■研究活動 共同研究 2013年度

日本庭園のあの世とこの世-自然、芸術、宗教

領域 第一研究域 動態研究

 日本の庭園をどうとらえるか、にはさまざまな視点があるだろう。「日本庭園のあの世とこの世」、と掲げたのは、日本の庭園の独自性を解明するのに古代・中世的な自然観(「あの世」)と近世・近代の自然観(「この世」)の対比、並存の視点で見る方法があり得るとの予感からである。
 日本庭園の造形と思想を取り上げる際に、その儀礼・宗教性に注目するのと利用・遊興性に注目するのとでは、まったく異なった庭園像が生まれる。それは拝観・鑑賞の対象としての今日の日本庭園(芸術性)とかつて多様な行事や遊興の宴の場として利用された日本庭園(実用性)の分裂した理解にもつながる。
 日本の庭園は自然、芸術、宗教などの日本における観念の集大成ともいえる。その総合性を「あの世とこの世」という対比で歴史的に読み解く共同作業を通して、日本の自然観における前近代的なものと近代的なものの対立・並存の構造を考えたい。
(以下の研究組織は2013年4月1日現在のものです)

研究代表者 白幡洋三郎 国際日本文化研究センター・教授
幹事 榎本 渉 国際日本文化研究センター・准教授
共同研究員 小野健吉 奈良文化財研究所・文化遺産部長
NGUYEN THI HUONG TRA 愛媛大学大学院連合農学研究科/フエ外国語大学日本言語文化学科・博士後期課程/学科長
鈴木久男 京都産業大学文化学部・教授
多田伊織 国際日本文化研究センター/皇學館大学大学院文学研究科・客員准教授/非常勤講師
豊田裕章 大阪府立豊中支援学校/京都大学人文科学研究所・教諭/共同研究員
錦 仁 新潟大学名誉教授
原口志津子 富山県立大学工学部・教授
原田信男 国士舘大学21世紀アジア学部・教授
飛田範夫 元長岡造形大学教授
日向 進 京都美術工芸大学・教授(学部長)
水野杏紀 大阪府立大学・客員研究員
村井康彦 国際日本文化研究センター名誉教授
山田邦和 同志社女子大学現代社会学部・教授
横山 正 東京大学名誉教授・情報科学芸術大学院大学名誉教授
吉澤健吉 京都産業大学/京都新聞総合研究所・教授/特別理事
荒木 浩 国際日本文化研究センター・教授
町田 香 国際日本文化研究センター・技術補佐員
Wybe KUITERT 国際日本文化研究センター/ソウル国立大学環境大学院・外国人研究員/准教授
陸 留弟 国際日本文化研究センター/華東師範大学外国語学院日本語学科・外国人研究員/教授
海外共同研究員 蔡 敦達 同済大学 (中華人民共和国)・教授
外村 中 ヴュルツブルク大学漢学系(ドイツ)・専任講師