■研究活動 共同研究 2014年度
人文諸学の科学史的研究
領域 第1研究域 動態研究
学問の歴史をふりかえる科学史研究は、おもに、理科系の分野でこころみられてきた。科学が時代や社会、そして企業や国家に左右される様子をとらえた仕事は、数多くつみかさねられている。しかし、文化系のいとなみに、こうした分析がほどこされることは、あまりない。今回の共同研究では、いままでややおろそかにされてきた歴史学や文学などを、科学史的にふりかえることがこころざされている。
言うまでもないことだが、人文系の諸学問にも、時代色はある。われわれは古い論文を読む時、それが書かれた時代の流れを、いやおうなく感じさせられるものである。今回の共同研究では、そういう時代色のありようを浮かびあがらせることに、つとめたい。各分野の研究者が学問史をふりかえり、それらをたがいにくらべあう。そうすることで、超分野的に研究者たちがまきこまれた時流、あるいは、あるかぎられた分野にしかおよばなかった時流のちがいなどを、見きわめたい。
大学による学風、学統の実相も、この作業をつうじてあきらかになってゆくだろう。われわれは、たとえば関東と関西の学問に、地域的なかたよりのあることを、体験的に知っている。こうした要素が、じっさいのところどのように、またどのていどまで研究を左右するのかも、つきとめたい。
理科系の場合とちがい、人文系の諸学問がスポンサーシップでゆらぐことはあまりないだろうと、とりあえず予想される。しかし、それはまったくないと言っていいのか。社会的な要請にこたえようとする力みが、研究を左右するケースも、どこかにはひそんでいるかもしれない。
さまざまな観点から、学問の中立性をゆがめるだろう諸要因を、ときあかす。
(以下の研究組織は2014年10月1日現在のものです)
研究代表者 | 井上章一 | 国際日本文化研究センター・教授 |
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幹事 | 瀧井一博 | 国際日本文化研究センター・教授 |
共同研究員 | 今谷 明 | 帝京大学文学部・教授 / 国際日本文化研究センター・名誉教授 |
〃 | 上島 享 | 京都大学大学院文学研究科・准教授 |
〃 | 上村敏文 | ルーテル学院大学・准教授 |
〃 | 鵜飼正樹 | 京都文教大学総合社会学部・教授 |
〃 | 内田忠賢 | 奈良女子大学大学院人間文化研究科・教授 |
〃 | 長田俊樹 | 総合地球環境学研究所・名誉教授 |
〃 | 小澤 実 | 立教大学文学部・准教授 |
〃 | 小路田泰直 | 奈良女子大学文学部・教授 |
〃 | 斎藤成也 | 国立遺伝学研究所・教授 |
〃 | 佐藤雄基 | 立教大学文学部・准教授 |
〃 | 関 幸彦 | 日本大学文理学部・教授 |
〃 | 高木博志 | 京都大学人文科学研究所・教授 |
〃 | 高谷知佳 | 京都大学大学院法学研究科・准教授 |
〃 | 竹村民郎 | 元大阪産業大学・教授 |
〃 | 玉木俊明 | 京都産業大学経済学部・教授 |
〃 | 鶴見太郎 | 早稲田大学文学学術院・教授 |
〃 | 永岡 崇 | 南山大学南山宗教文化研究所・研究員 |
〃 | 林 淳 | 愛知学院大学文学部・教授 |
〃 | Silvio VITA | 京都外国語大学外国語学部・教授 |
〃 | 藤原貞朗 | 茨城大学人文学部・教授 |
〃 | 安田敏朗 | 一橋大学大学院言語社会研究科・准教授 |
〃 | 若井敏明 | 佛教大学・非常勤講師 |
〃 | 荒木 浩 | 国際日本文化研究センター・教授 |
〃 | 伊東貴之 | 国際日本文化研究センター・教授 |
〃 | 大塚英志 | 国際日本文化研究センター・教授 |
〃 | 倉本一宏 | 国際日本文化研究センター・教授 |