■研究活動 共同研究 2005年度
コマーシャル映像にみる物質文化と情報文化
日本にテレビのコマーシャル映像が誕生してから50年が過ぎた。この間、無数のコマーシャル映像が制作され、電波を通じて日本人の脳裏にさまざまなメッセージを絶え間なく伝えてきた。コマーシャル映像のメッセージは、イメージを伴って反復されるため強力に人間の心に残る。とくに幼少期からテレビになじんできた世代にとっては、コマーシャル映像自体がひとつの文化であり、古いコマーシャル作品は古典といえるまでになりつつある。 コマーシャル映像は広告という本質を持っているため、その時代の物質文化が映像に反映されていることはいうまでもない。それに加えて、メッセージの伝え方にその時代の情報文化が反映され、同時にコマーシャル映像のメッセージと伝え方自体が情報文化を形作ってきたともいえる。コマーシャル映像は、こういった物質文化と情報文化の交差する地点にある文化資料として位置づけられる。 これまでコマーシャル映像の研究利用は、マーケティングや世相評論的な観点に偏っていて、文化研究としての広がりを持たなかった。その理由のひとつに、コマーシャル映像のアーカイブが整備されていなかったことと、映像資料に特有な検索性・一覧性の悪さがあった。この研究会では、日文研に構築されたテレビコマーシャル動画像データベースを核にして、コマーシャル映像を多角的に利用した、あらたな文化研究の視点と方法を生み出すことを目的にする。
代表者 | 山田 奨治 | 国際日本文化研究センター研究部・助教授 |
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幹事 | 稲賀 繁美 | 国際日本文化研究センター研究部・教授 |
班員 | 赤間 亮 | 立命館大学文学部・教授 |
〃 | 李 珦淑 | 京都大学人文科学研究所 ・元京都市立芸術大学非常勤講師共同研究員 |
〃 | 柄本 三代子 | 東京国際大学人間社会学部・専任講師 |
〃 | 落合 恵美子 | 京都大学大学院文学研究科・教授 |
〃 | 君塚 洋一 | 京都学園大学人間文化学部・助教授 |
〃 | 朽木 量 | 千葉商科大学政策情報学部・助教授 |
〃 | 香坂 玲 | 東京大学大学院農学生命科学研究科・農学共同研究員 |
〃 | 高野 光平 | 東京大学大学院人文社会系研究科・助手 |
〃 | 白石 さや | 東京大学大学院教育学研究科・教授 |
〃 | 関谷 直也 | 東京大学大学院情報学環・特任助手 |
〃 | 谷川 建司 | 早稲田大学大学院政治学研究科・助教授 |
〃 | 難波 功士 | 関西学院大学社会学部・助教授 |
〃 | 葉口 英子 | 中部大学人文学部コミュニケ-ション学科・非常勤講師 |
〃 | 濱崎 好治 | 川崎市市民ミュージアム・学芸員 |
〃 | ジャンクリスチャン・ブーヴィエ | 元九州大学芸術工学部外国人教師 |
〃 | 山下 典子 | 甲南女子大学大学院社会学専攻・特別研修員 |
〃 | 吉見 俊哉 | 東京大学大学院情報学環・教授 |
〃 | 吉村 和真 | 京都精華大学表現研究機構マンガ文化研究所・研究員 |
〃 | 井上 章一 | 国際日本文化研究センター研究部・教授 |
〃 | 佐藤 卓巳 | 京都大学大学院教育学研究科国際日本文化研究センター・助教授客員教授 |
〃 | 小川 順子 | 国際日本文化研究センター・研究機関研究員 |