■研究活動 共同研究 2017年度

近代東アジアの風俗史

領域 基幹共同研究

 日本人の暮らしは、西洋化されてきた。とりわけ、衣生活はその傾向が、いちじるしい。すまいでも、今日、畳は床からきえだしている。食事でも、舶来のメニューは、そうとうな数にのぼる。
 ただ、食べ物に関しては、在来の食品もかなりある。西洋料理とのハイブリッドがなりたった品も、すくなくない。のみならず、中華料理も愛好されている。住宅づくりでは、在来造作の影がうすくなってきた。洋風の感化をうけた造形が、一般的になっている。衣服の場合もそうだが、中華文明の影響は、ほぼ見られない。がんこに残存する和風の伝統は、床の上で靴をぬぐ暮らしぐらいか。いっぽう、今日の和服は、礼装や遊び着の一部でしかありえない。
 さて、東アジア諸地域も、19世紀以後は、西洋化の波をかぶっている。この研究会では、それぞれの地域における衣食住、生活風俗の推移をおいかける。その変容ぶりを、近代日本におけるそれと、比較検討していきたい。諸地域の西洋化にはどのような差違、あるいは特性があったのかを、うかびあがらせるつもりである。
(以下の研究組織は2017年11月15日現在のものです)

研究代表者 井上 章一 国際日本文化研究センター・教授
共同研究員 劉 建輝   国際日本文化研究センター・副所長/教授
北浦 寛之 国際日本文化研究センター・助教
石川 肇 国際日本文化研究センター・助教
斎藤 光 京都精華大学・教授
申 昌浩 京都精華大学人文学部総合人文学科・教授
永井 良和 関西大学・教授
西村 大志 広島大学大学院・准教授
濱田 陽 帝京大学・准教授
李 珦淑 帝京大学・非常勤講師