大学院農学研究科・科目等履修生
木村 智哉 玉川大学芸術学部・非常勤講師
松田 利彦 国際日本文化研究センター・教授
田村 美由紀 総合研究大学院大学・大学院生
海外共同研究員 玉野井 麻利子 University of California, Los Angeles・Professor